« ついに完成! | トップページ | 茅ごしらえ »

2007年10月16日 (火)

漉く

朝晩、だんだんと寒くなってきましたが
いかがお過ごしでしょうか?
西山です。

さて、写真館ではベト塗りの作業が進められていますが、
冬が来る前に、建具(外壁まわりの戸)をとりつけるべく、目下格闘中です。
壁と建具ができると、寒い冬でも室内の作業はできるだろうというもくろみです。

新しく作成する建具もありますが、
もともとの建具を活かせるところは、
修理して、また使おうと思っています。

そこで・・憶えているでしょうか?
写真館の建具に障子窓があったことを。
障子窓に必要なものといえば、障子紙!
北信濃には、障子紙として有名な内山紙があることを知った私は、
先日早速、内山紙の産地である、飯山市へ行ってきました。

訪れたのは、稲田紙店。
内山紙の販売をされているお店です。
気さくなご主人にお茶を勧められ、
ついつい長居して、内山紙のことをあれこれお聞きしました。

■内山紙の盛衰

昔(昭和30年ころ)は稲田紙店のような内山紙を扱う店が、
250軒もあり、それぞれが大量の内山紙を仕入れ、売っていたとのこと。
稲田さんのところでは、仕入れた紙で12畳間が天井まで一杯に埋まるほどの
量を扱っていたそうです。

それぞれの店がそんな調子だったでしょうから、どれだけの量が生産されていたのか、
想像が追いつきません。
しかもその大量の紙が、一枚一枚、手で漉かれていたわけですから、
職人だって、それこそたくさんいたわけです。

そして、その大量の内山紙は、長野県内や隣接する新潟県のみならず、
中には遠く仙台まで届けられていたということですから、
まさに、全国各地に内山紙が浸透していたということでしょう。

それが現在、内山紙を扱う店は数軒。
紙を漉く職人も10人を切っており、
売る紙を確保するのも一苦労という状況だそうです。

■手漉きと機械漉き

手漉きは機械漉きにくらべ、丈夫です。
その要因は、原料である楮の繊維の長さ。
機械漉きの場合、手漉きと同じ長さにすると、
漉くときに絡まってしまい、ダマができてしまうため、
短くしているそう。
手漉きでは、ダマができそうになっても、
手加減で回避できるのです。

値段は機械漉きが圧倒的に安いですが、
耐用年数をかんがえれば、どうでしょう?
手漉き内山紙は、6・7年は障子紙としてつかえるそうです。

また、手漉きの紙は、漉く人の癖がでるようで、
「紙をみて、漉いた人がわかるんだよ」
「下手な人が漉いた紙は、厚みが偏っていて、積み上げるとかたむいちゃうんだよね。
 それをごまかそうとして、交互に積んだ人もいたんだ」
なんていう話も聞きました。

こんな逸話が聞けること自体、手漉き和紙の価値なのではないだろうか?
そんなことを考えた一日でした。

今度は、手漉きの現場に行こうともくろんでいる
西山哲雄

|

« ついに完成! | トップページ | 茅ごしらえ »

N」カテゴリの記事

「施工事例」カテゴリの記事

素材探訪」カテゴリの記事

「職人のわざ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/194472/8455213

この記事へのトラックバック一覧です: 漉く:

« ついに完成! | トップページ | 茅ごしらえ »