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2009年5月19日 (火)

廃番 

こんにちは、西山です。
突然ですが、
粘土が廃番になってしまうって知ってました?

・少し前にこのブログで「ロングライフ建築」と題して
 
  この世から土がなくならない限り、壁土はなくならない

  だから土壁は、いつまでも修繕することができる

 というようなことを書きましたが、
 それと時を同じくして、
 ある陶芸家のかたと話す機会がありました。

 
 我々もこれから瓦という焼き物を焼こうという身ですので、
 質問することといえばおのずと、
 材料となる粘土の産出場所や窯の種類、
 焼成方法など・・になるわけです。
 
 
 そんな会話のなかで、そのかたがおっしゃっていたのは、
 
  (陶芸用の)粘土が廃番になってしまう

 ということでした。

 陶器の場合、壁土とはちがって、
 どんな土でも成立するというわけではないので、
 粘土が商品として取引されることはごく自然の流れだと
 思いますし、その様な状況は知っていたのですが、
 
  粘土が廃番になってしまう

 ということは、思ってもみませんでした。また、

  「粘土」

 という響きと、

  「廃番」

 という響きの組み合わせに、
 書籍やCDと粘土が同列に扱われているようで、
 かなりの違和感を感じました。

・廃番粘土の話に違和感を感じたのは、
 茅葺きの工事に関わるようになり、
 茅が商品として扱われる様を見てきたからかもしれません。

 茅に限らず、一昔前までの家は
 身近にある材料を利用して作られていたので、
 そこには、「商品」「流通」「廃番」・・なんていう言葉は
 存在しなかったはずです。

 材料は、そこらにあるわけで、「廃番」になんかなりっこないし、
 自分で調達すればいいだけの話ですから。

 それに対し
 現代の家づくりは、よくもわるくも、「商品」ありきだと感じます。
 自分たちで材料をそろえるかわりにそれが、
 商品としてやってくる。

 「商品」を組み合わせて家がつくられる。

 「商品」に頼る以上、「廃盤」の可能性は常にあるわけで、
 「廃番」というかたちで材料や部品の供給を絶たれてしまえば、
 増改築や修繕の際に、困ることは目に見えています。

 
 長持ちする家をつくるには、

  できるだけ「商品」にたよらないこと

  「商品」が「廃番」になる可能性を見越し、代替品での対応を
  可能にしておくこと

 そんなことが大事なんではないかと思うのですが、
 どうでしょう?

西山哲雄

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