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2008年12月 4日 (木)

茅刈り@木島平~番外編その2~

こんにちは、西山です。

前々回のつづきです。

商品化され、広い地域に供給される茅の現状に対して、
以前私は

 茅の単位を一つにまとめていかなければ、いけないな。

と思っていたのです。

というのも、茅の単位が地域ごとに異なっていると、
その地域を越えて、茅を移動する時に
単位を換算する必要が出てくるんですね。

 AからBへ茅をもってくるときは、
 Aの茅7把をBの1〆に換算して、
 BからCは
 Bの1〆がCの3束で、
 CからAへは・・・・

というような感じになってしまうわけです。

これを例えば、

 根元まわりで直径25センチを1把とする。
 6把を1束とする。
 6束を1〆とする。

と全国一律で決めてしまえば、
茅の流通がスムーズにいきますし、

 このくらいの大きさの家だったら~〆で葺き替えられる

ということが、明確にわかるようになるわけです。

・・・・・・

というわけで、
茅の単位体系を整えることで、茅葺の未来が開ける
と信じて疑ってなかった私ですが、

先日の
「茅刈りシェイプアップ知的生産術2008@木島平」
でこの考えに疑問をもつようになりました。

というのも、一言で「茅葺」といっても
その言葉が示すものには、
多様な茅葺があるのではないかと。

まず、「茅」という言葉が特定の植物をささず、
屋根に葺かれる草の総称であるように、
地域や様々な事情により、
多様な材料によって、「茅葺」は作られます。

そして、気候や材料の違いなどにより、
屋根の形も変わるので、
当然、その葺き方(技術)も地域により変わります。
要するに、技術の多様性です。

つまり、
多様な材料と、多様な気候風土、
そしてそれに合わせた多様な技術、
その組み合わせによって、
地域ごとに、その場所に最適な「茅葺屋根」が葺かれて
いたわけです。

小谷村の牧の入茅場では、
「把」と「束(6把で1束)」という単位が昔から使われている
のですが、茅を一把分刈ってそれを束ねるときに、
刈った茅の中から数本を取り出し、
根元の硬い部分を切り落としたもので、
束ねていました。

このことはつまり、
ここでは、束ねるのに使われる茅の長さが、
「1把」という大きさを規定していたと
考えられるのではないかと。

そしてこの「1把」という大きさを基本に
屋根を葺く技術が確立されており、
それによって、この地域に最適な茅葺屋根が葺かれる
わけです。

これは一例に過ぎませんが、
何が言いたいのかといいますと、

地域や様々な事情により
「最適な茅葺屋根」は変化するのに、
その「最適な茅葺屋根」と密接な関係にあるはずの
茅材料を全国一律のものにしてしまって
いいのかと。

今は地域ごとに残る茅葺屋根もわずかで、
茅場も数えるほどしかなく、
職人も少なく各地を飛び回っている
というのが現状だと思いますが、

やっぱり地域で茅葺を維持していくシステムを
再構築することが必要だな~と

そんなことを、
「サクッザクッザクッ」と茅を刈りながら
思ったわけです。

西山哲雄

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