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2010年5月31日 (月)

アレルギーと無知

こんにちは、金槌で自分の指を強打し、
爪の中に恥ずかしい血豆ができている金石です。

木々の若葉色もすっかりみずみずしい緑に変わり、
小布施周辺の田圃には、次々と水が張られています。
そう、田植えシーズンの到来です。

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何を隠そうこの私、
今シーズンから親類の稲作を手伝っているため、
田圃を眺める目が例年とはちょっと違います。
ド素人ながらに、アレコレ観察しているのですが、
今までの稲作に関する己の無知さを
今更ながらに痛感しているのであります。

そもそも、実家が農家であるわけでもなく、
農業を勉強したことがあるわけでもなく、
仕事だって建設業ときている私には、
稲作に関する知識などインプットされるわけもなく...

ただ毎日食している「米」と
茅葺きや左官工事で使用する「藁」だけで
稲作をなんとなく身近に感じ、
なんとなく知っている風で日々を過ごしてきました。
そんな私が、田園風景なるものに対し、
偉そうに意見していたのですから恥ずかしい限りです。

で、何を長々と言い訳がましいことを言っているのかというと、
稲作に対する多少の知識を得ることで
ものの見方が変わったのです。
具体的には「ビニールハウス」、
これの見方がだいぶ変わりました。

私は田園風景の中のビニールハウスに
少なからず嫌悪感を持っていました。
(「少なからず」は時として「大いに」になる始末...)
周囲の素材感から逸脱した人工的なあの表情に、
「醜い」「汚い」「邪魔」...とアレルギー反応を示していたのです。

ところが、、、
先日、こんな景色が私の目に飛び込んできました。

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ビニールハウスの中で田植えを待つ苗。
あつかましくお願いして中へ入れさせてもらうと...

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生命感溢れた緑が非常に印象的でした。

農業従事者にとっては当たり前の光景なのでしょうが、
農業ド素人の私にとっては、
これはまさに目から鱗の光景。
稲の苗ってビニールハウス育ちなんだ...
それにまさかのこの美しい風景...

そうか、あの美しい田園風景を支えているのは、
私が忌み嫌っていた「ビニールハウス」だったのか!
この事実を知ってからというものの、
ビニールハウスに対するアレルギーはやや治まりました。

ちょっと見方を変えてみます。
ひょっとしてアレルギーの原因は「無知」なのでは?
そんな風にも思うのです。

あの薄いビニールの皮ひとつ隔てた内側の出来事は、
なかなか情報として私達の中に入ってきません。
それが故に、過剰なアレルギーを呼び起こすのでは...
また新しい発見です。

ただし...
ビニールハウスの「素材感」に対するアレルギーは
未だに治りません。
これは治さずにこれからも付き合っていくつもりです。

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日本の農業は美しいと思う
金石健太

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2010年5月27日 (木)

達磨窯@小布施 作業報告 ~その12~

こんにちは。最近、目覚ましが鳴る前に起きてしまう、土屋です。

さて、作業は燃焼室の屋根と平行して、
焼成室のアーチを日干し煉瓦で積む工程を行っていきます。
まずは、アーチを積むための下地をつくっていきます。

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壁にアーチの型に切ったパネルを当てつけ、
その形なりに壁を積上げていきます。

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上まで積上がった状態がこちら。
横から見るとほぼ完成型です。
窯の中央部分のスリット状の部分は「戸口」といい、
ここから窯の中に瓦の出し入れをします。

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壁に当てつけたパネルの上に板を打ちつけ、
燃焼室をスッポリ覆います。
これでアーチの下地が完成。
次回はいよいよ、日干し煉瓦を積んでいきます。

土屋 直人

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2010年5月26日 (水)

茅場@小布施プロジェクト実験編 ~その1~

こんにちは、生まれて初めて砥石を買った金石です。

昨日の話ですが、、、
小布施に新しい茅場をつくるべく、
実験的に茅の移植をしてみました。

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場所は毎年茅を刈り取っている高山村の茅場です。
この時期の茅場の写真は、
茅と周囲の植物との見分けが困難で困りものです。
ちなみに写真の手前中央が茅の株です。

方法はいたって簡単。
株の根元をスコップで掘り起こして、
その株をエイッと適度な大きさに切るだけ。

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剣スコップを思いっきり踏んで、
株の根元を分けていきます。
茅の地下茎は思ったよりも頑丈で、
しばらく続けると足の裏が悲鳴を上げてしまうくらいです。
さすがは茅、野火付けをしてもまた生えてくるのは
この地下茎のおかげでしょう。

この作業、うまいコツがあるのかもしれませんが、
今回は数も少ないので得意の「力任せ」作業で乗り切りました。

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こちらが適度な大きさに分けた株。
正直、茅の生育にとって「適度」かは定かではありません。
ここで言う「適度」は、
持ち運び行為に対して「適度」という
なんともわがままな基準です。

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茅の株を荷台に載せたトラック。
ちょうど今の時期、
田植え用に苗を満載したトラックをよく目にしますが、
それに比べるとなにやら無骨な様子です。

荷台が一杯になったところで、
茅の葉をなびかせたトラックは
小布施町内のとある河川敷に移動。

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ここが実験地。景色の良さは茅場にも劣りません。
砂地の土を掘り起こして、、、

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株を植えれば移植完了。

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1mの間隔を空けて約50株の茅を移植しました。
この土地でうまく成長してくれることを願ってやみません。
今後の成長をお楽しみに...

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金石健太

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2010年5月25日 (火)

タイトルに恋して

こんにちは、にしやまです。

先日、本をタイトル買いしました。
タイトルに惹かれて本を買ったのは、初めての経験でした。

タイトルを見て、書かれている内容を想像し、
ほとんど中身を見ずに買うことはたまにありますが、
この本は、そういうのとは違い、
タイトルそのものに心を打たれたというか、

 中身に何が書いてあろうが、
 このタイトルの本を買いたい。

と思ったのです。

で、実際にその本を購入したわけですが、
実は、
本と出合ってから購入に至るまで、
2~3年ほどのタイムラグがありました。

つまり、初対面では購入に至らなかったわけであります。

本との出合いはタイミングが大事で、
一度逃すとその後見かけても、なかなかどうして、
他の本を買ったりしてしまったりして、
そうこうしているうちに、店頭からなくなってしまう・・。
なんてことが、私の身にはよくおこります。

この本もそのような過程を経たのですが・・
ありがたいことに文庫化されたことで
再び店頭でお目にかかることができたのです。
文庫というお買い求め安い価格も手伝い、
やっとこの本は、私の手元に来たのでした。

文庫化によって、表紙が変わってしまったのは
すこし残念でしたが、なにはともあれ、
無事に、タイトル買いできました。

内容はというと・・・タイトルに負けず劣らず秀逸です。

ぜひ。
タイトルは

 『全ての装備を知恵に置き換えること』

です。著者は石川直樹さん。

現代が全ての知恵を装備に置き換えることに終始している
と感じるのは私だけでしょうか?

西山哲雄

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2010年5月24日 (月)

達磨窯@小布施 作業報告 ~その11~

こんにちは。達磨窯が一段落してからというもの、
日に日に体が重くなっていく、土屋です。

さて、焚き口のアーチを積み終えると、
いよいよ燃焼室の屋根を架けていく工程になります。

「屋根のカーブはセンスで」

という、なんともアバウトなメモと写真だけが頼りでしたが、
前回お伝えしたようにバッチリ実測をさせていただいたので、
何の不安もなくこの工程に入ることができました。

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実測してきた寸法を参考に屋根がせり出し始める位置を出し、
まずは5cmほど瓦をせり出させます。
このとき、耐火煉瓦で積上げた肌の上からも、
燃焼室側に瓦をせり出させておきます。

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4~5寸くらいずつ瓦をせり出していくのですが、
先端に縄をかけて瓦が落ちないように固定していきます。
この縄をかけながら瓦をせり出していくのが、
一番難しい工程になりそうだと思っていましたが、
思いのほか順調に進めることができました。

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このあたりまで来ると、日に日に窯らしくなってきて、
一日ごとの達成感が今までの比じゃありませんでした。

土の水の引き具合を見ながらせり出していく間に、
焼成室の壁も積上げていき、
焼成室の屋根のアーチを積む工程も平行して行っていきます。

つづく

土屋 直人

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2010年5月21日 (金)

達磨窯@小布施 作業報告 ~その10~

こんにちは、ホッチキスと爪切りを間違えた金石です。
皆さん御承知かとは思いますが、
爪切りで書類は束ねられませんので、
くれぐれも御注意ください。

さて、達磨窯の事後報告。
日付は4/23(金)です。

この日はしばらく前からずっと楽しみにしていた
焚口のアーチを積む工程です。
アーチ構造のものは今まで何度か目にしてきましたが、
自分でつくるというのは以外なことに初体験です。
近そうで遠いアーチ構造、うまくいくでしょうか?

方法はいたってシンプル。

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木型を所定の位置にセットして、
あらかじめ斜めにカットした耐火煉瓦を
木型に沿って積んでいきます。
ちなみにこの木型は
甘楽町の達磨窯調査の際に譲っていただいたものです。

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キーストーンとなる頂点の耐火煉瓦を入れれば完成。
この瞬間、初めて構造として成り立ちます。
理論上はもう木型を外してもいいはずですが、
ここは慎重になって、目地の水分が引いてから外しました。

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緊張の一瞬。

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至福の表情。

写真では「おぉ・・・」くらいの歓喜ですが、
実際は「うおぉぉぉぉ~~っ!!」くらいな
奇声を発していたような記憶があります。

それにしても、アーチ構造の達成感たるや
想像を絶するものがありました。
大地が起き上がってくるとでもいうような...
柱梁で建物が建つのとはまた違った種類の喜びです。

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アーチの中から反対のアーチが見えます。

耐火煉瓦を積んだだけなのでまだ線が細く、
見た目の安定感に乏しいのですが、
立派にアーチを描いているから不思議なものです。

ひょっとしたらアーチ構造独特の喜びは、
この見た目の不安定さから来ているのかもしれません...

すっかりアーチ構造の虜になった
金石健太

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2010年5月20日 (木)

・随分と前に、『便器と携帯電話』と題したブログで
 トイレの進化について、以下のように書きました。

   トイレに入ると、自動で音楽が流れ、
   便器の前に立つと、ふたが開き、便器が光をはなつ。
   そして、脱臭が始まり、いい香りもしてくる。
   事を終え、便器を離れると自動洗浄。
   ふたも勝手に閉じる。

 書いたものの、実際にこのようなトイレに遭遇したことは
 なかったのですが、
 先日のこと、ついに出会うことができました。
 そのトイレは、
 上にあげた機能はもちろんのこと、
 さらに、「除菌イオン」機能もついたりして、
 カタログの機能一覧表をみるとそこには
 なんと28もの機能が記されていました。

 機能が多いことには改めてびっくりしたのですが、
 ひとつ、関心した機能がありました。

 それは、

  洗浄音がすごく小さい

 ということ。

 イオンとかは正直よくわかりませんが、
 こういう進化は大いに賛成です。

 何というか、

  こんな上品な音で、しっかりと流れるんだろうか?

 と老婆心ながら思うほど、お上品な音で流れるのです。
 こういう必要な機能は、どんどん進化してもらいたいものです。

・少しまえに

  ハイブリットカーの音が静か過ぎて問題になる

 ということがありました。
 実際ににそういった車に遭遇すると、
 本当に静かでびっくりしてしまいます。

 問題になったように、近づく車に気づきにくいという
 デメリットはありますが、
 車もきっと、どんどん静かになっていくでしょう。

 電気自動車になればなおさら・・。

前にも書きましたが、結局のところ
 人間ほど静かに作動する動力は無い気がしています。

西山哲雄

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2010年5月19日 (水)

達磨窯@小布施 作業報告 ~その9~

こんにちは。先日の金石と共犯の土屋です。

さて、久々の達磨窯レポート、
前回はいよいよ燃焼室の屋根をかけていくところまで、
早足で報告させていただきましたが、
時間をもう少し遡っての報告からにしたいと思います。

以前のブログで、
群馬県甘楽町から「達磨窯実行委員会」の方々が
我々の達磨窯工事の様子を見に来てくださった際、
燃焼室の屋根のカーブが窯の温度上昇において重要であることを知り、
甘楽町に伺わせていただくことになった、お伝えしましたが、
翌週末、早速行って参りました。

この旅では、甘楽町の達磨窯以外にも、
いくつか回らせていただき収穫の多い旅になりましたが、
まずは、達磨窯の実測のご報告。

甘楽町に訪れるのは火入れ式以来になりますが、
達磨窯もその周囲もだいぶ使用感がでていました。

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さっそく燃焼室の屋根のカーブや煙突周りなど、
これからの要所となる部分の寸法を実測させていただきました。

Img_43582
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ほかにも必要な道具の採寸をしたり、
どこにどのように亀裂が入るかなど見ることができ、
また、きれいに仕上るべきところとそうでもないところも分かり、
今後の作業に役立てることができそうです。

土屋 直人

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2010年5月18日 (火)

言い訳

おひさしぶりです。
ブログの更新を堂々とサボり続けていた金石です。

振り返ってみると、前回の更新は4/13でした。
およそ1ヶ月もの間サボり続けて何をしていたかというと、
一心不乱に達磨窯をつくっておりました。

一日の作業を終えてから事務所に戻り、
ちょっとした事務仕事をするとだいたい夜の8時過ぎ。
空腹に耐えかねてブログを更新しないままに
そそくさと帰宅する日々を送っていたのです。

で、結論から言いますと、
昨日の西山のブログにもあったとおり、
達磨窯が一応の形になりました。
無論、使える窯にする為には
まだまだ作業が山積みですが、
それでも燃焼室、焼成室とそれぞれの空間ができたのですから、
気持ち的には一区切りつきました。

本来ならば、怒涛の窯づくりをライブで報告すべきでしたが、
こればかりはもう「後の祭り」。
実際の時の経過に比べてやや早足にはなりますが、
少しずつ事後報告を重ねていきたいと思います。

「そんな言い訳はどうでもいいから、早く事後報告しろよ!」
なんて声があちらこちらから聞こえてきそうですが、
今日のところは言い訳に終始して、
明日から達磨窯づくりをレポートしていきます!

あしからず...

金石健太

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2010年5月17日 (月)

達磨窯のレシピ

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粘土

Photo_3
Photo_4
瓦とシャモット(シャモットは瓦を砕いたもの)

Photo_5
Photo_6
藁と縄(縄も藁からできている)

Photo_7
耐火煉瓦

Photo_8
日干し煉瓦
(粘土とシャモットとワラでできている)

材料はほぼこれだけ。
(そうそう、水も必要です。)
以上のものによりまして・・・・

(二ヵ月後)

001_3
達磨窯の(一応の)完成!

002
こちらのほうがわかりやすいかな?
(窯以外の色目がおかしいのはお気になさらず・・。)

これでようやく地瓦づくりのスタートラインに立てそうな我々です。
なにはともあれ、これで小布施に達磨窯ができてしまったので、
あとは焼くだけ!!

エイプリルフールの「DGK元年宣言」からはや2年。

2007年甘楽
2008年淡路
・・・・
2010年小布施

3年連続とはいきませんでしたが、
小布施に(本当に)達磨窯ができました。

西山哲雄

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2010年5月 7日 (金)

小布施ッション 106 唐木さち

こんにちは、にしやまです。

先日の小布施ッションは講師に花人・唐木さちさんを迎え
盛大に開催されました。

そして今回はなんと、特別ゲストとして唐木さんのお花に
大変な感銘を受けられたという片岡鶴太郎氏が
サプライズ登場され、会場はおおいに盛り上がりました。

講演は後半、対談形式で進みました。

唐木さんの発する一言に、鶴太郎さんが言葉を沿え、
鶴太郎さんの言葉によって、唐木さんのお花の世界が
よりいっそう鮮明なものとして、聴衆に伝わる。

それにしても、鶴太郎さんの感性のなんと細やかなことか。
花と向き合う唐木さんのささいな仕草も見逃さず、
それを適切な言葉に置き換え、表現していく。
その力は本当にすごいなと、感銘を受けました。

パーティー会場は唐木さんの生けられたお花で彩られ、
過去最多ではないかという参加者のあった
5月の小布施ッションは、大盛況のうちに幕を閉じました。

Photo
花つながりで。
達磨窯をつくるために穴を掘った時に
窯場の片隅に盛った残土から、
名の有る草が生え、花が咲いた。
なんとものどかな風景。

西山哲雄

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