信州の建築

2009年11月24日 (火)

モノの縁(エッジ)観察日記 ~その1~

こんにちは、電車の車内で爆睡し、
大胆にヨダレを垂らしていた金石です。

先日、気持ちの良い陽気に誘われて、
家族で善光寺へお参りに行く機会がありました。

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最近、「モノの縁(エッジ)」に興味津々の私は、
ついつい信仰心を忘れ、
あれこれと脇道に逸れては素材を観察しておりました。
この日も石畳に夢中になり、
ずっと下を向いて参道を歩くという始末...

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善光寺参道の石畳です。
ノミで切り出されたであろうこの敷石たちは、
多くの参拝者がこの上を歩いたおかげで、
今や磨きをかけたような、
つるっとした表情になっています。

で、しばらく歩くとこんな石が目に飛び込んできました。

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参道と自動車用の道路が交差する箇所の舗装です。

私の撮影した写真でもわかるくらい、
素材の深みの違いは明らかです。
もちろん、積み上げてきた年月の差は歴然ですし、
両者に優劣をつけることにはあまり意味がないようにも思います。

でも、、、

「何かが違う」という心の中の直感は拭いきれません。

そこで私、よく両者を観察してみました。

で、結論。
石の表面の素材感の違いはさておき、
両者の目地の違いは考察の余地あり。

さすが「モノの縁(エッジ)」に興味津々な男。
目の付け所がマニアックです。

こうして改めて比較してみると、
目地の処理って案外全体の雰囲気に及ぼす影響が
大きいようにも思えます。

言うまでもないと思いますが、
前者の方が遥かに深みが感じられます。

建設業界に身を置き、
あたりまえのように思っていた「目地」の処理ですが、
善光寺の石畳はそんな「あたりまえ」を
見事にぶっ飛ばしてくれたのでありました。

金石健太

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2009年11月 4日 (水)

たたく、たたく

こんにちは、西山です。

先日、三和土を施工しました。

それも、「たたきもどき」ではなく、本物の「たたき」
左官職人にやり方を教わり、文字通り、たたいてきました。

三和土と書くくらいなので、材料は土、石灰、苦汁。
あらかじめ土と石灰を混ぜておき、苦汁をいれながら
あとはひたすら
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 たたく、たたく、たたく、たたく、たたく、たたくたたくたたく・・・

 この道具は「たこ」という名前です。
 ちなみに「いか」という名前の道具にはまだ
 出会ったことがありません。

なかなかの肉体労働でしたが、
おかげで立派な三和土の土間ができました。
これまた勘所をつかむことができれば
素人にも出来る作業でした。

只今修景事業では、
三和土製作依頼、絶賛受付中です!
あなたも一緒にたたきませんか?

しかし、何回叩いたことだろうか・・。

西山哲雄

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2009年10月28日 (水)

すくなくゆっくり

このところ取り組んでいるある建物の再生の仕事の現場では
できるかぎりお施主さんにも作業に参加していただいています。

その建物では、
崩れ落ちた土壁の木舞を補修し、
新たにベトを塗りなおすという作業を
お施主さんにやっていただいたのですが、
私が一通りやりかたを実践してみせただけで、結果、
立派な左官職人が誕生しました。

木舞を掻くのは奥様のほうが得意で、
ベトを塗るのはだんな様が得意と、
見事な分業体制で、
壁を仕上げていく様はとても見事なものでした。

少しの指導により、素人でもできるようになり、
基本を教えただけで、それを状況にあわせて応用することも
容易であるということ。

全てがそうだとはいえませんが、
古い建物をとりまく技術は、
プロでない人の参加を前提としたものが多く、
そういった意味では、
セルフビルド的な志向には向いているのかもしれません。

なによりお二人が楽しそうに作業している姿をみることができて
こちらも感無量でした。

出来上がりも十分に壁として機能するもので、
「綺麗さ」「平滑さ」といったところで勝負すれば
プロには到底及びませんが、
逆にプロには出すことの出来ない「作為のない痕跡」にあふれた
とても魅力的な壁になったと思います。

もうひとつ、プロとの違いは「スピード」。
速さで勝負すれば熟練の手には敵いませんが、
「スピード」が問題になるのは、それがコストに直結するからです。
しかし、自分達の手やれば、「ゆっくり」でもかまわないし、
一度に沢山の面積に手をつけようとしなければ、
膨大な作業量と作業時間に気が遠くなることもないでしょう。

だからだいじなのは、

 すくなく、ゆっくり

ということだと思います。

西山哲雄

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2009年10月14日 (水)

千曲市・稲荷山養護学校

こんにちは。先日、町内運動会で張り切りすぎて、
いまだに足に張りがある、土屋です。

さて、先日千曲市に所要で行った帰り、
偶然前を通りかかった稲荷山養護学校を見てきました。

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設計は、地元千曲市出身の北川原温氏。
外壁や構造材には長野県産のカラマツが多く使われた、
黄色い特殊な形をした屋根が大変印象的な建物です。

カラマツ板の木目や節の感じが、非常に温かみがあり、
また、屋根に関しては、写真で見るより、
現地で見たほうがかなりインパクトがあります。

この建物は公共建築になりますが、
従来多かったようなRC造でなかったり、
斬新な色使いは、これからの公共建築を考える上で、
新しい指標になるんじゃないかと思います。

ちなみに、公募型プロポーザル方式で行われた、
設計者選定の最終プレゼンの内容がこちらで見ることができます。

今回は、授業もしているようだったので、
外からみて回っただけですが、
周囲の街灯や施設も統一されたデザインが施されています。

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HPで他の写真を見てみると、
内部の構造材の組み方やデザインも見ごたえがありそうです。
ぜひ、機会があれば中も見学してみたいものです。

土屋 直人

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2009年10月 9日 (金)

大きさを揃えること

こんにちは、西山です。

先日、自分が使っている電卓と携帯電話のサイズが
ほとんど同じ大きさだということに気づきました。

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こちらがその写真。
こちらがその写真。
すこしわかりにくいですが、
どちらの写真とも、
黒い携帯電話の上に、白い電卓が乗っています。

厚みこそ違うものの、
平面的なサイズはほぼ一緒です。

おそらく両者をデスクの上においた状態で作業していて
何かの拍子に重ねてしまったところ
この事実に気づいた
ということだと思うのですが、記憶が定かではありません。

しかし、このことに気づいたときには、
なんだかうれしかったですね~。

そのことだけはよく覚えています。

上記のことは、

 両社のデザイナーが意図的にサイズをあわせた

ということではなくて、
純然たる偶然の出来事であるとは思うのですが、
物のサイズをあわせていくということは、
様々な可能性を秘めていると思います。

現在取り組んでいる再生の現場では、
お施主さまが、壊されてしまう古民家などから
譲り受けた床板や木製建具を
出来る限り再利用することを試みているのですが、
ここで大切になるのが「サイズ」であると、
身にしみて感じました。

民家は基本的に尺貫法に則ってつくられていますから、
床板などを再利用する際には、
長さを調節することなくそのまま使うことができるわけです。

また、建具にしても、
幅は尺貫法に基づいた柱間隔によって、
いくつかのバリエーションに大別することができますし、
高さにしても、「五八(ごはち)」と呼ばれるような
5尺8寸という高さが一つの基準となっていますので、

 あっちの建物から持ってきた建具をこっちのたてものへ

ということが、何の不都合もなく、簡単に出来てしまうわけです。

再利用に耐えうるだけの丈夫なつくりであるとか、
無垢材を使用しているだとか、
他にも重要な要素はありますが、
これからの「持続可能な社会」とか「長寿命住宅」といったものを
考えていくには、

 大きさを揃えていくこと

が、一つの突破口となるような気がしてなりません。

西山哲雄

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2009年10月 8日 (木)

小諸市・小山敬三美術館

こんにちは。胸囲と腹囲が同寸だった、土屋です。

さて、前回ご紹介した懐古園のすぐ隣には、
村野藤吾氏設計の小山敬三美術館があります。
建物の内部の意匠は、凝ったつくりをしている訳ではなく、
あくまで主役は「絵」である、といった感じです。
ちなみに、私が一番気に入った絵は、
パンフレットの作品一覧表には載っていない、
小山氏が中学生の時に描いた絵でした。

外観はというと、
こだわりのディテールが満載といった感じです。

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庭を眺める顔のように見える壁やえぐられたような壁、
開口部の取り方や地面と壁の関係性など、
私にははかりきれませんが、内部のシンプルさとは対照的に、
設計者の想いが全面に出ている気がします。

一つ、関係があるかは分かりませんが、
地面から這い出たような反りのある壁の感じは、
東御市の春原家住宅で見た土蔵に似た印象を受けました。

建物自体は、築30年以上が経ち、若干古びた感じはありますが、
その意匠には新鮮さを感じました。

土屋 直人

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2009年10月 5日 (月)

小諸市・懐古園

こんにちは。2週間で4,5キロの減量に失敗した、土屋です。
ただ、ジョギングは続いております。

さて、東御市を過ぎて、お隣の小諸市では、
桜や紅葉で有名な小諸城址・懐古園に立ち寄りました。
周囲が断崖の園内に入ると、立派な石垣や三門が残っています。

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駅から専用の通路を通ってくると、三門の目の前に出たり、
園内には遊園地、動物園、藤村記念館があったりと、
小諸のランドマークであることが伺えます。

また、一角には復元されたものか、
どこかで見覚えのあるような茅葺の四阿が建っていました。

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このようにいろいろある園内には、
たくさんの緑や、芝生の広場もあったりして、
これからの紅葉シーズン、
子供から年配の方まで一日過ごせる場所ではないかと思います。

土屋 直人

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2009年9月30日 (水)

東御市・春原家住宅

こんにちは。ジョギング三日坊主は避けた、土屋です。

さて、前回ご紹介した東御市の児玉家住宅のすぐ近くに、
重要文化財・春原家住宅もあります。

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10.5間×4.5間という大きな茅葺寄棟の建物は、
外観からして、いかにも農家住宅といった感じです。
戸が全てしまっているうえに、すぐ隣には民家があり、
なんだか中には入ってはいけないような気がして、
小さな窓から中を覗いて見てきました。

「旧~家住宅」というように、「旧」は付きませんが、
現在は人は住んでいないようですが、
中を覗くと若干の生活感が感じられます。
カマドのあるダイドコがあったり、
中もまさに農家住宅といった感じです。
ちなみに、調べてみると、いつでも無料で見学できるようです。

この母屋の裏側には土蔵があるのですが、
個人的にはこの土蔵の方が魅力的でした。

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こじんまりとした大きさの茅葺屋根に、
地面から這い出たよおうな、緩やかな反りのある土壁、
全てが土で覆われた庇屋根など、全体的にかわいらしい感じで、
今まであまり見たことないような気がします。

この春原家住宅や、前回の児玉家住宅の他にも、
文化財の指定は受けていませんが、
現在も人が暮らしている古い建物が、
この集落にはたくさんあるように感じました。

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ゆっくり散策してみるのも楽しいかもしれません。
またあちら方面に用事で行った際には、
今度は違った地区も回ってみれたらと思います。

土屋 直人

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2009年9月25日 (金)

東御市・児玉家住宅

こんにちは。2週間で4~5kgの減量を目指し、
最近、ジョギングをはじめた土屋です。
三日坊主にならないようにがんばりたいと思います。

さて、先日のシルバーウィークの間、
佐久に用事の途中、看板に誘われるがままに、
東御市にある、児玉家住宅という民家を見てきました。

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看板の案内にしたがって進んでいくと、
立派な石垣が印象的な、お城のような感じの土蔵が見えてきます。
これが、児玉家住宅です。

児玉家住宅は、国登録有形文化財に指定されていて、
敷地2千坪、宅地9百坪、十二棟からなる明治期の大きな住宅です。
文化財の住宅の中には「旧~家住宅」というように、
現在は人が住んでおらず、保存が目的の住宅も多くありますが、
この児玉家住宅は、現在も人が暮らしています。

そのため、塀越しに中の様子を見させていただきました。

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(おそらく)母屋の玄関の上が出桁でせり出していますが、
こうした造りは近くの海野宿などでも見られる造りで、
この辺りの地域性がうかがえます。
正面は人が暮らしている生活感のようなものはなく、
塀の中は明治時代のままといった感じです。

後で調べて分かったことですが、
ここを訪れるつい2日前には、一般公開がされていたようで、
なんだか惜しいことをした気分になりましたが、
また、機会があれば来て見たいと思います。

土屋 直人

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2009年9月18日 (金)

長持ちする家~番外編~

こんにちは、西山です。

先日、家づくりに関する様々なメーカーが集まる催しに
お客として参加してきたのですが、
そこでもらったとある屋根材メーカーのカタログに
こんなことが書いてありました。
(以下、商品名の部分を○○○と置き換えます)

 住まいの中でも最も過酷な条件下におかれる屋根。
 常に最良のコンディションを維持するためには
 定期的な点検が欠かせません。
 ○○○では、維持管理の目安として10年後、
 20年後の基本メンテナンスプログラムを推奨。
 もちろん点検やメンテナンス作業は、
 ○○○に精通した「○○○ショップ」の専任スタッフが
 当たります。

また、別頁には、

 住宅のロングライフ化実現に向けて

 屋根のメンテナンス方法

 補修工事などにつきましては、適切なメンテナンスを
 行うため、原則建築物を建設された住宅会社様または、
 工務店様にご相談の上、
 専門業者にご依頼ください。(原則有料となります)
 補修工事をお施主様ご自身で絶対に行わないでください。

と・・・。

これはまさに、私が前々回までのブログで危惧していた、

  「この家は200年もちます」
 と保証している会社自体が、
 200年後も存在する保証はどこにもない。

というところに、そのまま当てはまります。

・・・・・・・

やっぱりこれが、良くも悪くも
日本の「ロングライフ」な住宅をめぐる現状なのだと
実感させられた日でした。

西山哲雄

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