素材探訪

2009年11月13日 (金)

嬉しい珍事

こんにちは、やや興奮気味の金石です。

何に興奮したか?
こちらの写真をご覧ください。

100_4263
木島平の茅場:11/4(水)撮影

Img_4917_2
木島平の茅場:11/13(金)撮影

なんと、倒れていたはずの茅が起き上がっていましたっ!
本日、とある情報を頼りに新たな茅場を捜し求め、
飯山市方面へ出掛けてきました。
結果的には、新たな茅場は量が少なく断念したのですが、
せっかく遠出したのだからと
少し回り道して木島平の茅場を見てきました。

前回訪れた際には、かなり雪が残っていたのですが、
もうすっかり雪も溶け、
山は赤く染まり、茅も良い感じに枯れてきています...

あれれ?

茅場へ向かう車中で、異変に気付きました。

「茅が枯れている」ってなんだか変な光景だ...

そう、以前は雪で倒れて茅自体が景色から消えていたのです。
なのに枯れている茅が見えている?
そんなはずはないと思いつつ、
茅場を訪れてみると先程の光景です。

Img_4918_2

確かに倒れた茅が起き上がっています。
きっと茎が折れなかったものは、
雪の重りがなくなったおかげで起き上がれたんだと思います。

まぁ、大半は本当に倒れてしまっていますが、
これだけの量が残っているのであれば是非刈り取りたいところ。
早速、来週から待望の茅刈り開始です!

それにしても植物の形って上手くできているもんだなぁ、
と改めて感心させられます。
20cmの積雪に耐えた茅たちに感謝しながら、
ジャンジャン刈り取っていきます!

金石健太

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2009年11月11日 (水)

「たたこう!たたき」ワークショップ開催!

さて、本日の小布施ッションの講演に先立ち、
講師の川向先生が所長を務める、
小布施町まちづくり研究所のスタッフとともに、
「たたきブロック」をつくるワークショップを行いました。

朝から雨が降り続くあいにくの空模様の中、
一般の参加者や学生スタッフ、
あわせて30人を超える方にご参加いただきました。

今回のワークショップは、
農家の土間などに一般的に使われていた「たたき」の技術を使って、
土のブロックをつくろう、というものです。
(詳しくは、以前、小布施町の小学生を対象に行われたときの、
こちらの資料をご覧下さい。)

_mg_0320
作り方などを説明する川向先生(右)と学生スタッフ(中央)

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_mg_0364
ワークショップの様子

色の違う3種類の土を使い、
順番に型に入れてはひたすらたたくという作業ですが、
7cm角のブロックを作るのに30分程度かかります。

雨降りのため、急遽、加工場を利用しての開催となり、
皆さんには窮屈な思いをさせてしまい申し訳ありませんでしたが、
そんな中、一生懸命たたいてたたいて、たたきまくって下さいました。

土をひたすらたたくという非日常的な行為の中で、
自分の手で何かを作りあげる楽しさと、
「たたき」という技術とその大変さを、
感じていただけたのではないかと思います。

実際、皆さんに作っていただいたものがこちらです。

100_4302
※翌日の様子

また、皆さんがたたきブロックをつくる隣では、
学生スタッフによって「版築ベンチ」がつくられました。
(「版築」とは、たたきの技術を垂直に積層したものをいいます。)

_mg_0389
100_4301
作業の様子

100_4306
※翌日の様子

上に座面の板を載せたら完成です。
皆さんに作っていただいたブロックは、
このベンチの周りで使用したいと思いますので、
後日、施工したようすをお伝えできればと思います。

寒い中、最後まで一生懸命たたいて下さった参加者の皆さん、
事前の準備から当日の指導や運営をしていただいた、
東京理科大学・小布施町まちづくり研究所の皆さん、
ご協力ありがとうございました。

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2009年11月10日 (火)

季節外れの・・・

こんにちは、トイレで用を足しているときに、
コンコンッとノックされたときの
正しい対処法がわからなかった金石です。

周囲の人間へのアンケート調査の結果は、
「中からノックし返す」というものが圧倒的でした。
なるほど...
考えてもみませんでしたが、上手い対処法です。
自分の存在を的確に相手に示し、
かつ、己の匿名性はしっかりと確保できています。
いやぁ、こんな簡単なことができなかったとは...

ちなみに私はというと、
「何と言葉を返せば良いのか?」
という事をしきりに考えておりました...

さて、ここからが本題。

先日のブログでもチラッと述べましたが、
先週末に季節外れの雪が降りました。

私はそのとき実家のある千葉に帰省中だったのですが、
信州で雪が降ったことを耳にして、
「こんな時期にもう雪かぁ...」
とわりとのん気に構えていたような気がします。

ところが...
翌日、高速道路を自動車で走っていると、
昼間で日が射しているにもかかわらず、
軽井沢周辺から北斜面に真っ白な雪が積もっています。

えぇっ!!

雪が舞った程度を思い描いていた私は、
即座に頭の中のイメージを設定し直しました。

ん??
ってことは...

平地より一足早く冬が訪れる茅場の状況が気になります。
というわけで先日様子を見に行ってきました。

100_4258_2
今年から刈り取る予定だった飯山の茅場。

100_4263
一番量が見込める木島平の茅場。

どちらも一面茅の穂が広がっていたのに、
まるで一面刈り取ったかの如く
見通しの良い空間に変わっていました。

そう、茅を倒した犯人は「季節外れの雪」です...

金石健太

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2009年10月28日 (水)

すくなくゆっくり

このところ取り組んでいるある建物の再生の仕事の現場では
できるかぎりお施主さんにも作業に参加していただいています。

その建物では、
崩れ落ちた土壁の木舞を補修し、
新たにベトを塗りなおすという作業を
お施主さんにやっていただいたのですが、
私が一通りやりかたを実践してみせただけで、結果、
立派な左官職人が誕生しました。

木舞を掻くのは奥様のほうが得意で、
ベトを塗るのはだんな様が得意と、
見事な分業体制で、
壁を仕上げていく様はとても見事なものでした。

少しの指導により、素人でもできるようになり、
基本を教えただけで、それを状況にあわせて応用することも
容易であるということ。

全てがそうだとはいえませんが、
古い建物をとりまく技術は、
プロでない人の参加を前提としたものが多く、
そういった意味では、
セルフビルド的な志向には向いているのかもしれません。

なによりお二人が楽しそうに作業している姿をみることができて
こちらも感無量でした。

出来上がりも十分に壁として機能するもので、
「綺麗さ」「平滑さ」といったところで勝負すれば
プロには到底及びませんが、
逆にプロには出すことの出来ない「作為のない痕跡」にあふれた
とても魅力的な壁になったと思います。

もうひとつ、プロとの違いは「スピード」。
速さで勝負すれば熟練の手には敵いませんが、
「スピード」が問題になるのは、それがコストに直結するからです。
しかし、自分達の手やれば、「ゆっくり」でもかまわないし、
一度に沢山の面積に手をつけようとしなければ、
膨大な作業量と作業時間に気が遠くなることもないでしょう。

だからだいじなのは、

 すくなく、ゆっくり

ということだと思います。

西山哲雄

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2009年10月13日 (火)

登山まがい

こんにちは、ほんのちょっと登山まがいなことをしたところ、
ふくらはぎ周辺にその疲労が如実に現れている金石です。

さて、「登山まがいなこと」というのはこちらです。

Img_4887

ご覧のとおり、茅場です。
この茅場、とあるスキー場跡地でして、
今年初めて茅刈りを行う予定の場所です。
そんなわけで茅の生育状況や周辺環境を視察してきました。

今まで茅刈りは主に休耕田で、
山間ながらも「人里」で活動してきましたが、
この場所は元スキー場とはいえ、
作業環境という視点から見れば、
ほぼ「山の中」と言えそうです。

初めて訪れたこの元スキー場、
下から眺めただけではどこまで広がっているのか
さっぱりとわからなかったものの、
それなりの急傾斜の中に車の轍があり、
それを辿って上へ上へと登ることはできます。

正直あまり気乗りしない程の坂道でしたが、
その全容を掴むべく「登山まがいなこと」をしてきました。

茅としては細くて良い茅が、
程よい大きさの株となって育っていました。
ただ、場所によって茅の大きさにばらつきがあり、
茅葺きに使えそうな茅は坂の中腹一帯に広がっています。
一番上の方の茅が使えなそうであることを確認したときは、
そこに辿り着く労力を考えて正直ホッとしましたが...

ちなみに刈り取る予定の茅は、写真の矢印部分辺りです。

Img_4889

この茅場、今年は初年だけあって、
どうなるかは実際にやってみなくてはわかりません。
茅はいつ枯れるのか?
雪はいつ頃降るのか?
どうやって茅を運び出すのか?

さてさて、どんな風になるやら...
今年も茅刈りシーズンが近づきて参りました!

金石健太

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2009年8月20日 (木)

惹かれる

こんにちは、
少し前のことになりますが、流行の波に乗って
発売早々に『1Q84』を購入&読破した
西山です。

村上春樹さんが初めて小説を書いたのが29歳だと知り、
つい先日29歳に到達した私は、今年は特別な年に
なるに違いないと勝手に確信しております。

さてさて・・

先日、おぶせTシャツ畑のワークショップに行ってきました。

講師は、書道家の高橋里江先生。
今回初めてお会いしたのですが、
なかなかパワフルで素敵な先生でした。

先生の熱血指導により、「花」というテーマを
Tシャツに表現すべく試行錯誤する我々生徒達。
中には先生と熱い議論を交わす生徒もおりましたが、
最終的には、それぞれの満足する作品ができあがりました。

私はというと・・

T001
こんな感じに仕上がりました。

Tシャツ畑のワークショップには毎回参加しているので、
今回で3回目ですが、
今年が一番満足のいく出来になったと思います。

これも、里江先生の熱血指導と、
理想ベックさんのすばらしい塗料のおかげだと思います。

おぶせTシャツ畑は、
昔小布施でおこなわれていた和綿の栽培を復活させて
その和綿でTシャツをつくるという素敵な夢を描いています。

そのコンセプトに惹かれ、ワークショップなどに参加しているのは
もちろんなのですが、
それと同じくらい私がTシャツ畑に惹かれる理由は、
Tシャツにあります。

小布施Tシャツ畑では、
作品として飾られているTシャツはもちろんのこと、
スタッフTシャツまでもが、
久米繊維工業(株)さんのオーガニックコットン製Tシャツなのです。

もちろん、ワークショップに使われるTシャツも同じです。

こちらをご覧いただければわかりますが、
このTシャツは、
出来る限り環境に負荷をかけないようにつくられていて
その取り組みは非常に素晴らしいと思うのですが、
私がこのTシャツに惹かれる一番の理由は
そこではないのです。

・・・・・・・

まどろっこしくてすみません。
簡潔に述べますと、こういうことになります。

 私がこのTシャツに惹かれる一番の理由は
 その着心地である。
 そしれひいてはそれが、
 このTシャツを使用する「おぶせTシャツ畑」に惹かれる
 大きな理由のひとつとなっている。

はい、こんな感じです。
要するに、久米繊維工業㈱さんのオーガニックコットン製Tシャツは、
すこぶる着心地がいいんです!

これは、ホントにお勧めです。

つまり、Tシャツ畑に参加すれば、

 ①オリジナルTシャツが作れる
 ②かなり着心地のいいTシャツが手に入る

という、一石二鳥状態なわけです。

今年の開催はもう終わりましたが、
来年はぜひ、一緒に参加しませんか?

[本日の一枚]
T002
理想ベックさんの塗料(西山使用後)
こちらも作品と呼んでもいいくらい綺麗でした。

西山哲雄

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2009年8月11日 (火)

続・珪藻土壁材 ~その2~

こんにちは。毎日、水分を出る以上に摂取している気がする、土屋です。

さて、前回は珪藻土の発がん性について、
肯定派と否定派で見解が分かれる、というところまで書きましたが、
今回はその続きです。

珪藻土は未焼成珪藻土あるいは融剤添加焼成珪藻土ならば、
大部分が非結晶性シリカなのですが、
焼成することで、一部結晶性シリカを生成してしまうというのです。
ここで、見解が分かれます。

発がん性がある、とする立場では、
日本で販売されている珪藻土製品材は焼成珪藻土を使ったものが多く、
その中の結晶性シリカの含有率もほとんどが定かではなく、
発がん性の疑いを否定することはできない、
=珪藻土は発がん性物質である、という見解になります。

対して、発がん性物質ではない、とする立場では、
未焼成珪藻土であれば、主成分は非結晶性シリカであるし、
仮に焼成珪藻土を使用した製品であっても、
壁に塗って固形化した状態で、規制濃度を超える量を
浮遊させることは不可能に近いということや、
適正に焼成をすれば食品にも使えるくらい安全であるということから、
発がん性物質ではない、という見解になります。

どちらの言い分も、「う~ん、たしかに」、
と思わされるものですが、心配性の私としては、
発がん性の疑いは拭いきれない、といった感じです。
確かに壁に塗ってしまえば、安全な気もしますが、
粉の状態から扱うことも考えれば、?がついてしまいます。

施工性や風合いの良さから、
珪藻土壁材に対する需要はこれからも確実にあるだろうと思います。
現時点では、選ばれる方の考え方次第、という感も否めませんが、
やはり、製品の安全性を詳しく調べることが必要そうです。

土屋 直人

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2009年8月 6日 (木)

続・珪藻土壁材 ~その1~

こんにちは。ようやく夏らしい天気になってきました。土屋です。

さて、以前珪藻土を使った壁材について書きました。
その中で、「珪藻土には発がん性の疑いがある」と書きましたが、
今回は、これについてもう少し調べてみました。

珪藻土の主成分は、二酸化ケイ素という物質なのですが、
アスベスト問題に端を発して、
この二酸化ケイ素が問題になったようです。

二酸化ケイ素は、結晶性シリカと非結晶性シリカという、
異なる物性の2つに分けられるそうです。
そして、問題になるのが結晶性シリカ。
粒子の形状がアスベストに似ていて、
発がん性でもアスベストと同じランクに分類されています。
対して、非結晶シリカは発がん性があるとはいえないようです。

と、ここまではどのサイトにも、
珪藻土を取り扱う会社のHPにも共通して書かれていることです。
では、やはり珪藻土には発がん性の疑いがあるのか。
ここからが、それぞれの立場で見解が異なるところです。

というところで、聞きなれない言葉が並んで、
読むのも疲れたことと思いますし、
書いていても疲れてしまったので、
本日はここまで。続きは次回に持ち越したいと思います。
あしからず。

土屋 直人

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2009年8月 3日 (月)

アルミサッシと富山

こんにちは。昨日一日、数時間の間で、
左腕だけでも7,8ヶ所蚊に刺された、土屋です。
何かに集中していると、刺されても気付かないものなんですね。

さて、今や住宅をはじめ多くの建物の窓には、
その耐久性と気密性からアルミサッシが多く用いられます。
そのアルミサッシのメーカーが富山県に多いって、
皆さんご存知でしたか?

今日打ち合わせで、サッシ屋さんと話している中で、
そんな話になったのですが、
それにはれっきとした理由があるそうです。

一つ目は、富山は昔から、鍋や釜の鋳物製造工場が多く、
サッシをつくるもととなる技術が発達した地域であったそうです。

二つ目は、アルミサッシをつくる際には、
非常に多くの安定した電力が必要になるそうなのですが、
富山は立山連峰の豊かな水資源を使った水力発電が発達したため、
その電力の供給が可能であったからだそうです。

これはちょっとした豆知識ですが、考えてみれば、
アルミサッシは日常で多く目にし、触れてもいますが、
それがどこでどういう風に作られるか、
今まで興味を持ったことはありませんでした。

サッシ屋さんによると、
一昔前はよく工場にアルミサッシの製品検査がよく行われ、
工場に行く機会も多かったんだそうです。
その工場も、今はだいぶオートメーション化が進んでいるとのこと。

調べてみると、大手のメーカーなどでは、
工場見学のツアーを開催したりもしているようなので、
富山に行く機会があった際にはぜひ一度、
工場見学に行ってみたいと思います。

土屋 直人

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2009年7月29日 (水)

自然素材と天然素材 ~その3~

こんにちは。カキ氷にはまって以来、毎日にというくらい、
ガリガリ君を食べていますが、未だに当たりのでない、土屋です。
調べてみると、当たりの出る確率は50分の1だそうで、
当たりが出るまでにはまだまだ食べ続けなければいけないようです。

さて、前回は「自然」と「天然」では何が違うのか、
その言葉の意味と使い分けについて書きました。
では、次に「自然素材」と「天然素材」は何が違うのか。
2つの言葉に「素材」という言葉をつけてみると、

 自然素材:何の人工も加えず、ひとりでにある素材
 天然素材:(人工を加えないまま)天の神のつくったままの素材

という感じになるかと思いますが、
これらは使い分けができるのでしょうか。

「土」という素材を考えてみましょう。
厳密に言うと、土は地球上にもともとあったわけではなく、
岩石が風化や生物作用を繰り返して土になるそうです。
そうすると、天の神がつくったもの、ではなさそうですし、
生物の力も借りているので、ひとりでにあるもの、でもない気がします。

こんな感じで使い分けるどころか、
なんだかよく分からなくなってきてしまいました。
そこで、「自然素材」と「天然素材」は何が違うのか、
私なりの結論はこちらです。

 人工を加えない、という文言にのみ着目し、
 「自然素材」と「天然素材」は同義語である。
 ただ、一般的には「自然素材」の方が適していて、
 「天然素材」はごく稀に使う程度。

最初から、そう思っていたよ、
という方も多いかもしれませんが、
それはさておき、私なりにすっきりしたので、
今後は左官で使われる自然素材あるいは天然素材を中心に、
素材ごとに考えていきたいと思います。

土屋 直人

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2009年7月24日 (金)

自然素材と天然素材 ~その2~

こんにちは。最近、自分でも不思議なくらい汗をかく、土屋です。

さて、自然素材と天然素材について調べ始めたわけですが、
まずは、言葉の意味を知っておこうと思います。

「自然」と「天然」、この似たような言葉は何が違うのでしょうか。
大野晋 田中章夫 編『角川必携国語辞典』によると、

 自然 : 山・川・海・森林・草木などのように、この世界を
       成り立たせているもの。また、人の手が加わらない
       ありのままのもの。

 天然 : 人手の加わらないままであること。

とあります。人の手が加わらない、という点は同じですが、
この辞書はすばらしいことに両者の使い訳が書いてあります。

 「自然」は、文明・文化の反対に、人工のはたらきを加えない
 ままのものの意。(中略)
 「天然」も、人工を加えないままという点では「自然」と同じ。
 しかし「自」は、「自分一人で」という意味であるのに対して、
 「天」は、「天の神のつくったまま」の意。
 したがって、「自然」は何の人工も加えず、ひとりでにあるもの。
 「天然」は、天の神のつくったままのもの、とする点がちがう。

「自然」と「天然」という言葉だけで比較してみると、
どうやら使い分けはされるようでありますが、
「素材」という言葉を付け加えて考えてみたとき、
使い分けは非常に難しい気がしますが、
そのあたりの考察は次回とさせていただきます。

土屋 直人

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2009年7月15日 (水)

自然素材と天然素材 ~その1~

こんにちは。今日の長野はとても熱く、
今年の最高気温35.5℃を記録したそうです。土屋です。
お昼に食べたかき氷が最高においしかったです。

さて、左官の仕上げ材について調べている今日この頃ですが、
調べていると、自然素材や天然素材という言葉が、
キーワードになっているような気がします。

「100%自然素材です」
「天然素材100%」

と謳った商品がありますが、
成分を見ると何とか酸ウンチャラなど、
私のイメージでは、それって化学物質なんじゃないの?
というような成分が含まれているものもあります。

ということで、まずは自然素材や天然素材について、
調べていこうと思います。

土屋 直人

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2009年7月10日 (金)

漆喰製品あれこれ

こんにちは。最近、洗濯物の匂いに困っている、土屋です。

さて、前回は珪藻土を使った壁材についてでしたが、
今回は漆喰についてです。

漆喰は消石灰を主原料とした材料で、
古くから日本はもちろん、世界各地で使われ、
馴染みのある壁材ではないかと思います。

製品として各社から様々な漆喰が販売されていますが、
今回は漆喰製品を探していて気付いた事を何点かご紹介します。

一つ目は、日本の漆喰と西洋の漆喰があります。
両者の主な違いは、日本の漆喰はつなぎ材として糊やスサを用いるのに対し、
西洋の漆喰は大理石の粉などの骨材をつなぎとして用いる、
という違いがあるそうです。

二つ目は、粉の状態で水を加え練って使うものと、
すでに水で練ってあり、蓋を開ければすぐ使えるものがあります。
水で練ってあるタイプは西洋漆喰に多く見られます。

三つ目は、漆喰ではなくて、
“漆喰調”と謳った製品も数多くあります。
主原料は様々ですが、漆喰のような白壁に仕上がる、というものです。

実際に使ってみないとそれぞれの違いはよく分からないですが、
仕上がりのイメージや、求める性能などで使い分けができるよう、
今後は、漆喰の性質や特徴はもちろん、
製品の特徴を詳しく調べて行けたらと思います。

土屋 直人

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2009年7月 7日 (火)

珪藻土壁材

こんにちは。梅雨の真っ只中といった今日この頃、
第7回小布施見にマラソンまであと12日となりました。土屋です。

さて、前回漆喰や、珪藻土壁材には、
各社から様々な種類の製品が出されている、
というところまで書きましたが、
今回は珪藻土を使った壁材についてです。

「自然素材で調湿効果がある」、
これが今までの漠然とした珪藻土のイメージでした。
しかし、今回いろいろHPなどを見ていると、
いい面ばかりではなく、注意するべき点も見えてきました。

一つ目は、100%天然素材ではないということです。
そもそも珪藻土とは、植物性プランクトンの化石で、
それ自体では硬化しないため、接着剤や樹脂が混入されているようで、
今回探した製品にも、合成樹脂が含まれていました。

二つ目に、珪藻土の安全性が疑わしいということです。
珪藻土に含まれる成分に発がん性の疑いがあるというのです。
すでにドイツなどでは使用が禁止されており、
近年日本でも使用が禁止されるのでは、という記述もありました。

これらの点が、全ての製品に当てはまるのかどうか、
そこまで詳しく調べたわけではありませんが、
珪藻土を含んだ製品を選択する場合は、
その製品について詳しく調べてみる必要がありそうです。

土屋 直人

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2009年7月 2日 (木)

左官外装材

こんにちは。最近、ふとした拍子に腰に電気が走る、土屋です。

さて、私の友人に大工をしていて、自分の家を自分の手で建てている、
という、なんともうらやましい友人がいるのですが、
その友人に外装材について尋ねられました。
内容は、左官仕上げで自然素材を使った白い壁、
にするためには何を使ったらいいか、というものです。

ということで、日本古来よりある漆喰や、
内装材として多く用いられるようになった珪藻土壁材を中心に、
市販の左官材料を調べているのですが、
一重に漆喰、珪藻土壁材といっても、
各社から様々な種類の製品が出されています。

サンプルがもらえるものはサンプルをとってみたり、
施工後のメンテナンス性、価格を考えながら、
様々ある製品の中から、友人のイメージに合うものを探す一方、
これを機会に漆喰や珪藻土、またモルタルなどを使い、
既製品ではない仕上げ材のサンプル作りもしています。

このあたりの詳しい報告は、
おいおいしていきたいと思います。

土屋 直人

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2009年5月25日 (月)

再会の約束

こんにちは、事務所のトイレに入って用を足した後、
トイレットペーパーがないことに気付き、
土屋氏にこっそり電話して助けてもらった金石です。

突然の悪魔のようなお願いに嫌な顔一つせず
満面の笑顔で大量のトイレットペーパーを持ってきてくれた土屋氏が、
今日ばかりは仏様のように見えました...
ありがたや、ありがたや...

あっ、失礼。
くだらない報告はこの辺にして...

まぁ、こんなスットコドッコイな私ですが、
今日は仕事のやり取りで交わしたメールに
心温まるメッセージを頂き、
なんだかとっても嬉しい気持ちになりましたのでそのお話を...

今、修景事業は我々の事務所となる
旧山田写真館の改修工事を行っています。
そこでは古材と新材が混在しているため、
新材を古材の色に合わせるための
「古色仕上げ」を試みようとしているところです。

「古色仕上げ」は主に柿渋、ベンガラ、松煙などを調合して、
木材に塗装していくというもの。
これらの材料をメーカーから取寄せなければなりません。
それで、それらの材料の発注をしていたわけでありますが、
中でも「柿渋」に関しては個人的に思い入れのあるメーカーがあります。
そこでそのメーカーに製品の発注メールを送りました。

以下、私の送ったメールの「追伸欄」の抜粋。

 実は私、6年前の学生の時分に一人で御社を訪問したことがございます。
 当時、何の連絡もなしに突然やってきた若造を
 ○○社長は暖かく迎えてくださいました。
 2階の部屋で様々なお話をお聞かせいただいた事、
 そこで見た数々のサンプル品、
 工場で飲ませていただいた柿渋の味、、、
 どれも衝撃的な思い出として心に残っております。
 そのときに柿渋1.8リットル2本を購入し、
 「これがなくなった頃にまた来ます」と言い残して帰り、
 それ以来、ずっと足を運べずにおりましたが、
 社会人となった今、こうしてまた再びお世話になれることを
 大変嬉しく思っております。

そして、このメールに対する返信の抜粋。

 『追伸』のメッセージを嬉しく拝見させていただきました。
 お近くにお越しの際には是非、お立ち寄りくださいませ。
 お会いできることを楽しみにしております。

いやぁ、本当にありがたいお言葉をいただきました。
こちらのメーカーさん、無知の学生の私でも知っているほどの
柿渋業界でもトップメーカーさんなんです。
にもかかわらず、本当に突然訪問した当時学生だった私に
貴重な時間を割いていろいろと柿渋についてお話していただきました。
それだけでもありがたいのに今回のこのお言葉...

おそらくは当時のことなんて覚えていらっしゃらないかと思いますが、
これはもう、お言葉に甘えまくって絶対に会いに行きます!
「近くにお越しの際」ではなくて「あなたに会うため」に!
そして、今度こそ私をキチンと覚えていただくために。
伺いたい話は山ほどあるんです。

でもまぁ、今度は社会人らしくアポをとって行くことにします...

金石健太

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2009年5月20日 (水)

コンクリートの表情

こんにちは、いよいよ30代に足を踏み入れた金石です。

先日から再開した旧山田写真館の工事報告です。
本日の作業内容はこちら。

 1.外壁水切りの加工・取り付け
 2.コンクリート基礎表面のビシャン仕上げ加工

2.については先日の土屋氏のブログの紹介にあったとおりです。
その後、土屋氏はめでたく「ビシャン職人」となったわけでありますが、
本日の午後、所用で席を外したため、
私が代打として作業したというわけです。
で、本日はそこで思ったことを...

ゴンッ、ゴンッ、ゴンッ・・・

多くの観光客の行き交う国道に
重たく不気味な音を響かせながら、
この地味な作業は延々と続きます。

時折、現場の前に立ち止まった観光客の方から、
「あら、石みたいになっていいわねぇ」なんて
励ましの言葉をいただきながら、
大量の汗をかきかき手を動かして考えておりました。

 この作業は「コンクリート」を「石」に見せるための作業なのか?

と...
たしかに、我々も冗談半分で仕上がった面を
「石っぽい」なんて言ってみたりはしておりますが、
「コンクリートを石に見せる」という考え方には
いささか違和感を覚えずにはいられません。

そりゃぁそうですよね?
今、目の前にしてハンマーで叩いているのは
まぎれもなく「コンクリート」ですから。
「石」を目指すのであれば、
経済的な問題はあれ、初めから石で施工すべきでしょう。

何かに似せてつくられた素材は、
やはりどうしても「偽者感」が付きまとい、
どこかシラけた表情になってしまいます。
注意して世の中を見ると、
そういう素材はたくさん転がっています。

なにも目に限った話ではないですが、
人間の感覚って意外と繊細に厳しくジャッジしています。

では、今コンクリートをハンマーで叩いているこの作業は何なのか...?

そんなことをゴンゴンっとやりながら考えていたのです。
で、自分なりの答え。

 この素材はまぎれもなくコンクリートです。
 建物の基礎としてはなかなか優秀な素材です。
 ただ...
 仕上がった表面がどこかのっぺりとしてしまい、
 その質感が古い建物には似合いません。
 だから、表面を叩いて微妙な陰影をつけているのです。

Img_3610

そもそも、

 「コンクリート」→「のっぺり」

という表情が、どこか当たり前のように感じておりました。
が、考えてみるとそれは
シンプルな施工方法によって生み出される表情の一部に過ぎません。

つまり、型枠に流し込んで固まった後、
型枠を剥がした状態が普段我々がよく目にする「コンクリート」ってだけで、

 「コンクリート」→「ツルツル・のっぺり」
          →「ザラザラ・凸凹」

でもいいわけです。
よく考えてみると「石」だって

 「石」→「ツルツル・のっぺり」:墓石タイプの磨き仕上げ
    →「ザラザラ・凸凹」:切石タイプの叩き仕上げ

と、同じ石でも加工によって表情は違いますよね?
今回のコンクリートの仕上げもこれと同じです。

まぁ、そんなわけでゴンゴンッとやっております。
仕上がってしまえば誰もこんなところを気にしないとは思いますけどね...
それはそれで理想的なカタチです。
気にしないってことは、建物との違和感がないってことですから...

金石健太

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2009年5月19日 (火)

廃番 

こんにちは、西山です。
突然ですが、
粘土が廃番になってしまうって知ってました?

・少し前にこのブログで「ロングライフ建築」と題して
 
  この世から土がなくならない限り、壁土はなくならない

  だから土壁は、いつまでも修繕することができる

 というようなことを書きましたが、
 それと時を同じくして、
 ある陶芸家のかたと話す機会がありました。

 
 我々もこれから瓦という焼き物を焼こうという身ですので、
 質問することといえばおのずと、
 材料となる粘土の産出場所や窯の種類、
 焼成方法など・・になるわけです。
 
 
 そんな会話のなかで、そのかたがおっしゃっていたのは、
 
  (陶芸用の)粘土が廃番になってしまう

 ということでした。

 陶器の場合、壁土とはちがって、
 どんな土でも成立するというわけではないので、
 粘土が商品として取引されることはごく自然の流れだと
 思いますし、その様な状況は知っていたのですが、
 
  粘土が廃番になってしまう

 ということは、思ってもみませんでした。また、

  「粘土」

 という響きと、

  「廃番」

 という響きの組み合わせに、
 書籍やCDと粘土が同列に扱われているようで、
 かなりの違和感を感じました。

・廃番粘土の話に違和感を感じたのは、
 茅葺きの工事に関わるようになり、
 茅が商品として扱われる様を見てきたからかもしれません。

 茅に限らず、一昔前までの家は
 身近にある材料を利用して作られていたので、
 そこには、「商品」「流通」「廃番」・・なんていう言葉は
 存在しなかったはずです。

 材料は、そこらにあるわけで、「廃番」になんかなりっこないし、
 自分で調達すればいいだけの話ですから。

 それに対し
 現代の家づくりは、よくもわるくも、「商品」ありきだと感じます。
 自分たちで材料をそろえるかわりにそれが、
 商品としてやってくる。

 「商品」を組み合わせて家がつくられる。

 「商品」に頼る以上、「廃盤」の可能性は常にあるわけで、
 「廃番」というかたちで材料や部品の供給を絶たれてしまえば、
 増改築や修繕の際に、困ることは目に見えています。

 
 長持ちする家をつくるには、

  できるだけ「商品」にたよらないこと

  「商品」が「廃番」になる可能性を見越し、代替品での対応を
  可能にしておくこと

 そんなことが大事なんではないかと思うのですが、
 どうでしょう?

西山哲雄

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2009年5月 7日 (木)

とある家のGW

こんにちは、ずっと体調不良で寝込んでいた金石です。
そう、GW期間中ずっと...
しかも家族揃って...

そんなわけで世の中の混雑っぷりは
ニュースを通してかなり他人事として眺めておりました。
思い起こせば、こんなにも外出しない休日が続くことなんて
今までになかった気がします。

でもまぁ、体調が良いときには庭に出たり、
近所を散歩したりしていたんですよ。
とはいえ、移動手段の大半が「徒歩」ですから、
とってものんびりとした気分になれました。

不思議なもので、
のんびりとした気持ちで暇をもてあますとになると、
なにか手を動かしたくなります。

 「穏やかな心境」+「余裕のある時間」=「創作意欲」

これ、私の心の中の方程式です。
裏を返せば、
これほどまでに贅沢な環境が整わないと創作意欲が沸かない
とも読み取れますが...

そんなわけで、今回私がチョイスした「創作」とは・・・

Img_2301

泥団子~っ!!

以前、常滑の「どろんこ館」を訪れたときに、
「光る泥団子」なるものが世の中にあることを知り、
一度はつくってみたいという感情を
ずっと密かに心にしまい込んでいたのですが、
ここにきてようやく体が動いたわけです。

私が「どろんこ館」を訪れたのは昨年の12月ですから、
以来、約5ヶ月もの長い長い我が体内での潜伏期間を経て、
やっとチャレンジ開始です。
まぁ、人間なんてそんなものかもしれませんね、
なかなか行動に移せません...
今回、奇跡的に贅沢な環境を得て手を動かせる私は幸せな気もします。

早速、左官現場から出た荒壁の残材と、
淡路島に行ったときに分けてもらった粘土を少しばかり拝借し、
水をかけては手で捏ねたら、
はいっ、粘土の出来上がり~っ!

もともと粘土なんですから、当たり前です。
実際、体調不良の3歳の子供でもできました。
もちろん、体調不良の大人でも問題なくできました。

これをピンポン玉大の大きさにして乾かして、
それから上塗りと磨きを重ねていきます。
今後、砂漆喰を塗って、最後にノロを塗り込めば多分光るはず。
追って作業経過を報告いたします。

金石健太

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2009年5月 1日 (金)

やわらかいということ

こんにちは、西山です。

少し前に、日本人の学生が海外の世界遺産に
落書きをしたとして話題になりましたが、

001
これは京都某寺の近くの土壁です。
近くに寄ってみると・・

002
土塀に異変が起きていることがわかりますでしょうか?
もっと寄ってみると・・

003
場所が日本であれ海外であれ、
落書きをする人はどこでもするんですね・・。

このケースの場合、落書き対象である土塀は、
土でできていますので、
マジックやペンキなどの落書きグッズを持っていなくても
小枝や石ころなどちょっとしたものさえあれば
簡単に文字や模様を刻むことが出来てしまいます。

それゆえに
落書きへのハードルが低いのかもしれませんが、
それにしてもひどい有様です。

落書き対策を考えると、
表面のやわらかい土塀は分が悪い気と思いますが、
表面がやわらかいがために、
風雨によって表面の土がほどよくおちていくことで、
時とともに味わいを増すのは
土塀を含めた、土壁の魅力であるともいえます。

001_2
こんなふうに・・。

これは直島で見つけた土塀ですが、
風雨に晒されることで、壁土の下から瓦や石が顔を出し、
それが見事な経年変化の美しさとなっていました。

このようにして旅行中いくつかの土塀をみて、
私は前々から思っていたことに確信を持ちました。

それは、
土塀なり土壁を新たにつくったり、補修したりする時に、
この「経年変化の美しさ」を念頭におくとすれば、
大事なのは、仕上げ材よりも中身ということに
なりはしないか、と。

要するに、土壁の経年変化の美にとって大事なのは、
表面の壁土が落ちた時に、
そこから何が顔を覗かせるのか?
ということではないでしょうか。

前出の京都の土塀にいい例がありました。
003_3 
この写真の下のほうに、崩れた土壁のなかから何か
顔を覗かせているのがわかりますか?
その部分に寄ってみると・・

004
この様になっております。

壁のなかから白っぽいメッシュ状の物体が出てきています。
実はこれ、ひび割れ防止のための補強材として
壁のなかに塗りこまれていたものなのです。

それが、この場合は風雨でか人間の落書きによってか
わかりませんが、壁土が落ちたことによって、
人目にふれることになったわけです。

どうですかこのメッシュ?

壁を仕上げてしまえば見えるものではないので
見てくれは関係ないのかもしれませんが、
年月を経ればこういった事態もありうるわけですよね。

どうせ顔をのぞかせるなら、瓦や石ころがいいなと思うのは
私だけでしょうか?

〈おまけ〉
003_4
これまた直島でみつけた(おそらく)土塀の名残です。
いまとなっては、塀の役割は果たしていませんが、
圧倒的な存在感をはなっておりました。

そしてちょっと注目なのは左端です。

004_2
裏から見るとこうなってます。
なんと、土塀の上に煉瓦が積まれた形跡が・・。
いったい往時はどのような姿をしていたのか・・。

謎です。

西山哲雄

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2009年3月13日 (金)

大国

こんにちは、西山です。

先日のブログでお伝えしたとおり、
我々は今、茅葺き作業の真っ最中です。

そんな折、タイムリーなものを見つけました。

コンビにや書店にいく機会があれば是非、
今週号の週刊新潮を手にとっていただきたいのです

目指すページは、
表紙から数枚めくったところのグラビアページです。

グラビアページといいましても、そこに写っているのは
女性ではなく・・・茅葺きなのです。

タイトルは「萱葺き大国オランダ」

オランダという国と、茅葺きというイメージが
がうまく結びつかないかもしれませんが、
実は最近では、
日本よりもヨーロッパの方が茅葺きに力を入れていて、
さらに日本との決定的な違いとして、
日本において茅は、文化財や伝統的な民家に葺かれるのが
ほとんどですが、

あちらでは、そういった歴史ある建物にとどまらず、
新築の家や、公共施設などにも茅が葺かれているのです。

そういった背景には、ヨーロッパにおいて茅葺きが
一種のステータスとなっているという側面もあるようですが、
なにはともあれ、とりあえず、週刊新潮を見ていただきたいです。

そこにはおそらく、
みなさんの想像を超えた「茅葺き」があるはずです。

4ページばかりの特集ですが、
沢山の建物が取り上げられています。

なかでも私の一押しにして一番の驚きだったのが、
「茅葺き壁」とでもいうべき外壁の建物。

見た目は日本でもよくあるような、箱を積み上げたような
モダンな現代住宅なのですが、
その壁が、「茅」なのです。

これには本当にびっくりです。

「茅葺き」が、
「文化財」「民家」「伝統」といったものに縛られることなく、
「現代」「モダン」「美」「住宅」といったものと
うまく結びつき、融合している感じが
ひしひしと伝わってきました。

古いものを大切にすることは、
日本人の得意とするところではあると思いますが、
そこだけにとどまって、うかうかしてられないなと思います。

なんせ、人口1600万人あまりの国、オランダには
茅葺き専門の会社が450社あるそうですから。

大国への道はまだまだ遠い・・。

「本日の茅葺き」
Photo_2 
こちらは日本の茅葺きです。

西山哲雄

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2009年2月17日 (火)

茅葺?

こんにちは、西山です。

さていきなりですが、下の写真をご覧ください。


Photo_4
Photo_3

いわゆる、竪穴式住居というものですね。
先日、近くにいったついでに立ち寄った
登呂遺跡のものです。

立派な茅葺屋根です。

寄ってみると・・

Photo
Photo_2

どこからどうみても、茅葺です。

この屋根、実は茅葺じゃないって言ったらびっくりですよね?

私はこの茅葺屋根に触ってみたのですが、

・・・・固い。

見た目は茅葺そのものなのですが、
茅葺とは到底信じられないくらい、固いのです。

・・・・・・・

調べてみると、わかりました。
なんとこれ、まさかのコンクリート製だったのです。

中で火を使った体験などを行うため、
不燃にする必要があったらしく、
まず本物の茅を葺いた状態で、シリコンで型をとり、
型から作ったコンクリートパネルを屋根に乗せたとのこと。

コンクリート葺になっているのは、一棟のみということで、
二枚目の写真の左側に写っているのがコンクリート葺、
右は茅葺です。

少し見たくらいじゃ、区別がつかないくらいでした。
しかし、当然のことながら茅葺は火に弱いわけですが、
だからといって、茅葺をコンクリートで作ってしまうとは・・。

形だけを追った結果、何かを見失っているような気がします。

でもまあ、コンクリート葺と茅葺が隣り合っていることで、
10年後が楽しみだなと、勝手に思っています。

西山哲雄

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2009年1月14日 (水)

続・市場に出回らない竹

こんにちは、初詣で「大吉」のおみくじを引き当てた直後、
2歳の息子が見事に「凶」を引き当て、
もう少しでおみくじを交換されそうになった金石です。

さて、前回の続き。

我々が欲しい竹が流通していないという
ショッキングなニュースを引っさげてトボトボと事務所に戻ったものの、
やり場のない悔しい気持ちが納まりません。

それに、今回と同じ気持ちは以前にも経験したことがあります。
例えば地瓦の入手もそうです。
消費者が本当に欲しいものが手に入らないという
世の中の仕組みにガッカリするのは今回に限ったことではありません。

で、、、
そういう時は自分たちで仕入れルートを確保するに限ります!
民家に使うような伝統的な素材は、
その気になれば近場でも入手可能な場合が結構あります。
茅がそうだったように、
個人で竹林を持っている方を探し出して、
交渉すればいいのです。

そういえば、、、

以前、竹を切らせていただいたことのある竹林には、
割りと細い竹が密集していたような...

そうのときは太い竹が欲しかったので、
細い竹のことはよく見ていなかったのですが、
もう一度確かめる価値はありそうです。

早速、その竹林へ足を運んでみると、、、

Img_2913

見~つけたぁ!!

金石健太

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2009年1月 8日 (木)

市場に出回らない竹

こんにちは、鳩サブレーが大好きな金石です。

さて、昨年末にあるお宅の縁側の補修の依頼を受けました。
その縁側の様子がこちら。

Img_2125_2 

直径25~30mmの竹がズラッと並んでおります。
「わりと細い竹を使っているんだなぁ」と何気なく見ていると...

んっ!?

・・・・・

あれ?
この竹様子がおかしいぞ!!

皆さんも良くご覧になってください。
よく見ると節の間隔がかなり狭いことに気付きます。
長さ400mmの間に節が3つくらいありますよね?

そう、この依頼を受けた縁側、
強度がある根元の部分のみを選んで使用した、
結構贅沢な縁側なのです。

というわけで、本日長野市にある竹材屋に足を運んできました。
そこで写真を見せて事情を説明すると、
かなりショッキングなお返事を頂戴いたしました...

 あぁ、こりゃあ本当に根っこの部分だね。
 こんなのどこに行ってもないよ。
 
エェッ!!
ナイ!?
ドウイウコトデスカ???

予期せぬ返事に軽いパニックを起こしてしまいましたが、
どうやらこういうことらしいです。

竹材店といえど、竹材の多くは県外から仕入れているとのこと。
我々が希望している部分は本当に根元部分で、
節の長さが不揃いなため流通に乗っている竹材としては不要な部分。
つまり、この竹のもう少し上の部分が
商品としての竹材の根元部分に相当するようです。

要するに我々が欲しい部分は市場には出回らないんです...

 この竹(=店にある竹材)の根元でも節2つは取れるんじゃないの?
 それでいくしかないよ。

と助言を頂きましたが、、、
なんですかね?どうもどこか納得がいかないんですよね...
この節が3つ4つあるところがこの縁側の大事な要素な気がして...

 また来ます...

そう言い残してトボトボと帰ってきたのでした。(続く)

金石健太

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2008年12月22日 (月)

桶の底力

こんにちは、西山です。
昨日、六本木ヒルズ49階の「アカデミーヒルズ」にて、

『いまさらおけを考える会 桶の底力 ~そこにこそ~』

というイベントが行われ、そのお手伝いに行ってきました。

このイベントは、桶仕込み保存会が主催したもので、
2年前にひきつづき、2回目の開催となりました。

講演やパネルディスカッション、そしてパーティーと
前回同様に盛りだくさんの内容だったのですが、
今回新たに増えたのが、
桶職人による、実演コーナーでした。

割り振りにより、実演コーナーのお手伝い担当となった私は、
実演会場で、ある人に再会しました。

その人とは・・・

奥畑正宏さん。

そう、
今年の五月に、松本で出会った、あの桶職人さんです。
(くわしくはこちらをご覧ください。)

実は、実演してくださる3人の職人さんのうちの一人が、
奥畑さんだったのです!

突然の再会に、一方的にびっくりしていたのですが、
担当として挨拶をさせていただいたときに、
「松本でお会いしましたよね」
と。
なんと、私のことを覚えていて下さいました!

Photo_5
この木材から、おひつや米びつの側面の板ができていきます。

1
それを割っていき、側板をつくる奥畑さん。
みなさん実演時間の大分前から、黙々と作業されていました。

1_2
奥畑さんの作られてた、おひつ(手前2つ)と米びつ(後ろ2つ)。

2_2
素人が見ても、尋常ではない手間をかけて作られたことが
伝わってきます。

001
杉山孟さん

002_3
萩原幹雄さん

003_3
実演は大盛況。多くの方が見入っていました。

001_2
観客の質問に気さくにお答えになる、奥畑さん。

Photo_6
実演終了後、職人の語らい。

そばで聞かせていただいたのですが、
職人さんの話は本当に面白い!

本当にそう思いました。

つづく

西山哲雄

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2008年12月12日 (金)

常滑 ~その2~

こんにちは、西山です。
前回の最後に少し書きましたが、
常滑は煙突の多い街です。

焼き物の街の象徴というところでしょうか。

 
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008_2 
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山田さんのトークショーの前に時間があったので街を散策
したのですが、本当にたくさんの煙突を見かけました。
山田さんの話では、これでもだいぶ数が少なくなってきて
いるとのことでした。

010
今でも本当にたくさんの煙突が残っているのですが、
周りにマンションなどの建物が建っている場所もあり、
それらは煙突より低いとはいえ、
雰囲気を損ねている感じがして少し残念でした。

昔はこれ以上にたくさんの煙突があり、
さらに煙突以外の建物はせいぜい2階建てくらいだった
でしょうから、煙突の存在感といったら・・。

まさに「煙突の街」だったに違いありません。

004
登り窯の煙突です。
煙突が連なる姿も美しいものです。

Photo_2
山田さんが常滑を好きな理由のひとつが、
道の角度が良い、とのこと。
道が曲がりくねっていて、
その曲がった道なりに建物や塀が立っていることだそうです。
そんな話を聞いたあと、
家に帰ってきてから自分の撮った写真を確認してみたところ

・・・ありました。

上の写真、よく見ると、軒先に向けて瓦を斜めに葺いています。
きっと、道の曲がりにあわせて建てたということですね。


また、山田さん曰く常滑は「総合焼き物屋」とのことで、
要するに、器だけを焼くような産地とちがい、
焼酎瓶やトイレの便器、配管や・・・など、
焼き物で作れるものはなんでもつくっていたようです。
その様子が、山田さんの心を捉えたようです。
Photo_3
2 
そんなわけで、常滑では土留めも焼酎瓶です。


いまだったらどこでも同じコンクリートの壁になってしまうところですが、
自分たちの一番身近なもので、土留めをしたということですね。

ひょっとして、瓶を積むのも、
住んでいる人が自分たちでやったのかもしれません。

地域の特色を生かした、知恵と工夫が感じられる構築物でした。






トークショーでは上記の話のほかに、
今までの生い立ちや、写真業界、建築業界の裏話的な話など、
本当に酒を断って、水を片手にお話しされていました。
残念ながら、
それ以上いるとその日のうちに小布施に帰ってこられなくなるために
最後まで聞くことはできなかったのですが、
非常に楽しいトークショーでした。

山田さんの写真展につられ、ふらっと来た常滑でしたが、
予想以上に面白い街でした。
Photo_4
風雨にさらされた煙突のレンガや、ツタの這う板壁など
心引かれる古い物とともに、昔はおそらくなかったであろう、
雰囲気のよい飲食店やギャラリー、雑貨屋なども
あちこちで見受けられ、古い物と新しい物が共存しているようでした。
過去の遺産をしっかりと引き継ぎつつ、新しい力を入れながら
現代を生きる街。そんな印象を受けました。

また是非たずねたい街です。

002_2
ガラスに映った煙突をみつけ、思わず写真を撮りました。

こんなやり方で、煙突を増やしていくことも
できるのかもしれません。

西山哲雄

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2008年12月 9日 (火)

常滑~その1~

先週の土曜日、友人の結婚式に出席するため
名古屋まで行ってきました。

ここ数年、名古屋での結婚式に参加することがよくあり、
だいたい土曜日開催でそのまま名古屋泊となる
ものですから、
そのたびに翌日(日曜日)は、いろいろと寄り道をして
小布施まで帰ってきていました。

今回もそんな魂胆でいた私に、
まさにうってつけの企画があることを先日気付きました。


それはこちら

『焼き物の街・常滑 
―山田脩二の写真・軌跡 1963-64年シリーズより―』


なんと、
我々がいつも大変お世話になっている山田脩二さんの
写真展が常滑であるじゃないですか!

というわけで、
感動の結婚式の翌日、前日のお酒を多少引きずりながら
初めての常滑に行ってきました。


この日は写真展の最終日だったので、
日程的にはぎりぎりセーフだったのですが、
会場である、INAXライブミュージアムどろんこ館に到着してみると
なんとそこには、山田脩二さんご本人が!
丁重に挨拶した後に話を聞いてみると、
これまたなんと、この日の夕方から、
「オープニングイベント」ならぬ「クローズドイベント」ということで、
トークショーをやるとのこと。

いや~、心躍りましたね。

しかもよくよく聞いてみると、
この日はなんと、酒を断って、話をされるとのこと!!!

(山田さんを御存知ない方はこれがいかにすごい事なのか
 わからないと思いますが・・)
これを逃す手はないと思った私は、
唯一のネックが、帰宅が深夜になることだったのですが、
そんな邪念を振り払い、トークショーに参加してきました。

つづく。


001
常滑は煙突が印象的な街でした。

西山哲雄

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2008年12月 4日 (木)

茅刈り@木島平~番外編その2~

こんにちは、西山です。

前々回のつづきです。

商品化され、広い地域に供給される茅の現状に対して、
以前私は

 茅の単位を一つにまとめていかなければ、いけないな。

と思っていたのです。

というのも、茅の単位が地域ごとに異なっていると、
その地域を越えて、茅を移動する時に
単位を換算する必要が出てくるんですね。

 AからBへ茅をもってくるときは、
 Aの茅7把をBの1〆に換算して、
 BからCは
 Bの1〆がCの3束で、
 CからAへは・・・・

というような感じになってしまうわけです。

これを例えば、

 根元まわりで直径25センチを1把とする。
 6把を1束とする。
 6束を1〆とする。

と全国一律で決めてしまえば、
茅の流通がスムーズにいきますし、

 このくらいの大きさの家だったら~〆で葺き替えられる

ということが、明確にわかるようになるわけです。

・・・・・・

というわけで、
茅の単位体系を整えることで、茅葺の未来が開ける
と信じて疑ってなかった私ですが、

先日の
「茅刈りシェイプアップ知的生産術2008@木島平」
でこの考えに疑問をもつようになりました。

というのも、一言で「茅葺」といっても
その言葉が示すものには、
多様な茅葺があるのではないかと。

まず、「茅」という言葉が特定の植物をささず、
屋根に葺かれる草の総称であるように、
地域や様々な事情により、
多様な材料によって、「茅葺」は作られます。

そして、気候や材料の違いなどにより、
屋根の形も変わるので、
当然、その葺き方(技術)も地域により変わります。
要するに、技術の多様性です。

つまり、
多様な材料と、多様な気候風土、
そしてそれに合わせた多様な技術、
その組み合わせによって、
地域ごとに、その場所に最適な「茅葺屋根」が葺かれて
いたわけです。

小谷村の牧の入茅場では、
「把」と「束(6把で1束)」という単位が昔から使われている
のですが、茅を一把分刈ってそれを束ねるときに、
刈った茅の中から数本を取り出し、
根元の硬い部分を切り落としたもので、
束ねていました。

このことはつまり、
ここでは、束ねるのに使われる茅の長さが、
「1把」という大きさを規定していたと
考えられるのではないかと。

そしてこの「1把」という大きさを基本に
屋根を葺く技術が確立されており、
それによって、この地域に最適な茅葺屋根が葺かれる
わけです。

これは一例に過ぎませんが、
何が言いたいのかといいますと、

地域や様々な事情により
「最適な茅葺屋根」は変化するのに、
その「最適な茅葺屋根」と密接な関係にあるはずの
茅材料を全国一律のものにしてしまって
いいのかと。

今は地域ごとに残る茅葺屋根もわずかで、
茅場も数えるほどしかなく、
職人も少なく各地を飛び回っている
というのが現状だと思いますが、

やっぱり地域で茅葺を維持していくシステムを
再構築することが必要だな~と

そんなことを、
「サクッザクッザクッ」と茅を刈りながら
思ったわけです。

西山哲雄

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2008年11月26日 (水)

茅刈り@高山2008 ~その1~

こんにちは。先週当番をすっぽかしたため、連日の土屋です。

さて、昨日から茅刈りの舞台が高山村に移りました。
昨年は、一昨年の古茅や雑草に悩まされた高山村の茅場ですが、
今年の春には野火付けを行ったので、さぞ良質な茅が育っているはず。
でしたが‥

Img_1884

先日の雪の影響か、かなり倒れてしまっている茅が目立ちます。
確かに茅自体は古茅も混じってなく、長くていい茅に育っていましたが、
倒れてしまっている茅は、曲がってしまい使いづらいため、

Img_1888

こんな具合にただ切り倒していくしかありません。
ただまだ倒れて間もないような茅の中には、
曲がってなく使える茅もあり、それがせめてもの救いといった感じです。

とはいえ、古茅を省いて刈り取る手間がない分、作業効率は上がり、
昨年は2日くらいかかった場所を、今日一日でなから刈り取ることができました。
やはり、茅の単価を下げるためには茅場の手入れは必要不可欠なようです。

ここで、少し木島平の茅場に話を戻しますが、
先日西山氏が更なるエリアカ拡大のため木島平を訪れると、
木島平に異変が起きていました。

Pb253109_2

こちらは先日の雪で刈り残していた茅がすべて倒れてしまっていました。
おかげでとんがり帽子が際立ってよかったですが、
刈り取るタイミング的としては間一髪という感じでした。
これから木島平の茅場は刈り取るタイミングが難しそうです。

どうやら今週は天気が崩れ気味で、
来月からは冷え込みがきつくなりそうなので、
高山村の茅場も早く刈ってしまわねば。

それにしても、高山村の茅場はやはり景色が抜群です。
今日も夕方には晴れて、きれいな夕焼けを見ることができました。

Img_1895

土屋 直人

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2008年11月25日 (火)

籾殻のちから

こんにちは。先週諸事情によりブログ当番をすっぽかしてしまった、土屋です。
独身生活も終わり、また心機一転がんばりたいと思います。

さて、木島平村での茅刈りも一段落し、
今朝は「籾殻の現場」でまだ取り付けていなかった建具を吊り込むべく、
建具の断熱効果をあげるため、建具に籾殻を入れる作業をしました。

板張りの最後の一枚の隙間からちょっとずつちりとりで入れていきます。
そして、最後の板を止めてから残りの籾殻を入れるのですが、
この作業が実に地味な作業です。
直径3cm弱くらいの小さな穴から少しづつ入れていきます。

Img_1870

しかし、こちらの方はこんな地味な作業が実に似合います。
壁に籾殻をいるときは籾殻ならグラスウールなどの断熱材と違い、
自然素材だし、調湿作用もあるということでいいに決まってる、
と思っていましたが、籾殻の断熱効果って、
実際数値化したときにはどれくらいのものなんだろう?
と遅ればせながら疑問に思い、調べてみました。

ありました。「籾殻充填木板パネルの断熱性能実験」という、
ズバリな研究論文が。
この実験では、2枚の杉板の間に層を設けて、
その層が空気層、籾殻、グラスウール、スタイロフォームの場合で、
熱貫流率の比較などをしています。
結果の数値がこちら。

 ①空気層の場合      :1.0532
 ②乾燥籾殻の場合     :0.5197
 ③炭化籾殻の場合     :0.5324
 ④グラスウールの場合   :0.5459
 ⑤スタイロフォームの場合 :0.4902

この数値が小さいほど、断熱性能が高いということなのですが、
今回該当する②を見てみるとグラスウールよりも断熱性能が高く、
スタイロフォームと比べても遜色がないことが分かります。

よくをいえば、密度(詰め込み加減)の違いで、
断熱効果にも差が生じるのか分かれば、
もし、次の機会があれば参考になるかと思いましたが、
残念ながらそこまでは実験されていませんでした。

しかし、籾殻は人体に無害でリサイクル可能なわけですから、
優れた断熱材であるといえます。
籾殻、侮るなかれです。

土屋 直人

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2008年11月20日 (木)

茅刈り@木島平~番外編その1~

こんにちは、
わけあって連日のブログ当番となりました
西山です。

むかしむかし、
まだあちこちに茅葺民家があったころのこと。

集落の茅葺民家の葺き替えに使われる茅は、
その集落またはその近辺で刈られたものでした。

 茅は肥培管理に労力や資本が必要とすることもなく、
 雑木さえ生えないようにすればどこにでも広く分布して
 いるために、商品としての価値は低かった。
 (菅野康二『茅葺きの文化と伝統』歴史春秋社、353頁)
 
とあるように、昔はあたりまえのように
地元で使う茅は地元で供給していたものでした。

さて、
茅を数えるのに単位があって、
小谷村の牧の入茅場だと、

 一把(小脇に抱えられるくらい)

  ↓
 
 一束(6把分を束ねたもの)

というものでした。

この単位というのは、地方によってばらばらで、

把や束のほかに、

「〆」 「段」 「駄」

などという単位があったようで、
また、たとえば同じ「〆」を使う地域であっても、
こちらの1〆とあちらの1〆が同じ量とは限らないわけです。

要するに、

 茅は嵩張るので、運搬が容易でなかった事などによって、
 集落内での賃借や売買はあっても、広い範囲での移動は
 なかったという事情から、計量単位が市町村や集落によっ
 て異なっていた。
 (前掲書、353頁)

という状態だったわけです。

ひるがえって現在。
茅葺民家は急激に減少し、
集落総出で茅刈りをしたりというような
相互扶助的なシステムは白川郷などの一部地域を除き、
なくなりました。
それとともに、各地にあった茅場もほとんど消滅しました。

ですので、各地にわずかに残る茅葺民家たちの
葺き替えをしようとする場合、
小谷村のように、その地域に茅場が残っている場合はいい
のですが、そうでないときは
茅をどこからか買ってこなくてはならなくなりました。

つまり、
かつてどこにでも生え、商品としての価値も低かった茅は、
いまや立派な商品となり、大きなトラックによって
あちこちへと運ばれるようになったのです。

このことは、先日の金石氏のブログにあったとおりです。

・・・・・・・

それで、ここからが本題であり、
「茅刈りシェイプアップ知的生産術2008@木島平」で
思いついたことなのですが、
申し訳ありませんが、つづきは次回ということで・・。

よろしくお願いいたします。

西山哲雄

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2008年11月19日 (水)

茅刈り@木島平~その5~

こんにちは、毎日おいしい昼食にありついている
西山です。

前回のブログで、

茅刈りはご飯が進む

ということを書きました。
また、昨日のブログでも金石氏が昼食ネタを取り上げて
いましたが、その中にもあったように、
茅刈りで目一杯体を動かした後は本当に食が進みます。

普段は到底食べることのできない量を平らげますし、
それだけ食べでも、午後また茅を刈れば
夜にはちゃんとお腹がすいてくるのです。

食欲、とどまるところを知らず・・。

さてさて、今年の茅刈りを始めたのと時を同じくして、
私は一冊の本を読み始めました。

その本は、
『茅葺きの文化と伝統』(菅野康二、歴史春秋社)
です。

著者の長年にわたる調査研究の成果をまとめた本
で、主に会津地方のことが中心となってはいますが、
茅葺屋根の構造や葺き方はもちろんのこと、
茅葺職人の生活や出稼ぎの実態、
はては、未来の茅葺への提言まで、
茅葺と茅葺を支えた地域社会のしくみについて
網羅された大著です。
なんと650頁もあります。

もちろん、茅場や茅刈りについても書かれていて
学生の時に一度読んではいたのですが、
今回改めて読み返してみて、たくさんの発見がありました。

そのなかでも、一番タイムリーで、一番びっくりしたのが、
茅刈り時のご飯についての記述でした。

以下、該当箇所を引用します。

 茅刈りは朝早い内からの労働で、部落行事の中では最
 大の重労働であった。そのため茅刈りを依頼した施主の
 家や部落では特別なご馳走を作り、最大級の待遇をし
 た。その際特別に用意した特大の昼食を「茅刈焼き飯」
 と言っていた部落が多いので、(中略)以下茅刈焼き飯
 とした。

 郡山市湖南町では、(中略)約600匁の米を炊いた熱い
 ご飯をさらし布の袋に入れ、板の上で揉み、半練り状態
 にして取り出し、藁で作った「つとこ」に入れた。おかずと
 して泥鰌や鮒、きのこ、野菜等を煮染めて、小さいつとこ
 に入れた。茅刈り人に大・小のつとこを渡した。

 (中略)

 東白川郡矢祭町大□(□は土偏に共)では、朝二時に
 施主に集まるので、施主では「イッソウ飯」(一升飯)を
 出し、それを食べてから松明を持って茅場に向かった。
 朝七時頃つとこに入れた塩味のおはぎを食べ、12時に
 はつとこに入れた「イッソウ飯」を食べ、午後四時頃迄に
 茅刈り作業を続けた。休憩時間をはさんで14時間の長
 時間労働であり、施主ではそれに見合った食事を用意
 したのであろう。

 
文中には、2つの町での例がでてきますが、
その中の、ご飯の量に注目してもらいたいのですが、
まず、一つ目の町の例には「600匁」とあります。
「600匁」とはどのくらいの量かというと、本書の注に
よれば、

 600匁=1升

だそうです。

また、もう一つの町の例には、「イッソウ飯」とあり、
括弧内からわかるように、

 イッソウ=1升

です。

つまり、茅刈りの時は、一人一日1升のご飯を食べていた
ということになります。

文中にもあるように、昔は夜も明けきらないうちに、
というか、まだ夜中といえる時間帯から集まって、
茅を刈っていたということですから、
途中で何度も休憩し、朝ごはんや昼ごはんなど、
何回にもわけてそのご飯を食べたのだと思いますが、
それにしても1升ですよ・・。

私のおにぎりがいくら大きいとはいえ、
せいぜい1合ちょっとのものです。

自分では結構食べるほうだと思っていたのですが、
昔の人にくらべれば、屁のツッパリにもならないという
ことを痛感しました。

「茅刈焼き飯」おそるべし・・

西山哲雄

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2008年11月14日 (金)

茅刈り@木島平 ~その2~

こんにちは。今朝から早速茅刈り筋肉痛に悩まされている、土屋です。
鎌の切れ味がいまいちで、叩ききるように鎌を振りかざしているため、
右肩のみが痛みます。鎌の手入れは重要ですね。

さて、晴天に恵まれた茅刈り2日目。
今日は劇的に進みました、とお伝えしたいところですが、
なかなかうまくはいきません。
今日は大半の時間を倒れている茅の切り倒しに費やすことになりました。

100_38452

ここは、明らかに何者かによって倒されたような感じで、
周囲にはとうもろこしがたくさん落ちていました。

もしや? 

これを見てからというもの、
茅の茂みの方からカサカサ、と音がするたびに、
身構えてしまっていたのは言うまでもありません。

また、当初平坦かと思っていたこの土地も、
実際分け入ってみるとそれなりの勾配があり、
だんだん奥に進むにつれ、移動も辛くなってきて、
明日あたり、足も筋肉痛がきそうな気配です。

しかし、先日ここの茅は細いものが多い、と書かれていましたが、
その中でも、細いけど芯がしっかりしているもの、
ただ細いだけで芯がしっかりしていないもの、
背丈の高いもの、低いものなどいろいろあります。
これがただ生長の差によるものなのか、
種類によるものなのかも、今のところ謎です。

そんなこんなな今日の茅場の様子。

AM 9:00
100_38372

PM 1:00
100_38472

PM 4:00
100_38482

う~ん、まだまだ先は長い!

土屋 直人

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2008年11月12日 (水)

宣言

こんにちは、西山です。

私も昨日、小布施ッションに参加してきたのですが、
土屋氏が書いていたように、白戸さんは

・思い立ったらすぐに行動しなければいけない。
 自分に言い訳ができないように追い込むことが肝心

ということをおっしゃっていました。要するに、

 言い訳に逃げないように、退路を絶つ

ということ。
トライアスロンを始めようとする人にとってその一番の方法は、

 まず、トライアスロンの大会に申し込んでしまうこと。
 (できればお金も払ってしまったほうがいい。)

だそうです。
たしかに、申し込んでしまえば
いやがおうにもその大会が目標となり、
そこに向かって練習せざるを得ないわけですから、
なるほどなぁ~と思いました。

・・・・・・

そんなわけで、影響を受けやすい我々は、
早速、長年の懸案事項について退路を断ってみようかと
考えました。

その懸案のプロジェクトとは、

 DGK@Obuse

です。

これまでさまざまな問題にぶつかりながら進めてきた
プロジェクトですが、多くの問題については解決の糸口が
見えてきたかな、というのが現状です。

いまなお残る問題点や不安要素はありますが、
ここらで一丁、勝負に出る時が来たかなと思います。

実は今年度の始まりの日に嘘に紛れ込ませて
一応宣言したのですが、
今日改めて、大真面目に、そして高らかに宣言したいと思います。

我々は、来年2009年に小布施で達磨窯をつくります!!!!
そしてもちろん、その窯で瓦を焼きます!!!!!

 2007年 甘楽

 2008年 淡路

 そして・・・

 2009年 小布施

 DGK「達磨窯復活プロジェクト」初期三部作、ここに完結。

 構想十余年、実現不可能といわれたあのプロジェクトが
 幾多の困難を乗り越え、ついに始動!

 見逃すな!!!

なんだかハリウッド映画の宣伝のようになってしまいましたが、
宣言した以上は、何が何でもやるしかありません。

今年のうちは、諸手続きなどが中心になるかと思いますが、
白戸さんの言葉にあったように、

 大きな目標の前に、小さな目標をたくさんつくる

を実践して、まい進していきたいと思います。

西山哲雄

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2008年11月 4日 (火)

 こんにちは、
 週末、ひょんなことから、鮭を買った
 西山です。
 といっても、スーパーで売られているような切り身の状態ではなく、
 生きていたそのままの姿で・・・つまり丸ごと一匹の鮭を
 譲ってもらったのです。

 それも、一匹ではなく、雄と雌一匹ずつ。

 日曜の夜、二匹の鮭とともに帰宅した私は、
 さっそく鮭をさばきました。

 さばきました

 というと、さも簡単にやってのけたかのようですが、
 実際はなかなか思うようには・・。

 わたくし一応、海に近いところの生まれなのですが、
 いままでに鮭はおろか、小魚さえさばいたこともなく、
 ごくたまに釣りにいっても、
 持ち帰った魚はすべて祖母まかせでした。

 そんな私が鮭のさばきに挑戦したのですが、
 まずしたことといえば・・

 出刃包丁を買いに行ったこと。

 ・・・・・・・

 魚をさばく習慣のない我が家にはもちろん
 出刃包丁なんて代物が存在するはずがありません。
 
 まずは何事も形から入らないと気持ちの悪い私は
 鮭をさばく以外には当分ほかに使うあてもない出刃包丁を
 ここぞとばかりに買いにいったのです。

 前置きが長くなりましたが、
 無事出刃包丁を購入した私は、気合を入れて台所に立ち、
 鮭の解体にとりかかりました。

 頭を落し、腹から包丁をいれ、内臓(メスは筋子も)を取り出し、
 三枚におろしていく・・

 鮭を買うときに、さばく様子を見せてもらったこともあり、
 作業は意外と順調に進み、
 骨のまわりにだいぶ余計な肉が残ってしまったことと
 まな板周辺に血まみれの残骸やらが飛び散り、
 ちょっとした惨劇が起こった後のような状態になったこと以外は
 ほぼうまくいきました。
 (あくまで初心者なりにですが・・。)

  

 こうして晴れて、魚をさばける男となったわけですが、
 やってみて思ったのは、
 魚をさばくのは楽しい
 ということ。
 さばき始めたら引き返せないということもありますが、
 かなり熱中して、二匹をさばききりました。

 そして、「引っ越し問題」のこと。

 あとは、むりやり仕事のことに結びつけるとするならば、
 はじまりの場所を経験したことの喜びですかね。
 

 秋田杉を使うのに、実際に秋田杉の森に行ったり
 茅葺を葺こうとするならまず、茅を刈るところから始めたり

 
 そういったことを経験した時と
 同じような気持ちになりました。

 普通に考えれば、
 森を見に行かなくても木材は買えるし、
 茅を自分達で刈らなくても、手に入れることもできます。

 でも、常にそうである必要はないのかもしれませんが、
 自分達の普段扱っているモノが、
 どこからどのようにして来ているのか、
 一度体験してみることが大事なのではないかと
 私は思っています。

 そういう意味では今回、
 「鮭の切り身」の一歩手前を体験することができたのは、
 大事なことだったと思います。

 ついでに、二人暮しにはもてあますほどの切り身が
 あとには残ったことですし・・。

 しばらく鮭三昧になりそうな
 西山哲雄

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2008年10月28日 (火)

木の模様

こんにちは。この年になってもまだニキビができる、土屋です。
甘いもの、高カロリーのものを食べすぎでしょうか。

さて、昨日から始まった床板張りですが、
予想より早く本日、終了してしまいました。
張り終わった床を見て、達成感と木のもつ美しさを実感しております。
また、床板を張る前は籾殻の香りが充満していた室内も、
すっかり杉の香りに包まれて、横になったら気持ちよくお昼寝ができそうです。

今回使用している杉板は、これまでも紹介されているように、
金山杉の赤身の柾目材を使用しています。
柾目ですので木目は年輪が平行な状態で直線的になっているのですが、
板を張ってみると、その木目とは違った模様のある板があります。

Ca390120

写真が見づらいかもしれませんが、波型の模様のある板がおわかりでしょうか。
これまでも柾目の材を何度も見たことはありますが、
こんな模様が出ているのを見たのははじめてな気がします。
板目や杢目ならまだしも、柾目でこんな模様が出るなんて、
どうして出るのか、よくあることなのか、金山杉の特徴だったりするのか、
また機会があったら聞いて見たいと思います。

それにしても、製材の仕方や育ち方で様々な模様をつくり出す木は、
やっぱり魅力的な素材だなと改めて思いますね。

土屋 直人

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2008年10月27日 (月)

材料のストーリー

こんにちは、金石です。

さて、先日秋田より届いた大量の杉板材(金山杉)、
下地に合わせて一定の長さに切りそろえる作業が終わったところで、
いよいよ本日より床貼り開始です。

今まで束になっていた板材ですが、
貼り並べていくにつれてその全貌が明らかとなってきました。
はっきり言って綺麗です。

で、まぁ、その様子の報告は別の機会ということにして、
今日は材料に対する想いについて...

もうだいぶ前になりますが、
我々は秋田の杉林まで足を運んで、
この工事に使用する杉材を探しに、
実際に杉の巨木を目にしてきたわけであります。

今、「我々」と言いましたが、
実際に現地へ足を運んだのは西山氏と土屋氏だけなんです。
私は他の現場を担当していた関係で、
残念ながら秋田には同行できませんでした。

で、何を言いたいかというと、
運ばれてきた板材を見る「目」が違うんですよね、
原木を見てきた者とそうでない者では...

いや、私も写真や2人からの話で、
ある程度の予備知識はあったんですよ。
この材料に対する想い入れもあります。
でも、やっぱり原木を見てきた2人とは
感じるものの大きさや質が違う気がしてならないんです。

これってやっぱり「体験」の差ですよね?

造っている者がそれだけ多くの事を感じるんですから、
そこを使ったり、そこで生活するお施主さんも同じ体験をしていたら、
材料に対する想いや価値観だってきっと違ってくるはずです。

各々の材料のストーリーが見える家造りって絶対楽しい!
と信じてやまない
金石健太

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2008年10月24日 (金)

水の重さを感じる

こんにちは、西山です。

昨日の土屋氏のブログに予告されたとおり、
本日ついに、待望の物が届きました。

Img_1794_2

トラックが到着し、その扉が開けられると
ご覧の光景が目の前に広がりました。

遠路はるばるやってきた杉板です。

そして、杉板の山がこの目に飛び込んでくるのと
ほぼ同時に感じたのは、杉の香りでした。

天気が怪しかったため、屋根つきトラックで運んでいただいたのですが、
そのトラックの屋根が、幌のような簡易的なものではなく、
金属製である程度の密閉性のあるものだったので、
(専門的には、ウイングバンという種類のトラックのようです。)
扉を開けた瞬間、中に閉じ込められていた
杉の香りが、こちらまで届いたのだと思います。

香りつきとは、なかなか洒落たお届け物でした。

さて、この杉板たちを一時保管のため、倉庫に運んだのですが、
持ってみて驚いたのは、その軽さでした。

木材の重さは、樹種もさることながら、含水率に左右されます。
要するに、どれだけ乾燥させるかによって、木に残る水分の量がかわり、
その違いが、同形・同樹種の木材であっても、重さの違いとして
現れるわけです。

過去に杉板材を運んだ経験から、
おおよその重さを想像して持ったのですが・・・見事に裏切られました。

今までに体験したことのない重さでした。
これだけ軽いということは、本当にじっくりとそして充分に乾燥されたのだな
ということが、身をもってわかりました。

Img_1796
一時保管され杉板たち
いよいよこれから、張っていくことになります。

経過は随時、お伝えしていこうと思います。

西山哲雄

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2008年10月15日 (水)

茅場を探せ! ~その3~

こんにちは。そろそろ体が冬支度を始めた、土屋です。

さて、ついに新しい茅場を発見!
というところまでは先日報告がありましたが、
本日はその詳細について報告いたします。

場所は、山ノ内町側から403号線を北志賀に向けて登って行き、
木島平村に抜けてすぐの所にある、池の平という地区にありました。
道路を走っていると茅がまとまって生えているのを発見し、
意を決して近くのお宅に直談判に伺いました。
そのお宅からは、1人のおばあさんが出てこられました。

「あの~、そこの茅が生えてる土地の持ち主ってご存知ですかね?」
「うちの畑ですよ。」
「そこに生えてる茅を刈らしてもらいたいんですけど、いいですかね?」
「いいですよ。」

すばらしい!二つ返事で了承の返事を頂きました!
突然現れた見ず知らずの者に理由も聞かずに了承してくれるなんて、
すばらしすぎますよね。
その後、しっかり会社名や茅を使う目的を説明しましたが、
快い返事をしてくださいました。

よくよく話を伺うと、
茅が生えている土地は、数年前から休耕畑となっているそうで、
近くに住む息子さんが道祖神祭りの時に少し茅を刈りにくるそうですが、
それ以外は手付かずの状態になっているそうです。
そして、驚いたのはその面積です。
その広さは、1町1反4畝、約11,300㎡もあるそうです。

近くまで広い道路もきてますし、
土地も傾斜地ではなくほぼ平坦なので立地条件も抜群です。
さらに、昨年高山村の茅場で悩まされた倒れずに残っている古茅、
これがこの土地の茅にはほとんど見られませんでした。
これはかなりの収穫量が見込めそうです。

しかし、心配事が一つ。
この土地の隣に飼料用のとうもろこし畑が広がっているのですが、
今年、そのとうもろこし畑で5頭も熊が捕獲されたそうです。

何はともあれ、茅場も見つかり一安心。
来月から始まる茅刈りが楽しみです。

土屋 直人

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2008年10月14日 (火)

茅場を探せ! ~その2~

こんにちは、善光寺平野の稲刈りが終わり、
早くも頭の中は茅刈りにシフトチェンジされている金石です。

本日はその茅刈りと茅場の話...

昨年、初めて茅刈りをしてみてわかったこと。
それは、

1.茅は「買う」ものではなく、「刈る」ものだ
  →茅葺き屋根が高いのは、茅を買うからだということが判明。
   コストダウンするためには自分たちで刈り取るしかない。

2.茅葺き工事をするには、現状の面積では足りない
  →昨年は休耕田(畑)7~8箇所分を刈り取ったが、茅の量が足りない。
   工事に使用するには、少なくともその3倍程度の量が必要。

3.やっぱり茅刈りは楽しい
  →はっきり言って「仕事」というより「祭り」といった感じ。
   茅葺き屋根は、こういった作業も含めて楽しむものなんだと再確認。

ところが、、、

何事も物事そう上手くは運ばないもの。
初めて挑戦したプロジェクトには、失敗が付き物です。
当てが外れたというか、最大の誤算だったことは...

それはある夏の日のこと、久しぶりに茅場を訪れてみると、、、

あぁぁぁぁぁ~~~っ!!
茅場が畑になっちゃってる~っ!!!

・・・・・

いや~、さすがにこれには心が折れそうになりました...

1本ずつ古茅を選り分けて、それでも苦労して刈り取った1年目の茅。
春に火も入れて、2年目からは良質の茅が取れる環境がやっと整った矢先、
突如として茅の株たちが根こそぎ目の前から消えたのです...

1年目にして「現実の厳しさ」ってやつを突きつけられました。

茅場を作ろうとしている我々の頭の中では、
「茅刈り→野火付け→良い茅場」
だったわけですが、地主さん側からすれば、
「茅刈り→野火付け→良い畑」
だったわけです。

まぁ、考えてみれば当然の成り行きですよね?
問題は、「我々の考えが直接地主さんに届かなかったこと」にあったと思います。
じつは、この茅場(=畑)はある方の紹介で刈り取ったので、
お互いの意思疎通が上手く図れなかったんですね。
これは完全に我々に落ち度があったと、今になってそう思います。

さて、調子付いてきたかと思われた茅場プロジェクト、
もともと面積が足りなかったとはいえ、
2年目にして早くも暗礁に乗り上げつつあります。
昨年の茅場から取れる茅の量はガクンと減ってしましました...
これでは到底茅葺き工事の材料になんてできません...

どうしましょう??

・・・・・

って、やっぱり悔しいじゃないですか!

あんなに頑張って、
2年目からの収穫に期待して刈り取った茅場が、
2年目になったら見事になくなったんですよ!
いくら我々に落ち度があっても、
あんなに汗も流したし、やっぱり悔しいですよ!

これ、もう笑い話にするしかないですよね?

これを笑い話にするには、どうすればいいか?

それはもう、このプロジェクトを成功させるしかないんです!
また一から出直しです!(昨年の多大なる反省を引っさげて...)

というわけで、新しい茅場を求めて探し彷徨いました。

その結果、、、

Img_4584_2 

見つけちゃいましたぁ~っ!!
新しい茅場っ!!!!!!

詳しくは明日あたりに報告があるかもしれませんので、乞うご期待っ!

金石健太

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2008年10月 1日 (水)

フミフミ

こんにちは。今日から10月。
今年も残すところあと3ヶ月になりましたね。土屋です。

さて、上越での茅葺の葺き替え工事も終わり、
今日からは小布施に帰ってきて、こちらの仕事です。

Img_1761_2

決してモグラ叩きゲームをしている訳ではなく、
正真正銘、仕事をしている写真です。
では、何をしているところかといいますと‥

Img_1760

籾殻の搬入作業をしているところです。
籾殻を入れる内壁と外壁の間はおよそ30cm、
その隙間に上から籾殻を落とし入れ、踏み固めているのです。

先日の西山のブログで、
新しい籾殻はそれ自体ではそれほど埃はない、
とありましたが、確かに籾自体は埃っぽくないのですが、
如何せん天井裏に溜まった埃が舞い上がるために、搬出時同様、
上下ヤッケに防塵マスクというスタイルでの作業を強いられています。
こんな格好で踏み固めるために、何度も足踏みをしたり、
ジャンプをしたりするので、かなり疲れます。
どれくらい疲れるかといえば、

Img_1763_2

これくらい疲れます。
籾の香りを楽しんでいる余裕なんてさらさらありません。
壁への搬入はあと3分の1ほどですが、
その後には天井への搬入も控えています。

それでも、まん丸の顔が少しはほっそりするのではないかと、
ダイエット気分で汗を流している、
土屋 直人

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2008年9月29日 (月)

そういえば信越トレイルは籾殻のような踏み心地だった

こんにちは、西山です。

・先日の信越トレイル全線開通記念トレッキングの際、
 バックパッカーの加藤則芳さんと一緒に歩くことができました。

 近くを歩いていた際に、少しお話を伺うことができたのですが、
 その中で、アメリカには、アパラチアントレイルという、
 全長3500キロという、超ロングトレイルがあるという話を聞きました。

 
 35キロじゃないですよ。
 350キロでもなく、3500キロです。

 どのくらいの距離か、想像つきますか?

 私が2日間のトレッキングで歩いたのが約30キロですから、
 その110倍以上ということになります。

 加藤さんはそのアパラチアントレイルを、
 2005年に6ヶ月をかけて、踏破したそうです。
 (詳しくは、こちら

 毎日、30キロ、40キロというペースで歩き、
 夜はテントを張って寝て
 翌日はまた歩く、という繰り返し。
 食料なんかが尽きると、ヒッチハイクで街へ降り、
 食料と英気を補充し、
 またトレイルに戻る・・という生活をされたそうです。

 なんだか、自分の生活とはかけ離れすぎていて、
 想像するのも困難なほどでした。

 しかし、アパラチアントレイルを歩く人々は沢山いるようで、
 加藤さんのように、一気に歩く人のほかに、
 一年に少しずつ、何年もかけて踏破する人もいるそうです。

 そんななかには、80歳代の方が、30年という年月をかけ
 3500キロを歩いたということもあったそうです。

 80歳になって、トレイルを歩ける体力もすばらしいですが、
 30年かけて歩いたということは、50歳くらいのときに
 歩き始めたということですよね。

 50歳になって「よし、これから3500キロ踏破しよう」と。

 本当にすごいと思います。

 そして、30年かけて歩いたというと、すこしずつというイメージですが、
 3500÷30≒117
 というわけで、年間100キロを超えるペースで30年も歩き続けた
 ということですから、これまたすごいことです。

 
 とにかく、驚きっぱなしの状態で加藤さんのお話を伺っていました。
 ほかにも沢山興味深い話を伺ったのですが、
 アパラチアントレイルを歩いた記録を本にまとめて
 来年出版されるそうなので、そちらをお楽しみに!
 (かなりのページ数の大著になるそうです。)
 

・先日来お伝えしておりました、籾殻の搬出作業なのですが、
 搬出のほうは無事に終わりまして、数日前より
 今度は新しい籾殻を搬入し始めました。

 出した分だけ入れるわけですから、工程的には
 ちょうど折り返し地点をまわったところといった感じです。

 さて、新しい籾殻を入れるようになり、
 初めは、それまでと同じように、上下ヤッケに防塵マスク、
 コンタクトレンズをはずしてメガネという
 相変わらずの完全防備で作業をしていたのですが、
 
 ある日、コンタクトレンズをしたまま来てしまって、
 恐る恐るそのまま作業をしたことがありました。

 ・・・・・

 
 コンタクトレンズをしていると、少しの埃が入っただけで
 作業どころではなくなってしまうのですが、
 どうでしょう、
 たまにちょっと痛いかな?と思うことはあっても、
 ほとんど問題なく作業を続けられました。

 ここで気づきました。
 籾殻自体は、それほど埃っぽくないのだと。
 ただ単に、古い籾殻に長年の埃が絡まっていただけだった
 ということだと思います。

 それに気づいたとたん、防塵マスクをしているのもバカらしくなってしまい、
 はずしてしまいました。

 すると、思わぬ副産物が。

 
 新しい籾殻の、いい香りがするじゃないですか!

 マスクをしていたときにはまったく気づきませんでした。

 そんなわけで、軽装備になったのと、香りの効果によって
 作業が少しはかどるようになりました。

 つづく

昨日はやくもコタツを出した
西山哲雄
 

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2008年9月12日 (金)

ところかわれば・・

こんにちは、西山です。

引き続き上越で作業してます。
上越といっても、もとは板倉町だった場所で、
小布施からは車で一時間くらいのところですから、
そんなに遠くはないのですが、
小布施では見慣れないものが多々あります。

まず目にとまったのは、石積でした。

Img_1704
Img_1703_2
Img_1712
Img_1715

この地域の特徴なのか、
はたまたこの近隣だけのことなのか、定かではありませんが、
「ぼたもち積み」と呼ばれる石積が、このあたりには
たくさんあります。
ひとつひとつのいしを加工して組み合わせていくのは、
想像しただけで、根気のいる仕事だということがわかります。

このぼたもち積み、
小布施でも、いくつかの場所では見られるのですが、
これだけかたまってあるのは、珍しいのではないでしょうか。

手がかかっているだけあって、なかなかきれいです。 

そして、豪雪地帯ということもあってか、建物の外壁は、
板壁が一般的なようです。
Img_1705
Img_1714

こんな写真をとりながら、昼休みに周囲を散歩していたわけですが、
本日一番の収穫だったのがこちら。

Img_1707
おわかりになるでしょうか?
一見すると板壁の建物なのですが、開口部のあたりに注目です。

なかに、土蔵の窓らしきものが見えるのがわかるでしょうか?

Img_1708
近寄ってみるとこんな感じです。
明らかに、土蔵の窓です。

Img_1709
全景です。
要するに、普通の土蔵を板壁の建物でそっくり覆ってしまった
ような状態だと想像されます。
今日は時間がなくて、これ以上は調査できなかったのですが、
引き続き来週も同じ場所に来るので、追加調査をしたいと思います。

西山哲雄

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2008年9月 9日 (火)

続・籾殻計測中

こんにちは、西山です。

え~、先日より籾殻を数え始めたわけですが、
Img_1678
おさらいになりますが、
単位量あたりの籾殻の数を数えるために、
私が選択したのが、
ご覧の通り、一合桝です。

この中の籾殻の数を数えればいいわけです。

まず私が用意したのは、
2枚のコピー用紙とピンセット。

まず一枚の紙の上に桝の籾殻をあけました。
そしてその中から籾殻をひとつずつピンセットでつまみ出し、
隣に敷いたもう一枚の紙の上に並べていきました。

Img_1679
こんな感じです。

写真を見てお分かりになるかもしれませんが、
籾殻の山からピンセットで隣の紙に移す際に、
複数の籾殻を組み合わせて、
なから一粒を覆うような籾殻になるように、
組み合わせていきます。

大体半分くらいの籾殻片ならば、
同じくらいの籾殻片とペアにし、
3/4くらいのものには1/4のものを組み合わせる・・
といった具合で並べていくので、
なかなかはかどらないんですね・・。

Img_1680

しばらくやってみました。
横一列で10粒
ちょうど100粒並べたところです。

一粒ずつ並べていくのは、きれいなのですが、
ただでさえ膨大な時間がかかりそうなところに、
さらに無駄な時間を積み重ねているような気がしたので、
ここからは、ただ紙から紙へと移していくだけにしました。

Img_1682
小一時間の成果です。
言わなくてもわかると思いますが、
左から右へと、数えています。

・・・・・

籾殻数え、しばらくかかりそうです。

西山哲雄

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2008年8月26日 (火)

茅の観察日記 ~その5~

こんにちは。30分で右腕3箇所、左腕5箇所を蚊に刺された、土屋です。

さて、秋の気配もちらほら感じられるようになってきた今日この頃、
高山村の茅場にも変化があらわれていました。

100_3506

先月見に行ったときは葉っぱだけだった茅から茎が伸びて穂がつき、
こちらも秋の装いになってきていました。
葉っぱだけても茅であることには違いないのですが、
やはり穂がついてこそ茅という感じがします。
実際、屋根葺に使うのはこの穂のついた茎の部分ですからね。

これまで成長に個体差があった茅たちですが、
穂がついてまた新たな違いが出てきました。
上の写真で気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、
穂が赤いものと黄色っぽいものがあります。

100_3518

これは成長の過程で赤から黄色、もしくは黄色から赤に変化しているのか、
中間色のような穂もありました。

100_3523

帰ってきてから調べてみましたが、
「ムラサキススキ」という穂が赤褐色の品種もあるようですし、
また、出穂する時期によって穂の色が異なるというような見解もあり、
なぜ色が違うのか、結局は分かりませんでした。

さらに、生え方もよく見てみると、
横にあまり広がらず、穂の辺りまで葉がついている株と、
横に割れるように広がり、葉が下の方にしかなく、なんとなく色も薄い株、
この2種類があるような気がします。

100_3513

そんなこんなで、この茅場に生育している茅は、
どうやら1種類ではない気がしますが、
茎の断面はどれも同じでした。

100_3524

芯の部分とそれを覆う層との二層構造になっていて、
小谷の大茅と小茅と比べると、どっちとも言えない感じがします。
こうなると、この高山村の茅は一体何なんだ?
というのが、今後の課題となりそうです。

何はともあれ、来年はこの茅たちも活躍の場がありそうなので、
このまますくすくと育ってもらいたいと思います。

土屋 直人

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2008年8月22日 (金)

小姑と籾殻

こんにちは、
ソフトボールの金メダルが
我がことのようにうれしい、
元ソフトボーラー西山です。

・相変わらず、毎日大量の籾殻を袋に詰めておりますが、
 これだけ籾殻と向き合っていると、 
 自然と籾殻のことばかり考えてしまいます。

 先日のブログで、80㎥という大量の籾殻を
 いろいろな大きさに換算して、
 何杯分という計算をしてみましたが、
 たりなかったものというか、
 そもそもこれで計るべきだったのでは?
 というものを思いつきました。

 まあ、単純な疑問なんですけどね、
  この大量の籾殻は、
  いったいご飯何膳分なのだろう?
 と思ってしまったのです。

 ・・・・・

 何膳分だと思います?

 自称修景事業ブログ計算シリーズ担当としては
 どうにかして調べてみたいと思っています。

 
 

・本日、とある監査がありました。
 私は修景事業の代表として立ち会ったのですが、
 「監査」なんて聞くと、
 どうもあら探しをされるんじゃないかと思って、
 小姑のいびりに対抗する嫁
 みたいな気分でいたのですが、
 実際の監査のほうは、
 そんな重箱の隅をつつくような感じではなく、

  我々の会社のために、
  会社全体の状況を把握しつつ
  そのなかで、
  我々が気づいていないウィークポイントを探し、
  それに対する対策を検討する

 というような、かなり親身なものでした。

 変な警戒をしていた自分が情けないですが、
 監査の終盤では、ちょっとした雑談もできるほどに
 監査員のかたとも打ち解けることができました。

 しかしまぁ、監査員というのも大変な仕事らしいです。
 全国津々浦々の会社に出向き、監査をしているということで、
 毎日毎日が、移動の日々ということです。

 そんな話を聞くと、
 いろいろな場所に行くことができていいなぁ
 と思ってしまうのですが、

 移動が楽しいのも、最初の一ヶ月くらいだけ

 で、それ以降は・・・なのだとか。

 そんな話を聞きつつ、監査は無事終了したのですが、
 改めて思い返してみて、一つ気づいたことが。

 勝手な想像なのですが、
 あらを探してやろう
 というような、ある種の悪意のようなものを持って、
 小姑的立場で監査するとすれば、
 非常にくたびれるのではないかな?
 と思ったのです。

 一回や二回ならそれでいいのかもしれませんが、
 毎日毎日となると、
 そういった立場に立ち続けるのは
 労多くして功少なし
 というか、自分にとっても、
 何の得もないのかなと思います。

 それよりは、
 相手の会社を助けよう
 といった気持ちで監査したほうが、
 誰のためにもなるはずです。

 だから、監査員のかたは
 非常に親身な態度だったんだ
 と、勝手に合点がいったのでした。

 西山哲雄

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2008年7月28日 (月)

ウルシの木2

こんにちは。先日、また一つ年を重ねた、土屋です。

さて、現場のちょっとした林にあるウルシの木、
久しぶりに様子を見に行ってみました。
前回、傷をつけてみたときから変化がありました。

100_3460

傷をつけたところが、なにやら黒い塊でふさがっていました。
カッターで取り出してみると、なんだか見覚えのあるような…。
漆の容器の回りで固まっていた漆にそっくりです。

ですが、事務所に戻ってその塊をよくよく見てみると、
見ようによっては再生してきた樹皮が、
ただ干からびて真っ黒になっただけにも見えます。
私の「漆であってほしい」という願望が、
固まった漆に見せているだけかもしれません。

100_3462

何はともあれ、この黒い塊が何であるか分からないので、
再度、前回よりも深めに傷をつけてみることにしました。
やはり、白い液体がにじみ出てくるだけでしたが、
今度はもう少しこまめに観察していきたいと思います。

土屋 直人

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2008年7月14日 (月)

茅の観察日記 ~その4~

こんにちは。ここのところ、連日のように多量の汗をかく割には、
体重は一向に減っていかない、土屋です。

さて、前回の観察日記からおよそ半月。
久しぶりに茅場の様子を見に行ってみました。

100_3439

前回、驚くべき成長を遂げていた茅たちですが、
その成長は未だに続いているようです。
一つの株の大きさは高さ2m、幅2mといったところでしょうか。
また、茅以外の草の最長も止まることを知らない感じで成長し、
いよいよどこにどう株があるのか、怪しいところも出てきました。

100_3445

そんな中、群を抜いて大きかったのがこちら。
大きさが分かりにくいかも知れませんが高さ2.5m、幅4mくらいあります。
横への広がり方が半端じゃありません。
やはり、場所によって成長の仕方に差があるようです。

このまま成長し続けたら入り込めなくなるんじゃないか、
と、少し心配になってしまうほど茅たちはぐんぐん成長しております。

100_3440

さてさて、ふと山を見上げると、
麓に生えている杉は頭がツンツンと尖った、まだまだ若輩者の杉でした。
今度は少し山にも踏み入ってみようと思った、
土屋 直人

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2008年7月 9日 (水)

いざ秋田。その10

こんにちは。先日、汗をかきすぎてのぼせてしまった、土屋です。

さて、秋田の沓澤製材所さん、山形の金山町森林組合さんにお伺いし、
工場と秋田杉の林を見せてもらい、最後、天童市水戸部酒造さんでは、
実際にすべて秋田杉で作った部屋を見せてもらった、今回の秋田の旅。
今回の旅の目的であった、

なぜ秋田杉がいいのか

という疑問。これについて分かったことは次のようなことです。

・秋田杉の特徴として、厳しい気候風土の中で育つため年輪がつまっている
・節の少ない柾目のきれいな板材がとれる
・(かつては)そうした天然の大径木がたくさん伐採されていた
・また、それを補う高い製材技術があり、板材などの役物が大量に出荷されていた

要するに、年輪のつまった(収縮の少ない)きれいな柾目の板を、
大量に生産、出荷していた、ということです。
こうしたことで、「板材=秋田杉」という位に世間に浸透していたのかもしれません。

以前にも書いたように、改装を予定している部屋は自然素材を扱うデリケートな部屋で、
菌なんかも影響してきそうな部屋ですので、
その辺りに秋田杉ならではの特徴があるのかも‥、なんて思っていましたが、
正直なところ、今回その回答を得るには至りませんでした。

今回の旅で、一つ確実に言えることは、
秋田杉を見ただけでは、秋田杉の本当の良さは分からない、
ということです。なにせ、比べる指標が他にないのですから。
今後も、杉のみならず、素材への探求はしていきたいと思います。

ということで、およそ一ヶ月にわたりお伝えしてきた秋田の旅、
これにて終わりとなりますが、今回の旅で出会った人、場所や物、
すべてが刺激的で新鮮でインパクトのある、忘れられないものになりました。
今回お世話になりました皆様、本当にありがとうございました。

土屋 直人

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2008年7月 2日 (水)

いざ秋田。その9

こんにちは、
わけあって最近ばたばたしている
西山です。

金山町を後にして我々が向かったのは、
同じ山形県内の天童市。

天童市は将棋の駒の産地らしいです。
建築の分野で言えば、家具メーカーとして有名な
天童木工のある町です。
 

さて、その天童市に行ったのは、
今回我々が改装を予定している部屋と
同じ用途の部屋を見学させていただくためでした。

昨年につくられたばかりというその部屋。
板材として使われている材料は、金山杉です。
しかも赤身の柾目で無節という、
言ってみれば、金山杉の大トロが
惜しげもなく使われていました。

Img_1502_3

これがその大トロの写真です。
年輪の幅がかなり詰まっています。

壁・天井全てがこの材で仕上げられているので、
一言で言うと、すばらしく綺麗で、
その部屋に入ると、なんだか神聖な気分になるほどです。

また、
我々が懸念している、湿度差等による板材の縮み等も
ほとんどみられませんでした。

やはり、赤身の柾目を使っているということが
大きく影響しているのかもしれません。

しかも、目の詰まった、金山杉の大径木から板材が
とられていることと、
含水率を極限まで下げて(乾燥させて)
いることで、よりいっそう、収縮には強いということでした。

この部屋を見学させていただいたことで、
我々の目指す方向性がみえてきたような気がしました。

水戸部酒造の皆様、ありがとうございました。

つづく

西山哲雄

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2008年7月 1日 (火)

いざ、秋田。その8

こんにちは。先日、髪の毛を切ったら「大仏さんみたい」と言われ、
すれ違う人に拝まれたらどうしようと不安になっている、土屋です。

さて、案内していただいたのは樹齢230年の大杉が立ち並ぶ杉林。
杉林に入るや否や、片面だけが枝打ちされた木が並んでいました。

100_3329_3

これらの木は、土地の境界を示しているそうで、
この木を境に枝のない方が私有地であることを示しているそうです。
そして杉林を奥に進むと、直径7~80cmはある大径木がずらり。

100_3327_2
100_3335

秋田でも感じたことですが、杉林の中は思っていたより明るく、
下草がとてもきれいに生えています。
また、とても涼しくてなんだかすがすがしくて、
一日中でもいたいくらい、本当に気持ちがいいんです。

先ほどの境界を示す木もそうですが、
ここでもまた新たな補助線を教えていただきました。
まず、品種の見分け方です。
以前、秋田杉には播種ブレンド6種類がある、
と書いたのを覚えているでしょうか。

100_3332
100_3333

分かりにくいかもしれませんが、この写真をご覧ください。
樹皮の色や模様が違う木が混ざっているのが分かるでしょうか。
播種ブレンド6種には、すべて「~ハダ」と名前がついているように、
樹皮の色や模様によって見分けることができるそうです。
ちなみに上の写真、手前中央の木は「アミハダ」、中央奥の木は「シロハダ」、
下の写真、右側の木は「マツハダ」、左側は「アミハダ」という具合で、
種類によって、木の硬さや色合い、素性に特色があるそうです。

次に、製材することを考えた見方です。

100_3334

左側の木は根元が広がっているのに対し、右側の木は根元までシュッとしています。
この2本の木を比べると、右側の根元までシュッとした木の方が、
木目の整った素性のいい材木がとれるそうです。

この後も、いくつかの杉林を案内していただきました。
中には樹齢300年を超える大径木もあり、秋田のとき同様圧倒されっ放しでしたが、
いくつかの補助線のおかげで、杉林全体だけではなく、
一本一本の木に目を向けるようになり、杉林あるいは杉の見方が変わった気がします。

我々の手元に材木として届く杉が、どのようなところでどのように生えているのか、
そして、どのように製材され材木となるのか、今まで見えなかった部分を、
今回の旅では実際この目で見ることができ、本当に貴重な体験となりました。

さてさて、秋田~山形の旅は、もう少し続きます。

土屋 直人

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2008年6月30日 (月)

刺激臭

こんにちは、最近物忘れがひどいため、
必要な用事をメモに書き出して外出したところ、
肝心のメモを見事に事務所に置き忘れ、
結局半分の用事か済ませられなかった少々忘れっぽい金石です。

今朝は昨日からの大雨もすっかり上がり、
雨後の独特の雰囲気の中、車の窓を開けて通勤してきたのですが、
途中のとある地区の横を通りがかった時に
何やら嗅ぎ覚えのある臭いを鼻にしました。

ここではあえて「匂い」ではなく「臭い」と表現しました...
そう、あまり好ましい匂いではなかったのです。

それは突然の出来事でした。
緑あふれる山沿いの道を蛇行しながら快調に走っていると、
鼻から頭のてっぺんに突き抜けるような刺激臭が襲ってきたのです。
山からのマイナスイオンを摂取してリラックスしていたので、
完全に心の準備が追い付かなかったのでしょう。
その臭いが何であるのか気付くのに多少時間を要しました。

でも、この臭いは体に染みついています。
私はこの臭いの素の液体を飲んだこともありますから、
忘れようにも忘れることもできません...

さて、その臭いとは...

ズバリ、柿渋です。
染料や補強剤・防腐剤・防水剤として、
昔から日常的によく使われていた品です。

青柿を熟成させてできる柿渋は、
先に書いたように強烈な刺激臭を発します。
以前、実に木材などに塗って実験してみた経験がありますが、
塗ってから1~2週間はあの独特な臭いが残りました。
その後は臭いもなくなり、なんともいえないいい色合いが出てくるのですが...

この「周囲にも容赦なく振り撒かれる刺激臭」のおかげで、
現在ではなかなか使用しにくい柿渋ですが、
今朝通りがかった集落ではまだ使われていることは確かです。

まぁ、柿渋の臭いをさんざん悪く言っておりますが、
結局のところ私は柿渋好きです。
それだけに今朝の柿渋はいったい何に使われていたのか?
非常に気になるところです。

ちなみに柿渋を飲むと舌と上顎がしばらくの間くっつきます。
あまりお勧めはいたしません。

金石健太

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2008年6月27日 (金)

いざ秋田。その7

こんにちは、西山です。

ホテルを後にした我々一行。
まず、案内していただいたのは
少し前に金山杉を伐採した林です。

車を降り、少し歩くと・・

100_3317
切り倒された金山杉がみえてきました。
さらに登っていくと、

Img_1459_3
沢山の木が横になっています。
伐採した後、しばらくこのようにしておくことで、
乾燥させるとこのことです。

Img_1462_2

Img_1464
茶色くなった葉が、
大分乾燥が進んでいることを示しています。

この場所を後にし、次の場所へ向かった我々。
その途中、杉の木の見分け方を教わりました。

杉の木は、60年くらいまでは、縦に良く伸びていくのだそうです。
なので、その時期の木は、先の尖った、三角形のような樹形です。
対して、60年生を超えてくると、今度は縦よりも横方向に
成長していきます。
ですので、尖っていた先端は徐々に丸くなり、
全体としてふっくらとした樹形になるのだそうです。

100_3324
こちらの写真をご覧ください。
良く見れば、
中央から右にかけての手前の杉は、先が尖っています。
対して、奥に見える背の高い杉が、
丸みを帯びているのがわかるでしょうか?

この見分け方を教わった我々はこの後、
杉林を見るたびに、
「あの木はまだわかいなぁ~」
「大体60年ってとこだね」
などと、知ったかぶりの会話を繰り返すことになったのは
言うまでもありません。

しかし、「樹形による杉の樹齢の見分け方」という
ひとつの補助線を与えていただいただけで、
山を見る目は確実にかわるんですね。
そして、山を見ることが、おもしろくなる。
なんにも知らないで見ていれば、
「ただの杉林」で終わってしまうところですから。

この後も、我々は、新たな補助線を教えていただくことになります。
つづく

西山哲雄

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2008年6月26日 (木)

いざ秋田。その6

こんにちは。いつも、汗をかいた量より多分に水分を取ってしまう、土屋です。

さて、秋田杉に圧倒された我々が次に向かったのは、
次の目的地、金山杉の産地である山形県金山町です。

まず、お世話になった金山町森林組合さんの工場を見学させていただき、
金山杉についていろいろなお話を伺いました。

金山杉とは、秋田杉の1品種だそうです。
そして、夏場でも朝方は霧がかかり、その霧がはれる日中は気温が上がる、
そんな金山町の高温多湿、また多雨、多雪の気候が杉の生息には適しており、
杉の播種ブレンド6種がバランスよく成長しているのが特徴だそうです。
詳しくは、こちら(P2-3)をどうぞ。
杉もお米などの作物と同じように、ブレンド種があるんですね。

また、金山杉は秋田杉のような「天杉」はなく、
明治後期に大量に植林されたものがほとんどだそうですが、
江戸時代、「御判紙林」と呼ばれた造成林が今なお残っており、
植林された杉でありながら樹齢200年以上の大径木も多く残っているそうです。
詳しくは、こちらをどうぞ。

この日は、金山町についたのが夕方だったこともあり、ホテルで一泊。
そして、朝起きて外を見るとまさに森林組合の方がおっしゃっていた通りでした。

100_3313_2

これは、起きてからしばらくたって、出かける前の写真ですが、
ホテルのすぐ裏の山には、山が見えないくらいの霧がかかっていて、
9時くらいにはなくなってしまっていました。
その後、この日も30度近くまで気温が上がったものの、
そんな暑さを感じさせないくらいの一日になるのですが、
続きは、また次回。

土屋 直人

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2008年6月25日 (水)

茅の観察日記 ~その3~

こんにちは、とある事情から本日睡眠不足の金石です。
近いうちに理由が明らかになるかと思います。

さて、本日久々に高山村の茅場に足を運んでみました。

訪れるなり、我が目を疑うことに...
まず、道が狭くなっています。
道の両側から大胆にせり出した草たちのせいで、
道幅が極端に狭くなるばかりか、
車で突き進むと開け放した窓から容赦ない顔面攻撃をお見舞いされます。

で、なんだかんだで辿り着いた茅場の様子がこちら。

Img_1653_2

一面が草木で緑なうえ、
大きさを比較する対象物がないためにわかりずらいのですが、
順調に育っていた茅たちが驚くべき成長を遂げています。

Img_1654

この株で高さが約1.5m、横幅は約1.8m程度です。
実際に葉を広げて茂っている様子を目の当たりにすると、
自然に生えた茅の株同士の間隔が
なるほどうまくできていることがよくわかります。
どんなに頑張って密集させても、1㎡に1株が限界といったところでしょうか...

Img_1649

まるで花火の火の粉が垂れ落ちるかの如く丸く枝垂れた茅の葉が、
夏の到来を告げているかのようです...

金石健太

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2008年6月24日 (火)

いざ秋田。その5

こんにちは、
ここ二日ばかり、延々と釘を抜いている
西山です。

秋田での旅で、最も印象的だった言葉のひとつに

「昔は、70年生の木(秋田杉)を、草と呼んでいた」

その昔、大館をはじめとする秋田杉の産地では、
樹齢200年を超える秋田杉が、
すごい勢いで伐採された時期があったそうです。

ちなみに、樹齢200年をこえるような
天然の秋田杉のことを「天杉」と呼ぶそうです。
(天然のものを「秋田杉」、植林されたものを「秋田スギ」と呼ぶ区別もあるようです。
 くわしくはこちら。)

その量、最盛期にはなんと年間60万㎥の天杉が、
伐採・供給されていたとのことですから、
まさに一大産地だったわけです。

そんな時代に、樹齢70年の杉が、「草」と呼ばれていたわけです。
樹齢70年の杉といえば、いまではかなり立派な材ということになるでしょうが、
それが、「草」と呼ばれる時代だったわけです。
いかに大径木の天杉が、無尽蔵(と思えるほど)に、あったかというのが
お分かりいただけると思います。

私はこの一言が、かつて天杉を取り巻いていた環境を
見事に言い表している言葉に思えてなりません。

100_3283_2
天杉の林を案内していただきました。
車を降り、しばらく歩くと・・

100_3284
どうです、この迫力!
伝わりますかね?

「木だけの写真じゃ、大きさが伝わらないんだよね」
というアドバイスに従い、撮った写真がこちら↓

100_3285
どうですか?
大きさが少しはわかっていただけたでしょうか。

こんな巨大な天杉が林立する様は、
言葉では言い表せないほどです。

100_3286
Img_1429_3
特に大きい木には、このような札が立っています。
高さ50メートルというのもすごいですが、
注目すべきは、材積。
この木一本で、29㎥ですよ!
正直、29㎥がどのくらいの量なのか
実感がわきませんが・・。

しかし、さらに驚きなのが、
上で述べたように、最盛期で年間60万㎥ですから、
この巨木2万本分の量を一年間で切り出していたということです。

もはや想像すらできない量です・・。

秋田杉に圧倒された一日でした。

いままで見てきた材木は、
ほとんど「草」だったに違いない
西山哲雄

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2008年6月23日 (月)

いざ秋田。その4

こんにちは。調子に乗って冷たい牛乳を一気飲みしたら、
お腹がゴロゴロしている、土屋です。

さて、先日西山から秋田の旅の全貌が明らかにされましたが、
本日は、最初に訪れた大館町にある沓澤製材所さんについて。

まず、到着してその広大な敷地と、きれいに積まれた丸太に
圧倒されてしまいました。

100_3277

これだけの数の丸太を見たのは生まれて初めてで、
目の前に突如現れた現実離れした光景に、ただ呆然としてしまいました。
事務所でご挨拶をした後、早速、工場内を案内していただくことに。

100_3263

こちらは、場内に積まれている丸太。 
丸太の断面には丸太の直径が書かれていて、大きさごとに積まれています。
この後、皮を剥いて用途によって様々な大きさに加工していくのですが、
ほとんどの作業は機械化され、ラインが組まれています。
そんな中でも、その丸太をどのように製材するかを見定めるのは、
製品の出来に大きく左右するということで人の目に任せられているそうで、
その丸太のどの辺りに節があるか、どのような癖があり、
使用する用途に適した材にするにはどう製材するのがいいのか、
瞬時に見定めているそうです。

日本三大美林の一つに数えられる秋田杉ですが、
昔から節が少なく、柾目のきれいな板材が大量に生産されたそうです。
そして、それを支える確かな技術は現代にも受け継がれ、
今日でも板材など役物の加工技術や生産性はいまだに高いということです。

秋田杉の特徴としてもう一つ。

100_3273

この写真の木は樹齢200年を超える「天然の」秋田杉なのですが、
寒さや豪雪といった厳しい自然条件のなかで育った秋田杉は、
年輪の細かいきれいな赤身材が取れるのも特徴の一つだそうです。

ここで、あえて「天然の」と書きましたが、
その辺りについては、後日西山から詳しく説明があるかと思います。

さてさて、この沓澤製材所さんは、製材所としては珍しく、
製材だけではなく、樽や桶といった製品も手作りしており、
そちらの工房も見学させていただきました。

杉の産地の製材所、その規模の大きさと生産量の多さ、
そしてそれを支える確かな技術を感じることができました。

土屋 直人

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2008年6月19日 (木)

いざ秋田。その3

こんにちは。

二日間で1200キロを走破する旅より帰宅して、
本日より通常業務に戻った
西山です。

今回の行程は

6/16
   
    19:00 小布施
    ↓
    22:00 新潟港(フェリー泊)
    ↓
6/17 ↓
    6:00 秋田港
    ↓
    9:00 大館市
    ↓
    13:00 上小阿仁村
    ↓
    15:00 能代市
    ↓
    ↓
    18:30 金山町(泊)

6/18
    9:00 ひきつづき金山町
    ↓
    ↓
    13:00 天童市
    ↓
    (山形道)
    ↓
    (東北道)
    ↓
    (常磐道)
    ↓
    (北陸道)
    ↓
    (上信越道)
    ↓
    21:30 小布施

おおよそ、このような感じでした。
あまり余裕のないあわただしい旅だったのですが、
秋田杉と金山杉、両方の産地を巡り、

秋田県の大館市では沓澤製材所さん、
山形県の金山町では金山町森林組合さん
に、お世話になりました。
ありがとうございました!!

両方の場所で、
製材所に積まれた大きな丸太、
そしてその丸太が加工されていく様子、
さらには実際に杉林まで案内いただき、
杉の大径木が林立する様を
目に焼き付けてきました。

普段、製材された木材しかみたことのなかった私にとって、
2日間で見たものは全てが新鮮で、
丸太の話、杉林の話、天然林のこと、植林のしかた、
杉の細かい種類、昔の話・・・
普段聞くことのない、
いわば材木以前の、「木」「樹木」「林」「森」の話を聞くことができ、
とても有意義な時間を過ごすことができました。

一つ前のブログで、土屋も書いていますが、
詳しい話は、またおいおい、
整理して書いていこうと思います。

なんせ、あまりにもいろいろなことを
見聞きしてきたもので、
ちょっと整理に時間がかかりそうなもので・・。

西山哲雄

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2008年6月18日 (水)

いざ秋田。その2

こんにちは。秋田の旅から帰ってきたら、体重が2キロ増えていた、土屋です。
自転車通勤で稼いだ減量分が帳消しになってしまいました。

さて、火曜日の夜に出発となりました秋田の旅ですが、
今回、行きの秋田まではフェリーを使うことにしました。
新潟港を出発して約7時間、秋田港に到着です。
そして秋田杉の産地、秋田県北部の大館市に向けて出発。
本格的に秋田の旅が始まったわけであります。
今回の旅、秋田だけではなく秋田から山形へ東北地方を南下したのですが、
詳しい旅の内容については、しっかりと整理してから順次報告していきたいと思います。

本日は風景について。

080617_06430002_3

この旅の道中、移動の車中から目に映る景色のほとんどが果てしなく広がる田んぼ。
延徳田んぼでも広いなぁと思っていた私は、その広大さに度肝を抜かれ、
米どころのすごさを実感いたしました。
そして、写真に写りこんでいる邪魔なフレームですが、

080617_06530001_2

この写真のように道路脇にズラーっと建ち並んでいます。
せっかくの景色が台無しにしているこのフェンスらしきもの、
秋田でも山形でも田んぼが広がっているところには必ずといっていいほどあります。
気になって聞いてみると、これは地吹雪を防ぐフェンスだそうで、
これがないと目の前が見えないくらいになってしまうそうです。

長野と比べ果樹が少なく、果てしなく広がる田んぼと、
それも影響しているのか、地吹雪を防ぐためのフェンスが印象的な、
今回の旅の風景でした。

いよいよ、このあとの西山氏から秋田~山形の旅、本編です。

土屋 直人

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2008年6月16日 (月)

いざ秋田。

「秋田杉がいい」

今、某建物の一室の内装をやりかえる話をもらっているのですが、
その打ち合せの際に、お施主さん側から出た言葉です。

今はボード貼りのその部屋。
それを、昔のように、板張りにやりなおしたいというのが、
依頼内容です。

せっかくやりかえるのだから、
一番理想の状態は何か?
と伺ったところ、返ってきた答えが、
冒頭の言葉でした。

改装を予定しているその部屋というのは、かなりデリケートなもの(自然物)を
扱うところなので、
温度や調湿機能、換気や化学物質の影響など、
気を使わなくてはならない問題が、沢山あるのです。

ボードや壁紙よりも、板などの自然素材が適しているのは
言うまでもないのですが、
どうもこの種の部屋では、
昔から、秋田杉を使うのが一番といわれているようなのです。

しかし、なぜ秋田杉なのかはわかりません。
檜でなく杉、松でなく杉というような、
樹種の問題ならわかるのですが、
杉は杉でも、秋田杉。

吉野杉でもなく
屋久杉でもなく、
天竜杉でもなく、
根羽杉でもなく、
飫肥杉でもなく、
秋田杉。

という理由が、私達にはいまいちわかりませんでした。

うむむ・・・。
信州の小さな町で、いろいろ机上で考えていても
らちがあかないので、
実際に行ってみることにしました、秋田へ。

というわけで、本日の夜より、
秋田へ向けて出発しま~す。

西山哲雄

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2008年6月13日 (金)

ウルシの木

こんにちは。ここ数日、高山村の現場に自転車で通っている、土屋です。
朝から汗だく、疲労困憊です。現場が終わる頃には慣れるものでしょうか。

さて、高山村の現場の北側にはちょっとした林があります。
以前敷地境界の確認のため、その林に分け入ったときに、
設計事務所の方が、一本の木を指して「これ、ウルシの木だよ」と教えてくれました。

032_2

私は恥ずかしながら、ウルシの木を見たことがなかったので、
というより、実際言われて見てみると、見たことがあるような木で、
今まで見たことはあってもウルシの木だとは認識していなかったようです。
これがウルシの木だと分かれば、傷をつけてみたくなるのが人情です。
というわけで、少し傷をつけてみました。

031

傷をつけた直後、白い液体が少しでてきました。
これが漆だとするとかぶれてしまうので、とりあえず触りませんでしたが、
これはしばらくしたら、きっと垂れるくらい出るに違いないと思い、
放置して、3時間後。

037

なんの変化もありません。
むしろ先ほどの白い液体が乾き始めているくらいでした。

後になって少し調べてみると、
確かに木そのものはウルシの木のようですが、
漆の採取は植付け後4~7年、樹周が20cmくらいの木から行うようで、
この木はまだ若すぎるのかもしれません。
若すぎると漆が出ないかどうかがまず定かではありませんが、
とりあえず、現場をやっている間は、今後も観察していきたいと思います。

土屋 直人

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2008年5月28日 (水)

茅の観察日記 ~その2~

こんにちは。先日、道を歩いていると、
小学生の女の子2人組に話しかけられた気がして、
「ん?」と言って振り返ると、見事に目を背けられてしまった、土屋です。
どうやら、私に話しかけたわけではなかったようです。
よく考えれば当たり前です。

さて、高山村の現場に足を運んだついでに、茅場に行ってみました。
前回茅場を訪れたのは、二週間前。そのときの様子はこちら
そろそろ、修景事業のロゴマークくらいになっているかと期待していくと、

Img_4039

期待通り!茅は立派に生長し、見事な株になっていました。
株の一つを前回行って見たときと比べてみると‥

100_3207

                

Img_4040

幼稚園児が小学4年生くらいになった感じでしょうか。
そして、お気づきとは思いますが、雑草たちが驚異の成長を遂げていました。
前は野火つけあとの煤けた感じでしたが、今やその面影はほとんどありません。
火を入れたところはそれでもまだ地面が見えますが、
火を入れなかったところは、地面が見えないほどに草が生い茂っていました。

Img_4049

火を入れても根がしっかり生きている茅の強さもさることながら、
雑草の繁殖力にも驚かされます。
何はともあれ野火つけ後、茅の生長は順調な感じですが、少し気になる点も。

Img_4045

茅が生長してこない株が、ところどころに見られます。
そういうところは雑草も生えてなく、土壌に関係があるのかもしれませんが、
何が原因か調べておく必要がありそうです。
また、宿題が一つ増えました。

今日はちょうど棚田の田植えが終わったところで、
水の張られた田んぼが空を映し出していて眩しくとてもきれいでした。
遠くの山や町、棚田などいろいろな眺めが楽しめるのも、
この高山村の茅場の魅力です。

土屋 直人

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2008年5月14日 (水)

茅の観察日記 ~その1~

こんにちは、何かと崖から滑り落ちる機会が多い金石です。
先日もとあるスポーツの最中に崖から転落し、痛い思いをしました...

さて、先月、修景事業の建設業登録も無事に完了し、
外注で請負った高山村での現場もいよいよ動き始めました。
現在、工事着工前の準備作業を進めております。

まぁ、そんなわけで何かと高山村に足を運ぶ機会が
多くなってきたわけですが、、、

高山村といえば、、、
そう、「茅場」ですっ!!

先日、野焼きをして真っ黒になったあの茅場。
火を入れて約4週間経ったわけでありますが、
いったいどんな状況になっているのでしょう?

気になりますよね?
というわけで、現場に足を運んだついでに茅場を視察してきました。

不安と期待を胸に、茅場のある段々畑の脇の道路を登ると、、、

100_3204

おおぉ~っ!!

一緒に視察に行ったT君と思わず歓声を上げてしまいました。
畑の中にポツポツと点在する茅の株から、
ニョキニョキと眩いばかりの茅の新芽が伸びているではありませんか!
畑の表面が黒いので、新芽の鮮やかな緑色がとてもよく映えます。
これはこれで、なかなか壮観な眺めです。
もう少し成長すれば修景事業のロゴマークくらいになるでしょうか...

100_3205

黒焦げの株から姿を現した茅の新芽。
表面は焼けていても、根はしっかりと生きていたんですね。

ところで、他の草も同じ単年草なのに、
どうして茅は火入をしても根が生きているのでしょう?
他の植物に比べて根が深いのか?
それとも株であることが重要なのか?

新しい宿題が増えました。

金石健太

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2008年4月 4日 (金)

淡路こぼれ話

こんにちは、西山です。

本日は、淡路こぼれ話を。

 

・畑を縁取る瓦。

 Img_3869_5
 石垣ならぬ、瓦垣です。
 こんなちょっとしたところにも、
 淡路が瓦の一大産地であることを
 感じさせます。

・淡路といえば、瓦とともに有名なのが、たまねぎ。
 道をゆけば、そこかしこに、
 たまねぎの貯蔵庫「たまねぎ小屋」が見られます。
 我々も3日間で多くのたまねぎ小屋を見ましたが、
 そのなかで、ベストオブたまねぎ小屋がこちら。

 100_2941

 周りには鉄骨で作られた小屋があふれるなか、
 この小屋は木造です。
 そして屋根は瓦。
 しかも中央部分が桟瓦で、その両側が本瓦葺きという
 変わった構成になっています。

 この小屋、抜群の存在感を放っていましたが、
 すごくいい、存在感の放ち方をしていました。

 壁を原色に塗ったり、
 奇抜な形の建物にすれば、
 存在感がでるのは当たり前ですが、
 それは、ひとりよがりの存在感です。

 この小屋は、寡黙ですが、
 いぶし銀の存在感をまとっていました。

 

・山田さんの話では、
 津井では、最盛期には196基の達磨窯があったといいます。
 当時はどの窯も、数日ごとに火を入れていたということですから、
 毎日、50基以上の窯から煙があがっていたのではないでしょうか。
 それは壮大な光景だったと思います。
 
 今回の達磨窯が、津井では40年ぶりの復活ということです。
 40年ぶりに窯に火が入り、煙が上がる日は近いはずです。

・おまけ
 Img_3886_3
 淡路の観音様

 西山哲雄

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2008年4月 3日 (木)

淡路の迫力!

こんにちは。現在、鼻で息ができない、土屋です。

さて、今回の淡路の旅では、
いろいろなところに連れていっていただきましたが、
とりわけ衝撃が大きかったのが、土の採掘現場です。

瓦の一大産地である淡路島。
原料となる土がどんな風に採取されているか興味がありましたが、
いろんな職業の方が参加しているDGプロジェクト、
昨日紹介しましたように、ベト屋さんも参加されていて、
トントン拍子で採掘現場に連れて行ってもらえることになったのです。

達磨窯建設地から車で走ること数十分、
普通に民家が立ち並ぶ海沿いの通りから少し山に入ると、
そこが粘土の採掘現場でした。

100_2898
100_2891_2

とにかく広い!
下から見たときには想像もできないこんな景色が、
見渡す限りに広がっています。
どのくらい広いかって、
そんなスケール感がなくなってしまうくらいの広さです。
強いていうなら、自分がちっぽけに感じるくらい広いです。
また、自然が作り出すダイナミックな土の層にも驚きです。

100_2894
100_2895

こうした層になった土の中で、
淡路の瓦には灰色っぽい色をした層の土を使うそうです。
触ってみるとそれほど粘り気がないのに驚きました。

Img_1818

私たちが以前、粘土採取を行ったときの土がこんな感じです。
違いは一目瞭然です。
たしかに、この場所には淡路のような灰色っぽい土もありましが、
そのときは、むしろ採るのを避けるくらいでした。
この辺りは詳しく調べて、その土地にあった土を選ぶ必要がありそうです。

土屋 直人

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2008年4月 1日 (火)

DGK元年宣言

こんにちは西山です。
題名の!がそろそろ見苦しくなってきたので
自粛いたします。

花粉症発症かと思いましたが、
このところ小康状態が続いています
・・と書いていたら、くしゃみがでました。

さて、本日から新年度が始まりました。

ここで修景事業よりみなさまに
お知らせがあります。

 本日、我々は
 一つの組織を立ち上げました。

 その名は
  「達磨瓦会」
 略して
  「DGK」
 です。

 各地にわずかに現存する達磨窯、
 そして、これからできるであろう達磨窯
 達磨窯で瓦を焼く人、
 その瓦を葺く職人、
 達磨瓦を求める施主
 ・・・
 そんな人やモノを
 全国ネットワークでつないでいくことで
 達磨窯とその周辺を盛り上げていき、
 ひいては、達磨瓦によって、
 日本の風景をつくっていきたい。

 そんな野望を実現するために
 DGKを設立いたしました。

 事務局は当面、修景事業におきますが、
 全国の同志とともに、活動していきます。

 すでにDGK第一弾として、
 2007年に、群馬県の甘楽町で
 新しい達磨窯が築かれました。

 そして今年2008年、
 淡路でも「DGプロジェクト”脩”」が進んでいます。

 さらに来年2009年には
 我々の本拠地・小布施にも達磨窯が出現することでしょう。
 というか、出現させます!
 小布施達磨窯プロジェクト(ODGP)の始まりです。

 このようにして、毎年数基ずつ
 各地に達磨窯を築いていきます。

 といっても、我々が出向いていって
 窯を築くわけではありません。

 やるのは、その土地の人々。

 その土地の人が、
 みずから達磨窯を築き、
 その土地の粘土で瓦をつくり、
 達磨窯で焼く。
 そして、その土地の屋根に葺く。
 かつてそうだったように・・。

 当面の目標は、
 各都道府県に一つずつ達磨窯を築くことです。

 千葉、静岡、埼玉、・・・
 すでに各地で、達磨窯建設の声が上がっています。
 それと共に、
 達磨窯で焼かれた瓦を使いたいという
 声もたくさん、事務局には届いています。

 これは決して懐古趣味のプロジェクトではありません。

  効率、安価、均一さ、手軽、メンテナンスフリー、快適・・

 そんなことを追い求めるあまり
 置き忘れてきてしまったものが
 達磨窯にはあるのではないかと思うのです。

 修景事業の目指す、苔の生える瓦も、
 達磨窯で実現できるのではないかと、考えています。

 また、一地方の達磨窯で作った瓦を
 全国へ普及させるとか、
 達磨窯の瓦で全国シェア~%をとるとか
 そんなことは考えていません。

 地方地方で、要となるような建物に、
 その地方の、「地瓦」をのせていきたいのです。

 それが、DGKの願いであり、目標です。

 ホームページ(http://darumagawara.jp/)は現在、立ち上げ準備中です。
 各地のプロジェクトの進行具合や
 達磨窯の歴史
 達磨窯の画像・映像なども
 ご覧いただけるようになる予定です。

 また、正会員・賛助会員もあわせて募集いたします。
 こちらも詳しくはホームページで。

 それからもちろん、達磨窯をつくろうという人も!!
 プロジェクトのサポートは、DGKにて最大限させていただきます。

 なお、6月の末に設立総会を予定しております。
 詳細は後日、追って連絡いたします。

 DGK事務局
 西山哲雄

・・・
4月1日ということで、
大真面目なホラを吹いてみました。
ただし、
一部ノンフィクションであり、
その他は、今後、ノンフィクションになるはずです。

たまにはホラを吹くのもいいもんです。
書き上げるのにかなり難航しましたが・・。

昨年はどうしたのかと、
2007年のブログを見返してみたところ、
4月1日は日曜日・・。
どうりで変なプレッシャーが無かったわけです。

それでは、また。
明日はDGK@淡路の話です。

修景事業
西山哲雄

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2008年3月27日 (木)

いざっ、淡路!!!

 
こんにちは、西山です。

さっそく淡路の旅の続きを。

先週の土曜日、
小布施出発したのは午前7時
どこにも寄り道はしませんでしたが、
途中、神戸では六甲の集合住宅をさがしたり、
なぜか明石海峡で必死に渦潮をさがしたりしながら、
その道中を満喫しつつ、
一路淡路をめざしました。

事前試算では

 小布施・淡路間の距離:約550キロ
 →550÷100=5.5
 →五時間半あればつくだろう

というもくろみだったのですが、
途中で幾度か渋滞に巻き込まれたこともあって、
目的地の
最寄インターチェンジである西淡三原I.Cで
高速を降りたときには
すでに8時間近くが経過していました。

さすがにつかれた我々の目にとびこんできたのが
こちら。

100_2852

思わず車をとめ、じっくりと眺めることに。

100_2850 Img_0993_2
7万枚の瓦が積み上げられたモニュメント。
圧巻です。

帰ってきて調べたら、
この場所は「甍公園」という名前がついていることがわかりました。
その名前にふさわしく、
どこを見ても瓦だらけでした。

いきなりの瓦のお出迎えに興奮気味だった我々。
たくさんの写真が残っているので、
一挙公開いたします。

100_2836
こちらはトイレです。

100_2843
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100_2851
Img_0995

というわけで、なかなか話が進みませんが、
次回はいよいよ、目的地に到着する・・はずです!

西山哲雄

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2008年3月25日 (火)

いざっ、淡路!!

こんにちは、この休日に素晴らしい方々との出会い、
未だに興奮冷めやらぬ金石です。

正直なところ、気持ちは大変高ぶっているのですが、
睡眠不足と長距離移動で体は少々グッタリ気味であります...

というのも...
我々、修景事業の3名は、この土曜から月曜にかけて、
とあるプロジェクトに参加させてもらうため、
少しばかり遠出をしておりました。

Img_0988

途中、予期せぬ渋滞に巻き込まれながらも、
こんな橋を渡って辿り着いた先はこちらっ!

Img_1003

手前は言わずと知れた燻し瓦、
奥に広がるのは収穫を間近に控えたタマネギ畑。
んん!?

 燻し瓦+タマネギ=○○島

そう、淡路島っ!!

じゃあ、修景事業と淡路島の共通項は... 

達磨窯っ!!

行ってきました!見てきました!参加させていただきましたっ!
達磨窯プロジェクト@淡路(正式名称:DGプロジェクト「脩」)!!
肌で感じた迫力、勢い、夢!
じっくり報告していきたいと思います。

Img_1036

金石健太

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2008年3月13日 (木)

重さ。。

今晩は、西山です。

前々回のブログにも書きましたが、
一週間ほど前のこと、
私は所用のため、新潟へ行ってきました。

所用というのは何かというと、
我々、とある事情により、
大量の籾殻が必要になったんですね。
それで、その籾殻をわけていただく相談に
新潟まで行ってきたわけです。

籾殻をもらうために、なぜわざわざ新潟まで?
と思いますよね。

少しの量でしたら、近くでも手に入ると思うんです。
でも、必要な量が尋常ではないのです。

あれは、今からひと月ほど前のこと・・。
私は、必要になる籾殻の量を計算してみたのですが、
計算機のはじき出した数量は、

・・なんと80㎥。

1㎥は1メートル×1メートル×1メートルですから
80㎥は、その80倍。
そこまではわかります。

しかし、
今まで80㎥の何かを扱った経験がない私には、
その数字がどのくらいのボリュームとなるのか
想像さえできませんでした。

そこで、
ためしに、いろんなもので置き換えてみました。

東京ドーム   0.000064個分
8畳間              3部屋分   (天井高2.2メートルとして)
ミキサー車       14.5台分     (大型車1台:5.5㎥)
風呂桶           266杯分     (風呂桶1杯:300リットルとして)
ドラム缶          400本分      (ドラム缶1個:200リットル) 
牛乳パック       80.000本分
一合桝       443.481杯分        (1合:0.180391リットル)

ちなみに、80㎥の籾殻が、水だったとすると・・
牛丼        40杯分(牛丼1杯つくるのに必要な水:2000リットルとして)

すこしは想像ついたでしょうか?
結構な量なんですね。
しかも問題なのは、
その入手した80㎥の籾殻を
かなりせまい場所に入れなくてはならないということ。
一度に少量ずつしか入れられないんですね。

そしてもうひとつ。
その、かなり狭い場所には、すでに同量の籾殻が入っているんです。

つまり、かなり狭い場所に入っている80㎥の籾殻を出し、
新たに80㎥の新しい籾殻を入れるという流れなのです。

・・・
実際にやるのは、少し先の話なので、
またおいおい紹介していければと思います。

そんな楽しい仕事が先に待ち構えているわけですが、
ひとつ救いなのは、籾殻の重さ。

籾殻ってかなり軽いですよね。
しらべて見ると、その比重は0.1だとわかりました。
水が1.0ですから、水の約1/10。

先日私が格闘した、新雪がやはり0.1ですので、
新雪を扱うのとほぼかわらないということです。

再び計算です。

 水は 1g/c㎥ = 1000kg/㎥

なので

 籾殻は  1000kg/㎥×0.1=100kg/㎥

つまり

  80㎥×100kg/㎥=8000kg=8t

80㎥の籾殻は8トンということです。
ちなみに、同量の水は80トン。
コンクリートなら184トンです。

水やコンクリートに比べれば、
雲泥の差ですが、
それでも8トン・・。

計算して、自分を勇気付けようとしたのですが、
あえなく失敗しました。

気を取り直して考えれば、問題は
まあ、8トンを何分割していくかってことですよね。
8トンを持ち上げろってんじゃないわけで。

一気に1㎥運ぼうとすれば100キロですが、
牛乳パックなら、1回わずか100グラムですから!

・・ただし8万回ですが。

追伸
たった今、ものすごく刺激的な講演会から帰ってきました!
興奮さめやらぬ状態で今、これを書いていますが、
その報告は、明日以降ということで。

それでは。

トンという単位には、てんで実感のわかない
西山哲雄

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2007年12月10日 (月)

京都、滋賀の旅~その5~

続きは明日
と言ってから、
はや5日がたってしまいました。

こんにちは、西山です。

美山を探索していた我々。
その目の前を、一台のトラックが
通り過ぎていきました。

そのトラックには、
「美山」「茅葺」の文字。

茅葺職人のトラックかな?
それで思い出したのは、
30分ほど前の出来事。

美山にたどり着く途中、
といっても、そこはもうすでに美山だったのですが、
車中から、川の向こうに、
葺き替え中の茅葺民家をみつけていたのです。
(僕は運転していたため、気づかなかったんですけどね。)

これは間違いなくあの民家に向かったに違いない。
そう確信した我々は、
茅場にお邪魔したあと、
その民家へ向かいました。

P1030380
だいぶ上まで葺き上がっており、
棟付近の作業をしていました。

仕事中を邪魔するわけにもいかず、
あまり話を聞くこともできなかったのですが、
美山内の茅葺仕事だけで、
十分な仕事量があるとのこと。

地元で仕事できるということは、
すばらしいと思います。

茅葺屋根の場合、
葺き替えのあと、数十年すれば
補修が必要になりますから、
地域に職人がいて、
面倒をみてくれるのは
理想的です。

いってみれば、
かかりつけのお医者さんみたいなものです。

かかりつけは、できるだけ近いほうがいいですよね?

そんなことを思いながら、
しばらく、職人さんの作業を眺めた後、
偶然の出会いに感謝しつつ
美山を後にしました。

西山哲雄

〈美山写真あれこれ〉

P1030381 P1030382_2
屋根面の足場だけでなく、
軒下の足場も、
丸太で組まれていました。
丸太と茅葺。
とても相性が良いようです。

P1030370
火に弱い茅葺民家を守るため、
集落のあちこちに、放水銃が設置されていました。
茅葺屋根にあわせて、
入母屋の屋根付き木製箱におさめられていましたが、
僕には少し、過剰に思えました。
飾り気のない箱でも良かったのではないかなと。

P1030371
これはお見事でした。
中央付近に見える竹、
これ、設備の配管を覆っているんです。
放水銃箱にしても(良し悪しはともかく)、
この竹にしても、
こういうところに対する配慮はさすがだなと。
細かなところまで意識が届いているのを感じました。

P1030364 
伊根にひきつづき、ここでも棟に鳥が。

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2007年12月 5日 (水)

京都、滋賀の旅~その4~

ひきつづき、美山の話を
西山がお届けします。

美山を探索していた我々は、
集落の、道路と川を隔てて反対側で、
見慣れた光景を目にしました。

100_1847
これが、道路から集落を見たところです。

100_1846
そしてこれが、道路から反対側を見たところ。
対岸の、橋の左側に寄ってみると・・

P1030376
もっと寄ってみると・・

P1030377
こんな感じです。

もうお分かりかと思いますが、
川の向こうで、茅が刈られていたのです。

今日の作業を始めようと、集まってきていた人に、
話を聞くことができました。

尋ねたのは、茅の単位について。
美山では、

 稲藁で縛ることのできる大きさを、「1把(ワ)」とする。
  ↓
 それを4~5把たばねて、「1束(タバ)」とする。
  ↓
 さらにそれを16~17束たばねて、「1〆(シメ)」とする。
 (「1〆」は、4メートルの縄で胴回りを締めることができる大きさになる。)

という単位があるそうです。
そして、平均的な大きさの民家1軒の屋根を葺くのに、

 200~250〆

の茅が必要とのこと。

やはり、どこの地域でも、その地域独特の単位があったのだなあと。
ここ以外にも茅場があるそうですが、
ここでは20〆前後の茅を刈ることができるそうです。

単純計算すると・・

茅葺屋根の寿命を30年と設定します。
この茅場で、毎年20〆の茅を刈るとすれば、
30年で

 30×20=600

600〆の茅が、この茅場でできることになります。
1軒の民家に必要な茅を200〆とすれば、

 600÷200=3

つまり、この茅場で、3軒の茅葺民家を維持していくことができる
ということになります。

向かいの集落には、約40軒の茅葺民家があるようですから、
それを維持していくためには、

 40÷3=13.333・・・

約13倍の広さの茅場が必要ということになります。

P1030378
立てられた茅。
隣の金石氏が約6尺ですから、
茅は10尺くらいかと。
長くて立派な茅です。
このままここで、3月まで立てておくそうです。

茅場のとなりには竹林があって、
茅を押さえる、「オシボウ」につかうそうです。
(浄光寺薬師堂では根曲がり竹でした。)

つまり美山には、

 屋根を葺く対象(建物)があって、
 屋根を葺く材料(茅、竹)があって、
 (全量を確保することはできていませんが・・。)
 屋根を葺く人(職人)がいる。
 そして、そこに住む人がいる。

地域のなかで、うまく完結しているんです。
そのことに、とても驚き、勇気付けられ、
負けてはいられない!と思ったのでした。

・・・え?
職人の話なんて一度も出てないではないかって?

それは明日!
お楽しみに。

西山哲雄

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2007年11月 1日 (木)

茅場レポート@小谷村

こんにちは、恥ずかしながら...
高熱を出してダウンしてしまっていた金石です。
「昼食に『モツ煮込み定食』を食べると、決まって翌日高熱が出る」
という不思議な法則が思い当たるのですが、これは単なる偶然でしょうか?
事の真相を突き止めるべく、今後も果敢に『モツ煮込み定食』を注文しよう!
と密かに無駄な決意を固めております。
そんなわけでブログの順番があべこべになってしまいました、あしからず...

先日(といっても前の日曜日なのでだいぶ前になってしまいますが)、
小谷村の横を通ったので、ちょっと茅場にお邪魔させていただきました。

Pa270078

刈り取った茅を干しているところ。

この茅場には、学生の頃に手伝いをさせてもらいに足を運んでいました。
ここに来ると毎回思うのですが、
この風景こそ「文化的景観」だなぁと思うのです。

一般の方は「茅葺き」といえば「茅葺屋根の建物」を連想するかもしれません。
しかし、この場所を知っている僕らは、真っ先にこの「茅場」を連想してしまいます。
「茅葺屋根の建物」そのものも素晴らしいと思いますが、
それを支える「茅場」を地域社会の中で維持管理できることの方が
遥かに「文化的」だと思うのです。
その産物こそがこの茅場の風景なのです。

Pa270080

束ねた先端の茅の穂先がなんとも可愛らしいです。

Pa270082

上から見下ろすとこんな感じ。
刈り取ったトンガリ帽子たちが雄大な自然によく映えます。
この姿って理屈抜きに美しいですよね?
これこそ日本の文化、日本の景色ですっ!!

金石健太

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2007年10月19日 (金)

ベト屋訪問 その1

先日予告したように、ベト屋さんに行ってきました。
場所は長野市の若穂というところです。

100_1237
ベトのもととなる、土。
旧豊田村(現中野市)から持ってきているそうです。

100_1243
こちらは藁。
必需品です。

100_1239
そして砂。
今、写真館で塗っているのは、
「荒壁」というもの。
小舞をかいて、最初に塗るベトです。
仕上げには「中塗り」というベトを塗る予定ですが、
そのときに必要なのが、砂です。

下にベルトコンベアが見えるでしょうか?
その先はどうなっているかというと・・

100_1241
このようになっています。
ちょうど写真の右下あたりにさきほどの砂があって、
ベルトコンベア2台を経由して、
巨大なミキサーに投入されます。

ミキサーで土、藁、ときに砂が混ぜ合わされることによって、ベトができます。

今回はダイジェストでお送りいたしました。
詳細は、近日、その2でお伝えする予定です。

〈本日の置き屋根〉
P1030273_2
開放型。
屋根と土蔵のあいだから、向こうの空が見えるのが、
なんだか好きです。

それでは、また。
西山哲雄

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2007年10月16日 (火)

漉く

朝晩、だんだんと寒くなってきましたが
いかがお過ごしでしょうか?
西山です。

さて、写真館ではベト塗りの作業が進められていますが、
冬が来る前に、建具(外壁まわりの戸)をとりつけるべく、目下格闘中です。
壁と建具ができると、寒い冬でも室内の作業はできるだろうというもくろみです。

新しく作成する建具もありますが、
もともとの建具を活かせるところは、
修理して、また使おうと思っています。

そこで・・憶えているでしょうか?
写真館の建具に障子窓があったことを。
障子窓に必要なものといえば、障子紙!
北信濃には、障子紙として有名な内山紙があることを知った私は、
先日早速、内山紙の産地である、飯山市へ行ってきました。

訪れたのは、稲田紙店。
内山紙の販売をされているお店です。
気さくなご主人にお茶を勧められ、
ついつい長居して、内山紙のことをあれこれお聞きしました。

■内山紙の盛衰

昔(昭和30年ころ)は稲田紙店のような内山紙を扱う店が、
250軒もあり、それぞれが大量の内山紙を仕入れ、売っていたとのこと。
稲田さんのところでは、仕入れた紙で12畳間が天井まで一杯に埋まるほどの
量を扱っていたそうです。

それぞれの店がそんな調子だったでしょうから、どれだけの量が生産されていたのか、
想像が追いつきません。
しかもその大量の紙が、一枚一枚、手で漉かれていたわけですから、
職人だって、それこそたくさんいたわけです。

そして、その大量の内山紙は、長野県内や隣接する新潟県のみならず、
中には遠く仙台まで届けられていたということですから、
まさに、全国各地に内山紙が浸透していたということでしょう。

それが現在、内山紙を扱う店は数軒。
紙を漉く職人も10人を切っており、
売る紙を確保するのも一苦労という状況だそうです。

■手漉きと機械漉き

手漉きは機械漉きにくらべ、丈夫です。
その要因は、原料である楮の繊維の長さ。
機械漉きの場合、手漉きと同じ長さにすると、
漉くときに絡まってしまい、ダマができてしまうため、
短くしているそう。
手漉きでは、ダマができそうになっても、
手加減で回避できるのです。

値段は機械漉きが圧倒的に安いですが、
耐用年数をかんがえれば、どうでしょう?
手漉き内山紙は、6・7年は障子紙としてつかえるそうです。

また、手漉きの紙は、漉く人の癖がでるようで、
「紙をみて、漉いた人がわかるんだよ」
「下手な人が漉いた紙は、厚みが偏っていて、積み上げるとかたむいちゃうんだよね。
 それをごまかそうとして、交互に積んだ人もいたんだ」
なんていう話も聞きました。

こんな逸話が聞けること自体、手漉き和紙の価値なのではないだろうか?
そんなことを考えた一日でした。

今度は、手漉きの現場に行こうともくろんでいる
西山哲雄

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2007年9月27日 (木)

根曲がり竹は、笹の仲間。

本日、竹を伐採に行ってきました。

竹といっても、先日とはちがい、根曲がり竹です。
茅葺の茅を押さえる材として、1500本調達するという指令をいただいたのです。

しかし、1500本の竹を刈るのに果たしてどのくらいの時間が必要なのか、
まったくわからないまま、山へと向かいました。

P1030282_2
一緒に作業する山の達人に先導してもらい、
ついたのがここ。
外から見てもまったく竹らしいものは見えません。
なんとなく竹やぶを想像していた我々は、
面食らってしまいました。

P1030276
斜面をよじ登って入っていきます。

P1030280
内部は、根曲がり竹と、雑木と大木が入り乱れており、
なかなかの密集具合です。
このなかから、ほどよい太さでほどよい長さのものを選んで、
根元をのこぎりで切断します。

切断した竹は、余計な枝を払います。
これで一丁上がりです。

P1030290
藪のなかから放り投げられる竹を受けるひと。
キャッチする必要はまったくありません。
むしろ危険です。
しかし、見事キャッチしたときは、少しうれしいです。

P1030278
竹たち。
ひと山、50本です。
結局、一日三人で、700本程切り出せました。
あと一日で、なからにはなりそうです。

というわけで明日も引き続き、
竹をとりにいってきます。

西山哲雄

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2007年8月 8日 (水)

粘土採取 ~信濃町編~

こんにちは、栗の小径を歩いていると、
通りすがりの人に「暑いですぅ~」と風変わりな挨拶をされ
アタフタしてしまった金石です。
「本当ですねぇ~」
くらいのコメントは返すべきだったと反省しております。

さて、先日の日曜日に久々に粘土採取をしてまいりました!
冬の能登の旅ですっかり癖になってしまったあの行為です。

場所は長野県信濃町の吹野地区。
以前、車で通ったときに
地肌が見えるこの崖の存在を確認しておりました。
「なんか今の崖は粘土層っぽかったなぁ」
とそのときから気にはかけていたのですが、
今回たまたま近くを通ったもので、ちょっと寄り道してみました。

P8040098

近くに寄ってみると、やっぱり赤味を帯びた粘土層であることが判明!
白っぽい鉱物が少し混ざっていますが、指でつぶすと粘りが出ます。
早速自前のスコップ(能登のときは息子の熊手だったが、その後買い揃えた)で
不法に少量いただいてしまいました。

というわけで、この粘土は只今自宅で乾燥中。
乾燥が終わったら、ふるいにかけてビンに入れて保存します。

能登のときに採取した粘土と合わせて、
この粘土たちがどうなったか後日報告しようと思います。

金石健太

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2007年6月19日 (火)

6.サステイナブルなんて言葉がもてはやされるずっと前から・・。

こんにちは、
雨が降っているのに、樹木や草花に水遣りをしている人を
立て続けに2人目撃しました、西山です。
そういうもんでしょうか?

ひさしぶりに、茅場の話です。
昔は、刈った茅を山にして、冬の間、茅場においておいたというところまで、説明しました。
茅場で冬を越した茅は、まだ雪のある春先に、茅場から運び出されます。

トラックのない時代に、どのように茅を運搬したか?
実はソリをつかったのです。

ソリに茅を山積みにし、雪の上を最短距離で、
集落まで運びました。
道なんか関係なしで雪の上を滑らせるため、
雪があることが、とても大事だったのです。

そうして運ばれた茅を使って、いよいよ葺き替えが行われます。

新しい茅を葺く前にまず、古い茅をはぎます。
「ヤコボシ」と呼ばれるこの作業では、
はいだ茅を選別して、まだ使えるものは、新しく葺く屋根のあんこ材に使います。
残りはどうなるか。
いまなら産廃です。
しかし昔は、屋根から下ろした古い茅は、堆肥として最適とされており、
近所のひとがもらいきたそうです。

茅場で育てた茅は、秋になると刈り取られ、屋根に葺かれます。
何十年かのち、屋根材としての寿命を終えたあとは、
堆肥として田畑へ施される。
後には何も残りません。

茅を育てるといっても、茅が成長するのを手助けするくらいで、
もともとは、だだっぴろい原っぱのようなところから勝手に茅が生えてくるわけで、
何もないところから、茅という屋根材が生まれ、最後にはまた、何もなくなる。
こんなに見事で無駄のない循環ってないですよね。

おまけに茅は、毎年生えてくるので、いつも一定量を確保することができるのです。

近年、スローライフやら、ロハスやら、田舎暮らしやら、
いろいろな言葉が流行のように出回っていて、
そんな流れのなかで、一部では茅葺が見直されつつあるようですが、

茅葺屋根を本当に復活させるには、
昔あったようなおおきな循環のサイクル、
それを、今にあった形で、つなぎなおしてやる必要があるのではないかと思うのです。

そのときに、その出発点となるのは、茅場なのです。

〈本日の茅葺屋根〉
P1010369P1010371_1
わかるでしょうか?
茅葺屋根から木が生えています。
放っておけばそのうち林になりそうな勢いです。
家崩れて、林生まれる。みたいな。

西山哲雄

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2007年6月 1日 (金)

5.茅刈り

こんにちは、
坊主頭ですが、
 ハネ、広がりのないどこから見ても毛先までしなやかに流れる髪へ
と書かれたシャンプーをつかっている西山です。
おかげさまで、ハネ・広がりともに皆無です。
一番安かったから買っただけなんですけどね。

さて、今回は茅刈りです。
春にのびつけをして、
真っ黒になった茅場から生えてきた茅。
それから約半年、大きく育った茅を、いよいよ刈り取ります。

Dsc03925
良い茅は、株で生えています。

Dscn4317
茅を抱えるようにして、刈っていきます。
切るというよりも、鎌を手前に引くといった感じです。
中腰の体勢が続くため、結構しんどいです。

Dscn4318
束ねます。これが1把(わ)という単位になります。
直径20cmくらいです。
昔の平均的な大きさの家では、
屋根を全部葺き替えるのに、1万把くらい必要だったそうです。

Dscn4310
Dscn4312

6把ずつ立てていきます。
茅の乾燥のためです。
三角錐のような形でまず3把を立て、
その外側にもう3把立てます。
立てた茅は頭を縛り、茅場で1週間から10日ほど乾燥させます。

Dscn4289

Dsc03916
あちこちに茅が立てられた状態は、結構きれいです。

Dsc02897
乾燥後、茅を引き寄せます。
広い茅場のあちこちで立てられた茅を一箇所に集めます。
起伏に富んだ地形もあって、結構重労働です。

昔は集めた茅を、「にょう」といって、
山のように積んで、冬の間保管し、
春先になると、ソリで葺き替える家まで運んだそうです。
今は秋のうちにトラックに詰まれ、運ばれていきます。

〈本日の法面保護〉
P1010357
ずいぶん仰々しい溝です。
ちなみに、黒い溝の部分、
調べてみたら、ほぼ同じものの商品名が
「高密度ポリエチレン製 U字郎」
だと判明しました。
なぜだかわかりませんが、建設業界は
駄洒落の商品名が多いです。

西山哲雄

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2007年5月31日 (木)

しなやかに

こんにちは。身体測定で体重が5キロ増えていた土屋です。

先日、ある方から竹の伐採依頼が入りました。
まだ先の話ですが、せっかくなので何かに使えたらと考えています。

竹は日本でも古くから建築材料として、家具や内装材など幅広く用いられ、
構造材に竹を用いた建築も目にします。
また、使われ方や色合いによってその表情は様々です。

以前行ったところで、そんな竹が印象的なところがありました。
新井スキー場のTHE CLUBというホテルの地下にある会議場です。
普段、一般開放はされていないようで、知り合いの方が見に行くというので
ご一緒させてもらいました。

Dscn4826

Dscn4839

設計は藤森照信さん。
見上げるとこんな感じです。

Dscn4795

鳥かごの中の鳥の気分です。
奥に見える、恐竜のあばら骨のようなところはこんな感じです。

Dscn4821

骨組材に石膏のようなものが塗ってあり、
そこに炭(木炭?)が貼り付けられています。
白を基調にしたすっきりした空間ですが、素材感たっぷりの空間です。
この竹のアーチも、竹の強さとしなやかさがあればこそという感じがします。
今度伐採する竹も、こんな素材感を活かしたものに利用できたらと思います。

<本日の一枚>
卒業旅行フィレンツェ編第2回目は、思わず足を止めて見てしまうおじさんです。

Dscn8268_1

前回紹介したボーボリ庭園内の、バッカスの噴水にある彫刻です。
裸で亀にまたがり「ちょっと待った!」(?)とは、
一体、何を待てというのでしょうか。芸術は奥が深いです。
意味はよくわかりませんが、最近の私には、
「そんなに食べたら私みたいにメタボリックになっちゃうよ」
と、言っているように感じます。
高校時代のあのしなやかで強い体が懐かしいです。

土屋 直人

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2007年5月24日 (木)

4.のびつけと茅刈りのあいだ。

こんにちは、
下校途中の小学生に、
「何やってるんですか?」とたずねられた西山です。
「穴を掘っているんだ」と答えました。

今回はまず、のびつけ後の茅場の様子を追ってみます。

Dsc05511_1
のびつけ後の茅場です。

Dsc00032
のびつけ後、約一ヵ月後(6月上旬)の茅場です。

Dsc00041
小茅です。
一ヶ月でここまで大きくなります。

Dsc00046
左が小茅で、右が大茅です。
見た目ではなかなか区別しにくいですが、
こうして並んでいるのをみると、
やはり、小茅は小さく、大茅は大きいようです。
個体差はありますが、
小茅が30~50cmくらい。大茅は40~60cmくらいです。
緑も少し、大茅のほうが濃い気がします。

Dsc00054
これは雑草です。
この時点でかなり大きいです。

Img_1883
二ヶ月後(7月上旬)です。
一ヶ月で、地面もすっかりみえないほどに成長しています。
足の踏み場もないほどです。

Img_0887_1 
小茅です。
100~130cmくらいまで大きくなっています。

Img_1908
左が大茅で、右が小茅です。
切ってみると、違いがはっきりします。
小茅の茎は、中空になっているため、
屋根に葺いたときに、水はけが良く、
それが小茅の強さの要因のようです。

Img_1915
Img_1897
茅場の住人たちです。

Dsc00253
Dsc00217
8月中旬です。
穂が色づきはじめています。

Dsc00236
大茅の穂(左)と小茅の穂(右)です。
やはり大茅のほうが成長が早いようです。

Img_1655_1
9月中旬です。

Img_1653
左が小茅で右が大茅です。
穂が出てくると、違いがわかりやすいです。

P1000168
10月下旬。
黄金色に色づいた茅たち。
こうなるといよいよ、茅刈りです。

つづく

〈本日の車止め〉

P1010459
なかなかしぶい車止めです。
仕事終わりに、フォークリフトでもってくるんでしょうね。

西山哲雄

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2007年5月16日 (水)

3.のびつけ~制御された山火事

今年ののびつけは、結局5月7日月曜日の午後におこなわれました。
平日の午後ということもあって、行くことはできなかったのですが、
以前の取材をもとに、説明したいと思います。

のびつけは、漢字で書くとたぶん「野火付け」です。
字の通り、茅場に火をつけ、前年に刈り残した茅や雑草を燃やします。
余計なものを燃やすことで、茅の成長を促すわけです。
そうすると、秋に良い茅がとれます。
そしてその茅を、翌年の春、葺き替えにつかう。
そんなサイクルが、昔から続いてきました。

牧の入茅場はおよそ15町歩。
(15ヘクタールほどでしょうか。)
広大な面積に火を入れるわけで、
ひとつ間違うと、山火事の危険性があります。

ですので、山火事防止のために、火は茅場の上のほうから入れていきます。
そうすると、火はじわじわと下におりてきます。

Dscn4949_1
のびつけ前の茅場です。
後ろの山にはまだ、雪があります。

Dscn4948_1
それぞれ、分担の場所にむかっていきます。
上のほうへ行く人たちは、軽トラックです。

Dscn4990
各自持ち場へつくと、火を入れていきます。
てきとうなところで、火をつけ

Dscn4976
横にのばしていきます。

Dscn5067
あたりには、バキバキという、茅の燃える音が響きます。

Dscn5091
これで、のびつけ終了です。
一面真っ黒です。

時間にして、わずか2時間程度の出来事ですが、
この行為が、茅の成長にとっては、とても大事なのです。

Dsc00037
のびつけから一ヶ月もすると、緑一色になります。

〈本日の法面保護〉

P1010572
これだけずらずらとあると、圧巻です。

西山哲雄

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2007年5月 8日 (火)

2.小茅と大茅 ~地上では大茅がつよく、屋根では小茅がつよい。

今回は、茅のはなしです。

「茅」を広辞苑(電子辞書)でひくと、

 【茅・萱】
 屋根を葺くのに用いる草本の総称。チガヤ・スゲ・ススキなど。

とあります。
要するに、茅という植物は存在せず、
ススキやなんかが、屋根に乗ったときに茅になるわけです。
だから、茅場に生えている茅も、その時点では、茅ではないのです。
茅になるべく、育てられている草とでもいいますか・・。

茅として一番ポピュラーなのが、ススキです。
おそらく、日本全国に生えているからでしょう。
他には、葦や麦わら、稲わらなどがつかわれたようです。
ススキや葦といった植物は、刈れば来年また生えてきます。
毎年決まった量を確保できるということも、茅として大事なことかもしれません。

牧の入茅場に生えている茅は、小茅(こがや)と呼ばれています。
ススキは大茅(おおがや)と呼ばれ、ここでは屋根には葺かれません。
(ですから厳密にいうと茅ではないんですけどね。)
では、小茅とは何か?
調べてみると、ススキと同じススキ属の植物、
「オオヒゲナガカリヤスモドキ」だとわかりました。

大茅は小茅にくらべ、繁殖力が強いらしく、
小茅の茅場を維持するためには、大茅を駆除する必要があります。
繁殖力の弱いほうを育てるわけですから、手間がかかるのは当然です。

ここで、ひとつの疑問がわきます。

 なぜわざわざ、小茅を育てるのか?

簡単にいってしまうと、小茅で葺いた屋根のほうが長持ちするんです。
一般的に、ススキで葺いた屋根の寿命は、20年から30年ほどです。
それに対し、小茅の屋根は、50年から60年もつと言われています。
ですから、わざわざ手をかけて、小茅の茅場を維持してきたわけです。

同じ茅のうち、一方を絶やし、一方を育てる。
このことが、僕にはとてもおもしろく感じます。

Img_1655

9月の茅場です。
白っぽく見えるところは、大茅です。
昔は見渡す限り小茅だったとのことですが、
今は、年々大茅が増えてしまい、悩みの種になっています。

Img_1650  Img_1651

小茅の穂(左)と大茅の穂(右)です。
写真ではわかりませんが、
大茅のほうが、丈もあり、いかにも強そうです。

〈本日の法面保護〉

P1010350

前回のものと原理は同じです。
こちらのほうが、より弱そうです。

西山哲雄

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2007年4月26日 (木)

1.茅場はなぜ必要か ~草を育てるということ~

前回簡単に説明したように、茅場とは、茅を育てている場所のことです。
そして、茅=ススキといいました。

ススキは、わりとどこにでも生えてますよね。
ならば、河原や土手などに自生するススキで事足りるのでは?
と思うかもしれません。

では、なぜ茅場が存在するか?

最大の理由は、屋根を葺くのに、それっこそ大量の茅が必要だから。
少しの量であれば、自生するススキで間に合うでしょうが、
ほんとに、びっくりするくらいたくさんの茅が必要なんです。

また、詳しくは後日としますが、茅がよく育つように、手をかけてやる必要もあります。
具体的には「のびつけ」や雑草の除去などです。
茅の質は、屋根の寿命を左右しますから、これも大事なことです。

そう考えると、ある程度広さのある「茅を育てる場所」を作ってしまったほうが、
いろいろと都合がいいように思えてきます。

そういうわけで、茅場は誕生したのではないでしょうか。

前回紹介した、小谷村の茅場は「牧の入(まきのいり)茅場」と呼ばれています。
牧の入茅場は、この地区の3集落約100軒の共有茅場となっています。
ようするに、みんなのものということです。
ここでは、毎年2軒分の茅を刈り取ることができます。
つまり住民は、50年に一度、自分の家の屋根を葺き替える計算になります。
このへんの話はまた、次回・・。

Dsc02885

トラックにつまれた茅
これで数百束といったところでしょうか。
普通の民家に葺く茅は約1万束といいますから、
どのくらいの茅が必要か、おわかりになるでしょうか?

〈本日の法面保護〉

P1010363
一見、石積みのようですが、

P1010362

近くで見ると、籠に詰まった石でした。
鉄の籠の寿命が、この工法の寿命です。
石はただの中身。
いしづみといしづめ
似て非なり。

西山哲雄

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2007年4月23日 (月)

茅場のはなし その0

昨日のこと
いつもより少し早起きして向かったのは、小谷村。
目的は、茅場の「のびつけ」の取材。
一時間ほど車をとばし、道のりの半分を過ぎた頃、
電話がかかってきた。
雨が降り出したので、本日ののびつけは延期とのこと。
僕のいた場所はまだ雨は降っていなかったが、
小谷村では、さきほど降りだしたという。

今年は、暖冬の影響で雪が少なく、
例年にくらべ、早めの日程であったため、
余裕もあるのだろう。
小雨程度では、やってやれないこともないだろうが、無理はせず、
来週に延期となった。

昨年は遅れに遅れ、最後は、次の日曜まで延期できず、
次の日(月曜日)におこなわれた。
あまりに遅くなると、茅の成長に影響がでるのだろう。

そんなことを考えながら、帰った。

こんにちは、西山です。
上の文章は、なんのことやらさっぱりわからないと思いますが、
これから数回にわたり、茅場のことを書いていきたいと思います。

キーワードについて、少し説明しておきます。
「茅場」
 →簡単にいうと、茅葺屋根に使われる、茅を育てている場所のことです。
   下の写真が小谷村の茅場です。

Img_2224

「茅」
  →屋根材としてつかわれる草の総称。
   詳しくは後日としますが、ごくおおざっぱに言うと、茅=ススキです。

「のびつけ」
 →茅場を焼くことです。茅の成長を促します。

本日のところはこのへんで。
つづく。

〈本日の法面保護〉

P1010352
PCアンカー工法(セミスクエアタイプ)というらしいです。
なんだかすごく過剰に見えます。

西山哲雄

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