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2009年4月17日 (金)

土地から生えるもの

こんにちは、西山です。

川添先生の話を聞いてから数日後、
偶然読んでいた本の、こんな一節と出会いました。

 「文化」とは売り買いできないもの(輸入、輸出ができない)。
 「文明」というのは、売り買いできる(輸入、輸出ができる)

 
これは『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』
(新潮文庫、46頁)からの引用ですが、この一節は
大野晋さんの『角川必携国語辞典』から引用されていた
部分だったので、引用の引用ということになります。
(本当は原本に当たるべきところではありますが、
 今回は間に合いませんでした。申し訳ありません。)

さすが辞書。といってしまえばそれまでですが、
この定義はすばらしく明快です。

また、川添先生の
 
 文化は場所におこるもので、
 そこに人が介在することは許されるが、
 文明は場所によらないもので、
 人の介在を許さないものだ。

という説明とも重なる部分が多いように思います。

やはり、文化とは土地から生まれるもので、
それを土地と切り離して考えることはできないという
ことだと思います。

そして、土地と切り離せないからこそ、
輸入や輸出ができないわけですね。

住宅を例に「文化」と「文明」のことを考えてみると、
地方地方で、その土地の気候風土に合わせて、
その土地の材料でつくられていた「民家」は、
まちがいなく、「文化」だと思います。
(これらは今、「古民家」と呼ばれることが多いです。)

一方、全国どこでも、さらには世界中どこででも
同じような家を建てていくことは、「文明」と呼ぶほうが
適当に思えます。

 ・・・・・・
 
さて、では「古民家」を別の土地に解体移築したとしたら、
それは「文化」的行為なのか「文明」的行為なのか・・。

例えば、海外に移築ということになれば、
それを「文化」と呼ぶことは難しいでしょう。
 
反対に、すぐ隣の敷地に移すだけなら、
「文化」的行為とみなしてもさほど問題は無いと思います。

では、両者の境目はいったいどこなのか?

そしてそれは、物理的距離の問題なのか、
それとも別の尺度があるのか・・。

 
前にも同じようなことを書きましたが、
そのあたりのことを考え続けていくことが、
今後、自分にとっては大切なことのような気がします。

西山哲雄

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