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2008年10月29日 (水)

道具と機械

こんにちは、
水曜日にブログ当番だったのに
うっかりすっとばしてしまい
木曜日の今日、こうしてブログを書いていますが、
過去に戻って記事を書き込むことができるという
お助け機能により、何事もなかったかのように
水曜日に更新したようにみせかけようとしている
西山です。

さてさて、本日はまず3つの引用文から入ります。

 ・どんなに有能な調理道具でも、
  じつのところ「手」につかえる下僕だと
  あらためて知る。

  (平松洋子『平松洋子の台所』新潮社 p95)

 ・近年、人々の生活にもパソコンが急速に入り込むように
  なりました。その一方で、さまざまな問題が浮き彫りに
  なってきています。

  そもそもパソコンは、スイッチを入れてから使えるように
  なるまでの起動時間がかなりかかりますし、
  アプリケーションに不具合が出ることもしばしばです。

  こんな状態ですから
  人間がよほど機械(=パソコン)に合わせないことには、
  使いこなせません。

  これまでは、人間が機械に合わせて働き、
  機械に合わせて行動様式を変えなくてはならない局面が
  多くありました。

  結局、手間が増えてしまい、せっかく機械を使っているのに
  便利になったのかわからないということも
  しばしばあります。

  しかし、これからは「機械が人間に合わせる」ための
  方法を考える必要があります。

  (原丈人『21世紀の国富論』平凡社 P90)

 ・たぶん、仕事にあれ、完成品をもとめていくということ、
  いまここでただちに完全であることを求めるということは、
  道具すら使い捨てていくことになる。

  昔の玉はがねの鍛造の鏝は、
  六寸の鏝が三寸になるまで使うことが出来たものだ。

  機械は、完成品でなければ使えないが、
  道具は完成品ではありえない。

  道具はその用途のために使われるとしても、
  機械とちがってそれを使うものの身体性
  (全身性、眼や指先だけではない)
  を通して性能が発揮されるものであるから、
  道具づくりは九分はつくるとしても
  あとの一分は使うものにあずけなければならない。

  道具の道具たるゆえんは、
  道(過程)の中でおのずから
  本質(機能)が具わってくるということだ。

  (小林澄夫『左官礼讃』石風社 p79)

この3つの文章は、
それぞれ別の本に書かれたものたちです。

一つ目は、フードジャーナリストのエッセイ。
二つ目は、ベンチャーキャピタリストの書いた本。
そして三つ目はおなじみ、わが愛読書『左官礼讃』です。

『左官礼賛』だけは大分前に読んだ本ですが、
後の二冊は今現在、偶然平行して読んでいる本です。

ジャンルも内容も全く違う三冊ですので、
みなさんにとっては何の共通性があるのか
わからないかもしれませんが、
私にとっては、同じことを言っているように思えました。

というのも、
最近、杉板を貼ったりするのに
空気の圧力で釘を打つような機械や、丸ノコなどの
電動工具を使っているのですが、どうもああいった類の
ものに親近感をいだけないのです。

逆に、かなづちや鏝、ノミや鉋といった
ものには、その風体に親近感がわきますし、
(使い込まれたものならなおさらです。)
それらを使うときの音も好きなのです。

単に、

 人力に頼る「道具」→好き
 人力以外の動力を使う「機械」→嫌い

と言ってしまえば簡単なのかもしれませんが、
好きになれない「道具」もあるし、
愛着のわく「機械」もきっとあると思うので、
そんなに簡単には割り切れないなと
思っていました。

そんなところに上の文章たちに出会い、
思わぬヒントをもらった気がします。

この道具(機械)問題はたぶん、これから先も
事あるごとに思い出し、考えていくのだと思いますが、
とりあえず、今日時点での私の勝手な想いを
まとめておきたいと思います。

〈本日のまとめ〉

私の好きな道具(機械)は、

道具(または機械)が人に歩み寄ることで、
道具(または機械)とそれを使う者(自分)とが
一体となり使用でき、
またその使い勝手の調整や、メンテナンス等を
使う者が、自らできること。

西山哲雄

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