2009年7月 9日 (木)

古色仕上げ塗装中の独り言 ~その1~

こんにちは、小屋裏でお昼を過ぎた頃から迫り来る
『闇』と格闘している金石です。
3時を過ぎると本格的に手元が見えなくなり、
なかなか作業が進みません。

電気を付ければ?

皆さんそう思われるかもしれませんが、
実はこの現場、電気を引いていないんです。
なにかと不便なことも増えてきたので、
近々仮設の電気を引くことになりそうです。

ちなみに古い発電機を現場に持ち込んで
投光器で照らすことも試みましたが、
古いだけあって振動音が大変うるさく、
ご近所に迷惑をかけてしまうので泣く泣く断念しました。

さて、本日の塗装作業中の私の頭の中のテーマは
ズバリ、「時間と塗装」です。

今、私がしている作業は、

 新しくした部材を古色仕上げで塗装すること

です。
では、古色仕上げで塗装することとは...?
それは端的に言うと、

 部材の表面に煤や油を付着させていること

ですよね?
これって言い換えるならば、

 囲炉裏から立ち上った煙が、何十年という歳月をかけて
 部材の表面に付着させた(=塗った)煤や油を、
 一瞬のうちに塗料として塗ってしまおう

ということに他なりません。
古材の表面と古色仕上げをした部材の表面...
多少の違いこそあれ、
成分的にはほぼ同じものと言えると思います。

あぁ、そうか...

今こうして手を動かしている「古色仕上げ」って、
長い時間かけて出来上がってきたものを、
早足で仕上てしまおうっていう技術なのかもなぁ...

そんなことを暗闇の中で考えておりました。
だから何ってわけでもないんですけど...
完全に独り言です、はい...

金石健太

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2009年7月 8日 (水)

Stay hungry,stay foolish.

こんにちは、西山です。

・マウスを新しくしました。

 少し前に、長年連れ添ってきたマウスとの別離を書きましたが、
 その際に新しくしたマウスと今回、お別れしました。

 といっても、今度は、新しくしたマウスが壊れたわけではなく、
 むしろその逆というか、
 壊れてしまった先代のマウスが、なんと復活したのです!

 数回にわたった一連のブログを読んでくださった心ある方が
 マウスの修理を申し出て下さりまして、
 見事に治ったマウスがこのたび、私の手元に帰ってきた
 ということなのです。

 私にはお手上げだったマウスを見事よみがえらせて下さった
 清久さん、ありがとうございました!!!

 
・大学生の時、所属研究室ではマックが使われていました。

 そのこともあって、今はウィンドウズ環境にありますが、
 相変わらずマックには親近感を抱いていますし、
 マックのつくりだす世界観は、大好きです。

   

  そんなマックを生み出した、
 スティーヴ・ジョブスのスピーチです。

 
 ジョブスのように、
 後に続くものに希望を与えることができる大人に
 なりたいものです・・。
 

・先日ある方と話しているときに、
 自分の原点を思い出しました。

 今なぜ、このような仕事をしているのか、
 これから先、どんなことをしていきたいのか?

 現在の仕事、今興味をもっていること、そしてこれからのこと
 そういったもののはじまりの一つを
 思い出しました。

 この「原点」は、大学生時代の出来事ですが、
 あまりにも強烈な体験だったので、
 自分の心に深く刻まれました。

 本当に強烈な出来事だったので、
 一生忘れるはずは無いと思っていたのですが、
 危うく忘れそうになっている自分に気づきました。

 その事実に気づいて、かなりショックだったのですが、
 なにはともあれ、完全に忘れてしまっていなくて
 本当によかったです。

 大切な気づきを与えてくださったその人に感謝です。
 

西山哲雄

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2009年7月 7日 (火)

珪藻土壁材

こんにちは。梅雨の真っ只中といった今日この頃、
第7回小布施見にマラソンまであと12日となりました。土屋です。

さて、前回漆喰や、珪藻土壁材には、
各社から様々な種類の製品が出されている、
というところまで書きましたが、
今回は珪藻土を使った壁材についてです。

「自然素材で調湿効果がある」、
これが今までの漠然とした珪藻土のイメージでした。
しかし、今回いろいろHPなどを見ていると、
いい面ばかりではなく、注意するべき点も見えてきました。

一つ目は、100%天然素材ではないということです。
そもそも珪藻土とは、植物性プランクトンの化石で、
それ自体では硬化しないため、接着剤や樹脂が混入されているようで、
今回探した製品にも、合成樹脂が含まれていました。

二つ目に、珪藻土の安全性が疑わしいということです。
珪藻土に含まれる成分に発がん性の疑いがあるというのです。
すでにドイツなどでは使用が禁止されており、
近年日本でも使用が禁止されるのでは、という記述もありました。

これらの点が、全ての製品に当てはまるのかどうか、
そこまで詳しく調べたわけではありませんが、
珪藻土を含んだ製品を選択する場合は、
その製品について詳しく調べてみる必要がありそうです。

土屋 直人

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2009年7月 6日 (月)

古色仕上げ奮闘記 ~その6~

こんにちは、先日土屋氏に「塗装するときは手袋をしたら?」
という大変ありがたい助言を頂き、
晴れて指先が黒くならなくなった金石です。

さてさて、本日も相変わらず野地板の塗装をしておりますが、
まだまだ終わりが見えてきません。
それもこれも、全ては目地部分の塗装が原因ですね。
先日のブログでも書きましたが、
かなり余計な手間がかかってしまいます。

P7036336_2 

そんな地道な作業ばかりしている最近の楽しみは、
休憩時間に足場の上で大の字に寝転んで、
掃除し終えた梁と塗り終えた野地板を見上げることです。

現場が暗いせいもあって、
写真では真っ黒に写ってしまいますが、
今回調合した色はかなり赤味を帯びた黒色です。
それもベンガラの「粉っぽい赤」ではなくて、
野地板の「杉板の地肌を利用した赤」...
つまりは、塗料は薄くして板の本来の色を利用した仕上げにしております。

ですので、下から寝転がりながらじっと見上げると、
板によって微妙に色合いが違っているのがよくわかります。
木の赤身の部分と白太の部分では
当然表情は違ってくるし、同じ赤身の部分を比べても
表面の仕上げ状態によってもこれまた微妙に違ってくる。

P7036344

でも...

全体として見たときに「力強さ」を感じます。

これって色斑のある地瓦の表情とよく似ています。
まぁ、地瓦ほど斑があるわけではないのですが...

それにしてもこの「色斑=美しい」とジャッジする
人間の視覚というか感性というものはどこから来ているんでしょう?

なんてことを考えながら、
汗を掻き掻き手を動かしています。

金石健太

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2009年7月 3日 (金)

貸景

こんにちは、西山です。

・前回のクイズの答えです。

 003
 この、円通寺の庭園にある生垣は何種類の植物で構成
 されているでしょう?

 という問題でしたが、
 正解は・・・

 50種類です。

 「混ぜ垣」と呼ばれる手法とのことですが、
 とても私には、50種類を判別することは不可能でした。

・円通寺の庭園の話が続きます。

 001
 
 円通寺の座敷にしばらく座って思い至った
 あくまで個人的な感想ですが、この景色のポイントは、
 座敷と縁側の間に立つ柱と、
 生垣のところにある、何本かの杉の木ではないかと・・。

 一見、借景である比叡山の姿を遮るもののように思えますが、
 実際には、これらのおかげでより、立体感のようなものが
 生み出されているのだと、感じました。

 現代建築では、目の前に絶景が広がっている場所において、
 無柱の大開口を設けることで景色を取り込むということが
 常套手段となっているように思いますが、
 それだけが全てでないことを円通寺の庭園は語っています。

 ・・と、勝手に私は受け取りました。

・先日、梅割り器の話をしましたが、
 今度はいつもお世話になっている曳屋職人の親方から
 梅をいただきました。

 Photo

 ありがとうございます!
 そしてまた、自家製梅割り器の出番がきたようです。

 002
 ちなみにこの梅、
 生のまま食べてみたところ・・

 Photo_2
 こんな感じでした。

 
・今年もこの季節がやってきました。

 2009
 とうもろこしが主食でも一向に構わないと
 この時期は毎年、本気で思っています。

 ちなみに、とうもろこしはイネ科だと、ついさきほど知りました。
 茅といい、もろこしといい、イネ科の一年草には縁があるようです。

もちろんお米も大好きな
西山哲雄

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2009年7月 2日 (木)

左官外装材

こんにちは。最近、ふとした拍子に腰に電気が走る、土屋です。

さて、私の友人に大工をしていて、自分の家を自分の手で建てている、
という、なんともうらやましい友人がいるのですが、
その友人に外装材について尋ねられました。
内容は、左官仕上げで自然素材を使った白い壁、
にするためには何を使ったらいいか、というものです。

ということで、日本古来よりある漆喰や、
内装材として多く用いられるようになった珪藻土壁材を中心に、
市販の左官材料を調べているのですが、
一重に漆喰、珪藻土壁材といっても、
各社から様々な種類の製品が出されています。

サンプルがもらえるものはサンプルをとってみたり、
施工後のメンテナンス性、価格を考えながら、
様々ある製品の中から、友人のイメージに合うものを探す一方、
これを機会に漆喰や珪藻土、またモルタルなどを使い、
既製品ではない仕上げ材のサンプル作りもしています。

このあたりの詳しい報告は、
おいおいしていきたいと思います。

土屋 直人

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2009年7月 1日 (水)

古色仕上げ奮闘記 ~その5~

こんにちは、誰もいない朝の駐車場で
独りド派手な転倒を演じてみせるサービス精神旺盛な金石です。

先日からお伝えしている旧山田写真館の塗装工事、
ようやく野地板、垂木の塗装に移りました。

特に野地板は注意が必要です。
何に注意するかといえば「塗料の吸い込み」です。
この建物の場合、野地板の仕上げは鉋がけがされていません。
皆さんも想像できるかと思いますが、
表面の仕上げが荒いと塗料の吸い込みは強くなります。

要するに、

 色合いが濃くなり、塗料が伸びなくなる

という作業上の弊害が生じるわけです。
そのため、

 ・塗料の濃度をあらかじめ薄めに調整する
 ・木材の表面に一度水を塗ってから塗装する
 ・塗装後の拭き取りのタイミングを早める

という対応を私はとりました。

Img_4797

新しい垂木と野地板を塗装したところ。
ご覧になっていただければ一目瞭然ですが、
野地板の隙間の未塗装部分が目立ちます...

ここを小さい筆を使って塗り潰していくのですが...
これが非常に面倒な作業です。
新築の場合、あらかじめ塗装してから造作工事に移ることを
強くお勧めします。

そしてもう一つ失敗事例を紹介。
写真をよ~く見ると気づくかもしれません...

後から塗り潰した目地部分(左端)に注目。
ここだけ少し赤味を帯びているのがわかりますか?
これはベンガラ(赤)が強く出てしまった影響です。

ベンガラは混ざっているだけで溶けてはいないので、
時間と共に塗料の下の方に沈殿しがちです。
気をつけてかき混ぜながら塗装していたのですが、
後から塗った部分に赤味が強く出てしまいました。

さて、まさに手探り状態の古色仕上げはまだまだ続きます。

金石健太

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2009年6月30日 (火)

借りる。

こんにちは、西山です。

私も昨日、「小布施まちづくり大学」に参加してきました。
内容は、昨日のブログで土屋が書いたとおりなのですが、
個人的には、今年の3月に京都をおとずれたばかりでしたので、
京都の現状を容易に思い浮かべることができ、
より一層、興味深い内容となりました。

そんななかで、
講師の高谷基彦さんが用意された資料のなかに、
見慣れた写真がありました。

資料のなかには、「京都市眺望景観創生条例」によって
守りたい眺望が以下のように列記されていました。

 ①境内の眺め
 ②通りの眺め
 ③水辺の眺め
 ④庭園からの眺め
 ⑤山並みの眺め
 ⑥しるしの眺め
 ⑦見晴らしの眺め
 ⑧見下ろしの眺め

そのなかの、「④庭園からの眺め」の例として
挙げられていたのが、「円通寺」の写真でした。

「円通寺」にピンと来た人は、かなりの京都通です。
(と、にわか京都通が勝手に認定しておきます。)

上にも書きましたが、
去る3月に京都を訪れることになりまして、
その際に行き先を相談した、高校時代からの友人で
少し前まで京都に住んでいた彼の口から
その名を聞かなければ、
私はきっと今も、知らないままだったと思います。

そんな「知る人ぞ知る」的な寺、「円通寺」。
清水寺や金閣銀閣、三十三間堂などにくらべれば
知名度ではあきらかに及びませんが、
私は京都滞在の予定に組み込みました。

結果から言うと・・・この決断は大成功でした。

このお寺、京都の中心部から北へと
細い山道をしばらく登った先にあるのですが、
往復の所用時間を差し引いて余りある、すばらしさでした。

それがこちら。

001

円通寺の庭園は、後水尾天皇によってつくられたもので、
枯山水の庭の先に望む比叡山を借景としています。

写真ではわかりずらいかと思いますが、
生垣の先に、うっすらと比叡山がみえるでしょうか?

肉眼で見ると、もっとはっきりと見えますし、
庭のすばらしさも、私の写真ではもちろんのこと、
どんな写真や映像によっても、
決して伝わりきるものではないと思います。

とにかく、京都に行ったらぜひ訪れ体感してほしい場所です。

にわか京都通のおすすめNo.1です!

しばしこの景色に見とれたあと、
ご住職と話をすることができたのですが、それによれば、
このすばらしい借景も、
付近の開発によって存続の危機にあったようです。
ご住職らの努力により、とりあえず最悪の事態は免れた
ということでしたが、
今後も同じようなことが起こらないという保障はありませんよね。

・・・・と思っていたところへ、今回のまちづくり大学で、
こういった景観をまもるために
「京都市眺望景観創生条例」が制定されたと知り、
合点がいったのでした。

〈本日の一枚〉
002_2
円通寺の庭園の重要な要素の一つ、生垣。
実は様々な植物が組み合わされているのですが、
何種類の植物が組み合わされているでしょうか?

答えは次回西山担当ブログで!

西山哲雄

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2009年6月29日 (月)

小布施まちづくり大学

こんにちは。最近、虫に刺されたところが治りにくい、土屋です。

さて、本日開かれた平成21年度小布施まちづくり大学、
第1回の講義を公聴してきました。
この「小布施まちづくり大学」は昨年度から開催され、
昨年度は前6回の講義が開かれました。
「小布施まちづくり大学」について、詳しくはこちらをご覧下さい。

ということで、今回の講師は高谷基彦さん。
京都市都市計画局都市景観部長をされている方で、
平成19年9月より実施されている、京都の新景観政策について、
説明してくださいました。

この新景観政策、詳しくはこちらをご覧頂きたいと思いますが、
5つの柱と支援策によるものだそうです。
その中でも、私が一番興味深かったのが、
眺望景観や借景を守るために制定された、
全国でも初となる「京都市眺望景観創生条例」というものです。

「眺望景観」とは聞き慣れない言葉ですが、

 ある視点場(景観を見る地点、展望台など)から視対象(眺められる
 対象物、山や海など)を眺望したとき視覚で捉えられる景観(引用

だそうです。そして、この条例というのが、
文献や市民の意見597件の中から、38箇所を選定し、
その眺望景観・借景の保全を図る、というものです。

今までの景観政策というと、町並みの高さやデザインを制限したり、
歴史的に重要であったり、景観が優れている建物を保全したりと、
建物単体、あるいはその町並みに対して基準を設ける、
というものがほとんどだと思います。

しかし、この眺望景観という考え方においては、
ある建物から見える景色、
ある町並み越しに見える景色について基準を設けるため、
これまでの政策からもう一歩踏み込んだ政策であると思います。

今後は、この眺望景観という考え方が広く取り入れられていくでしょうし、
また、取り入れられていくべき考え方であると思いました。

さてさて、次回の「小布施まちづくり大学」は、
8月3日(月)の開催予定だそうです。

土屋 直人

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2009年6月26日 (金)

古色仕上げ奮闘記 ~その4~

こんにちは、手の爪の際に入り込んだ真っ黒な松煙を落とそうと、
連日風呂場で必死にゴシゴシしていたのの、
このところ半分諦め始めて、
松煙との共存の方向で調整を図り始めた金石です。

さて、前回のブログでも紹介したとおり、
旧山田写真館の小屋梁を洗浄したところ、
あっけなく煤まで落ち、茶色い木肌があらわになってしまいました。

通常の塗装工事では全ての部材をこのように洗浄してから、
オイルステイン等で塗装していくはずです。
が、、、
今回は「現在の煤けた状態をできるだけ尊重したい」ので、
極度にこびり付いている煤だけを落として、
古材に関してはあまり塗装をしないつもりです。
そうした観点から見れば、「小屋梁を洗浄」は
必要とする煤まで綺麗に落としてしまったのですから、
失敗と言わざるを得ません...

まぁ、これはこれで良い色なんですが...
空間全体のバランスを考えると、
やっぱり少し煤けているくらいの方がしっくりときます。

そこで、、、

柿渋と水に少々の松煙と本当にわずかなベンガラとを混ぜて
木肌があらわになってしまった梁を塗装し直しました。
もともと表面に付いていた煤をもう一度塗り足す要領です。

Img_4808

乾いた直後は全体が真っ黒だったものの、
タワシで擦ると表面の松煙がとれて、
なかなか自然な色斑を出すことができます。

Img_4790
<塗装前(洗浄後)>

Img_4805
<塗装後>

この建物が完成して、この梁を見上げる機会のある皆様、
入口の土間から見上げる梁を見るときに思い出してください。

 あぁ、これが金石が洗いすぎて塗装し直す破目になった梁かぁ...

と。
そして優しく笑ってやってください...

金石健太

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