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2008年11月19日 (水)

茅刈り@木島平~その5~

こんにちは、毎日おいしい昼食にありついている
西山です。

前回のブログで、

茅刈りはご飯が進む

ということを書きました。
また、昨日のブログでも金石氏が昼食ネタを取り上げて
いましたが、その中にもあったように、
茅刈りで目一杯体を動かした後は本当に食が進みます。

普段は到底食べることのできない量を平らげますし、
それだけ食べでも、午後また茅を刈れば
夜にはちゃんとお腹がすいてくるのです。

食欲、とどまるところを知らず・・。

さてさて、今年の茅刈りを始めたのと時を同じくして、
私は一冊の本を読み始めました。

その本は、
『茅葺きの文化と伝統』(菅野康二、歴史春秋社)
です。

著者の長年にわたる調査研究の成果をまとめた本
で、主に会津地方のことが中心となってはいますが、
茅葺屋根の構造や葺き方はもちろんのこと、
茅葺職人の生活や出稼ぎの実態、
はては、未来の茅葺への提言まで、
茅葺と茅葺を支えた地域社会のしくみについて
網羅された大著です。
なんと650頁もあります。

もちろん、茅場や茅刈りについても書かれていて
学生の時に一度読んではいたのですが、
今回改めて読み返してみて、たくさんの発見がありました。

そのなかでも、一番タイムリーで、一番びっくりしたのが、
茅刈り時のご飯についての記述でした。

以下、該当箇所を引用します。

 茅刈りは朝早い内からの労働で、部落行事の中では最
 大の重労働であった。そのため茅刈りを依頼した施主の
 家や部落では特別なご馳走を作り、最大級の待遇をし
 た。その際特別に用意した特大の昼食を「茅刈焼き飯」
 と言っていた部落が多いので、(中略)以下茅刈焼き飯
 とした。

 郡山市湖南町では、(中略)約600匁の米を炊いた熱い
 ご飯をさらし布の袋に入れ、板の上で揉み、半練り状態
 にして取り出し、藁で作った「つとこ」に入れた。おかずと
 して泥鰌や鮒、きのこ、野菜等を煮染めて、小さいつとこ
 に入れた。茅刈り人に大・小のつとこを渡した。

 (中略)

 東白川郡矢祭町大□(□は土偏に共)では、朝二時に
 施主に集まるので、施主では「イッソウ飯」(一升飯)を
 出し、それを食べてから松明を持って茅場に向かった。
 朝七時頃つとこに入れた塩味のおはぎを食べ、12時に
 はつとこに入れた「イッソウ飯」を食べ、午後四時頃迄に
 茅刈り作業を続けた。休憩時間をはさんで14時間の長
 時間労働であり、施主ではそれに見合った食事を用意
 したのであろう。

 
文中には、2つの町での例がでてきますが、
その中の、ご飯の量に注目してもらいたいのですが、
まず、一つ目の町の例には「600匁」とあります。
「600匁」とはどのくらいの量かというと、本書の注に
よれば、

 600匁=1升

だそうです。

また、もう一つの町の例には、「イッソウ飯」とあり、
括弧内からわかるように、

 イッソウ=1升

です。

つまり、茅刈りの時は、一人一日1升のご飯を食べていた
ということになります。

文中にもあるように、昔は夜も明けきらないうちに、
というか、まだ夜中といえる時間帯から集まって、
茅を刈っていたということですから、
途中で何度も休憩し、朝ごはんや昼ごはんなど、
何回にもわけてそのご飯を食べたのだと思いますが、
それにしても1升ですよ・・。

私のおにぎりがいくら大きいとはいえ、
せいぜい1合ちょっとのものです。

自分では結構食べるほうだと思っていたのですが、
昔の人にくらべれば、屁のツッパリにもならないという
ことを痛感しました。

「茅刈焼き飯」おそるべし・・

西山哲雄

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