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2009年4月 9日 (木)

km

・前回の小布施ッションで、川添先生は、
 
  文化は場所におこるもので、
  そこに人が介在することは許されるが、
  文明は場所によらないもので、
  人の介在を許さないものだ。

  そして我々は、文化を創っていかなくてはならない

 というようなことをおっしゃっていました。

 文化と文明の違いは、
 他にもいろいろあるのかもしれませんが、
 川添先生の説明に則るならば、ここ数十年我々は
 「文明」を創るため、発展させるためばかりに躍起になって、
 文化というものを、
 かなりおざなりにしてきたのかもしれません。
 
 我々がこの小布施という土地で、
 この地の粘土を使い、達磨窯という土の窯で、
 この地に葺く瓦を焼こうとしていることは、
 間違いなく「文化」をおこすとだと思います。

 
 「文明」という、
 ある種の洗練されたものとは程遠いかもしれませんが、
 我々は泥まみれ汗まみれになって、
 瓦を焼いていこうと思います。

 

・旅先で、いくつかの「窯」関係のものに出会いました。

 001_2
 004

 こちらは京都の河井寛次郎記念館にある、登り窯です。
 
 「この窯は五条坂によく見られた、何軒かで使用する共同窯
  で、寛次郎氏は高温度で還元焼成できる下から2つ目の
  室をもっぱら使っておられた」
 (河井寛次郎記念館編『河井寛次郎の宇宙』講談社、23頁)

  とのことです。

 共同窯ってなんだかいいですね。
 窯焚きのときなんか、たくさん人が集まりそうで、
 なんだかたのしそうです。

 お気に入りの焼成室のとりあい
 なんてことにならなかったのでしょうか。
 
 
 
 002
 003

 こちらは同じ敷地内にある素焼き窯。
 なんともかわいらしい風貌をしています。

 001_4
 ところかわりこちらは加賀。
 建物の前のおおきな茅が気になりますが、
 お目当てのものは黒い建物の中にあります。

 002_2
 建物内部です。下のほうに見えるのは
 発掘された久谷焼の窯跡です。
 
 ここにもかつて、河井寛次郎記念館にあったような
 登り窯が築かれていたということです。

 この窯跡の覆屋は内藤廣先生による設計で、
 内藤先生は、この覆屋に対し、

  これらの建物は、敷地に流れる目に見えない時間を
  なんとか過去から未来へつなげようとしている。
  (中略)時間は場所に堆積する。
  失われつつある時間を建築の中に再創造すること、
  それが、今の建築に課せられた大きな課題なのだと思う。
  つまらなくて価値のあるもの、価値とは時間のことだ。
 
  (加賀市教育委員会発行
   『九谷焼窯跡展示館展示解説図録』2頁)

 という言葉を残されています。

  つまらなくて価値のあるもの

 まさにその言葉がふさわしい、すばらしい建物でした。

西山哲雄

 
 

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