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2007年11月14日 (水)

小布施ッション76 妹尾堅一郎

「成長と発展は、どこが違うのか?」
妹尾さんは、話のはじめに、こう問いかけました。
つづいて、
「あなたは成長したいですか?発展したいですか?」
という問い。

僕には両者の違いが正直わからなかったのですが、
妹尾さんの説明を聞いて、納得しました。

成長は、英語で言うと、growth、improvement
人間の背が伸びるのを成長と呼ぶことからわかるように、
量的な拡大のことを指します。
そして、一つのモデルを改善し、磨き上げていくことです。
日本人が得意とされているやつですね。

(モデルとは、物事の仕組み・仕掛け・仕切りのことだと説明がありました。)

一方、発展を英語で言うと、development、innovation
いままでのモデルとは違う、新規モデルを打ち出していくこと。

これで、両者の違いがわかったかと思います。
そして重要なのは、

 成長から発展は生まれない。

ということ。

一つのモデルをいくら磨き上げても、
そこから発展は生まれないのです。
たとえて言うなら、
カセットテープをいくら突き詰めても、
CDは生まれないということです。
そして、

 成長より発展のほうが強い

ということ。
ひとたび優秀な新規モデルが提示されれば、
それまでのモデルが、いくら磨き上げられていたとしても、
新しいモデルに取って代わられてしまうのです。

というわけで、
「日本は発展を目指すべきだ」と。

こんなにはっきりと、成長と発展の違いがわかってもいいのだろうか?
と思うくらい、僕はすっきりしました。
今の日本の問題は、成長と発展を混同しているところでしょうかね。
現に僕は今まで、成長を!という掛け声に、悪い気はしてなかったですから。
これからは、成長より発展を!と言っていきたいと思います。


妹尾さんの専門は、問題学・構想学。

 問題は、解決する前に、設定しなくてはならない
 どんな問題を設定するかが、問題学だ

とおっしゃっておりました。
問題を設定する際に必要なのは、コンセプトで、
妹尾さんいわく、

 コンセプトとは眼鏡だ

と。
かける眼鏡(コンセプト)によって、世の中の見え方が変わるのだ。
という説明でした。

どういうことかというと、
例えば歴代ヒーローなら、

1960年代  月光仮面      「変装」
1970年代  ウルトラマン     「変身」
        仮面ライダー 
1980年代  マジンガーZ     「合体」
1990年代  エヴァンゲリオン  「変態」
2000年代  ポケモン       「進化」
2010年代  ・・・         →次のコンセプトを見つけたものが勝ち!

といったように、各年代の代表的ヒーローをコンセプトによって分類することで、
歴代ヒーローの変遷が解釈でき、
これからのヒーローについても、

 要するに次のコンセプトを発見した人が勝ちなのだ

ということが、明瞭にわかるのです。

こんな感じで、
水戸黄門や
歴代音楽メディアについて、
「あぁ、そうだったのか!」と思う話を
つぎから次へとしてくださいました。

そんな話を聞いていて、僕のこころに浮かんだのは、

 補助線

ということば。
妹尾さんも何度か使われていたのですが、
要するに、妹尾さんのされている「コンセプトワーク」というのは、
学生のときにならった、数学の証明問題に似ているのではないのかなと思ったのです。

提示された図形に、補助線をうまいこと引くと、
問題を解くことができる。

という、あれです。

いってみれば、
 図形=世の中
 補助線=コンセプト
なのです。

補助線なしでは、証明問題はただの複雑な図形のままです。

現実の世の中では、補助線はいくつもあるだろうし、
どれが正解でどれが不正解というのも、
わりとあいまいな気がします。

ただ、引いた線によって、
違った世界が見えることは確かです。

そして、補助線を引いてみることが
まずはだいじなのではないかと、
”補助線の達人”妹尾先生の話を聞いて、思ったのです。

西山哲雄

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