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2007年4月 3日 (火)

達磨窯再考 ~その1~

こんにちは、
最近、キーボードのナ行とマ行を頻繁に打ち間違える金石です。

さて、本日は瓦のお話を...
まずは次の写真をご覧ください。

P1010042 Img_7194_1

左は達磨窯で焼いた燻し瓦、右は工業製品化された釉薬瓦(=陶器瓦)。
近くで見るとこれだけ差があります。

両者を簡単に説明すると、達磨窯で焼いた燻し瓦というのは、
焼き締めた瓦の表面に炭素を付着させてコーティングした(=燻した)もの。
焼き斑や表面の剥離によって、時が経つと1枚1枚が違った表情をしてきます。

一方、工業製品化された釉薬瓦というのは、ガラス質の釉薬でコーティングしたもの。
これは現代の流通システムで出回っているJIS規格の瓦。
均一な形、均一な色、低い吸水率が求められています。

さて、ここからが本題。
この2つを見比べてどうでしょう?
一見、達磨窯で焼いた燻し瓦の方はボロボロで色斑もあります。形も少々不揃いです。
それに対し、釉薬瓦はさすがJIS規格とあって綺麗な均一の面を作り出しています。

では、この瓦を遠方より眺めてみましょう。
瓦は屋根材なので、近くで1枚1枚見るよりも、
全体を一つの面として捉えたこの視点が重要です。

5

この写真の大きな屋根面の瓦は達磨窯で焼いた燻し瓦です。(手前の建物は釉薬瓦)
至近距離で見た先ほどの写真の瓦も、引いた視点から見ればこのように見えます。
個々の色斑がかえって落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
この瓦が、JIS規格の工業製品化された釉薬瓦であったとしたら...
あの均一な面・テカテカ光る質感では、周りの木々や土壁に馴染みません。
例えるならば、「点で描いていく油絵の上にポスターカラーを塗ったような感じ」
とでも言いましょうか...

問題は色斑のある燻し瓦が、現在の流通システムでは手に入らないことです。
以前は、どこの地でも焼かれていた達磨窯で焼いた燻し瓦ですが、
安価な工業製品化された瓦に押される形で、みるみるうちに姿を消していきました。
今ではこの瓦を作っている業者は全国でも数軒を残すのみです。

「手に入らないのであれば自分達で作ろう!!」
これが我々の達磨窯プロジェクト開始の大きな原動力となっています。(続く)

金石健太

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