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2007年9月28日 (金)

発想の転換

こんにちは、昨日に引き続き根曲がり竹を採りに行ったのですが、
山の急激な天気の変化に会い、
雨でズブ濡れになって退散を余儀なくされた金石です。

さて、前回のブログで申し上げたとおり、
今回は関西大学・准教授の木下光さんのお話をご紹介したいと思います。

瓦談義の中で瓦の下地材に話題が及んだときのこと、
以下のようなお話をいただきました。

 「土葺き」では下地材が土なわけなんですけれども、
 土の効果って断熱性よりもむしろ、
 いったん水を蓄えてから2~3日後に発生する気化熱に
 あるんじゃないかと思うんですよね。

ある実験結果によると、土葺きの場合と現在の乾式工法の場合とで、
屋根材の室内側の温度がさほど大きな違いが見られなかったとのこと。
あくまで簡易的な実験だったようですが、
期待したほど断熱効果の違いが数値で出てこなかったようです。

そこで木下先生はこのように考えました。
蓄えた水分が陽射しで熱せられたときに生じる「気化熱」で
建物内部の温度を下げる働きをしているのではないか?と。
これと同様の話を茅葺屋根の場合で聞いたことがありますが、
なるほどそうかもしれません。

屋根に降り注ぐ雨を「地面に落とす」だけではなく、「一部を蓄える」という発想。
屋根素材の厚さと屋根勾配の絶妙なバランスは、
きっとこうした発想から生まれているのだと思います。

Img_3382

これは雨を「地面に落としながら一部を蓄える」という発想。

Img_3388_2

こちらは「全部地面に落とす」という発想。

現代のあらゆる基準となる数値には、
雨が降る→土(茅)が塗れる→陽が射して放熱する→建物が冷える
といったダイナミックな時間の経過を伴う作用は、
残念ながらなかなか現れてきません。

こういったことこそ知恵であり技術だと思うのですが...

<追伸>
別のお話の中で、こういうこともお話いただきました。
 土壁って、建物の中の埃なんかを人の生活の邪魔にならないところに
 そっと置いてくれるような機能がある気がするんですよね。
 埃が減るとかそういうことじゃなくて、
 なんかこう生活者に不快感を与えないような...
ついつい「そうかもなぁ」と頷いてしまいました。

金石健太

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コメント

これってすごく難しい問題を提起することになるんですけれども。ブログで皆さんがよく挙げているのは、建築の「機能」について言っているわけですよね。建築のみならず社会は、その機能を断絶してしまったところで、文化も伝統も切り捨ててしまったんでしょうけれど。本来のその機能を洗い出して評価して提示すれば関心を引くことは十分可能なんだと思うんです。それは私もブログみてそう思うようになってきた一人ですから。そこで確実に言えることは「顧客不在であってはならない」ってことだと思うんです。「すごいんだな」って感心させてもらっても、自分の仕事に閉じてしまっていてリアリズムに徹してないと一般人には最後まで響かないんですよね。だからリアリズムってホント難しい問題なんですけれどもね。

投稿: | 2007年10月 1日 (月) 20時30分

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